液晶画面の進化を支える、
無限の組み合わせの試行錯誤。
私はテレビやスマホの画面に必要な液晶シール材を開発しています。具体的には液晶ディスプレイの四辺の縁に塗ることで、2枚のガラス基板を接着しつつ、中の液晶が外に漏れてこないように封止する役割があります。見た目は地味ですが非常に重要な部材で、このシール材がないと液晶の画面をつくることはできません。そのシール材で肝となるのが接着剤です。ひと言で接着剤といっても、十種類以上の材料が混ざり合って構成されているんです。その一つひとつの材料の配合バランスによって、接着剤としての機能・性能が大きく変わります。無限とも言える組み合わせから新規材料をつくり出すまでは試行錯誤の連続ですが、良好な物性が出た時の達成感はとても大きく、やりがいを感じますね。
求めていたものは、
安定した資本力と組織力。
学生時代は応用分子生命科学を専攻していたので、今まで学んでいたことに近い業界で働きたいという想いがありました。そのため、食品メーカーと化学メーカーに絞って就職活動を進めていきました。さらに安定的に研究が継続できる資本力と組織力のある、大手企業であることも重視していましたね。組織の人数が多いということは、仲間が多いということだと思います。その仲間を通じて学べることもたくさんあるはず、そう考えていました。さまざまな企業の中でも三井化学は、私が希望した要素を全て兼ね備えていると感じたため、入社を希望しました。
整理整頓は、
自身を支えるたしかな信念。
私は常日頃、整理整頓を徹底すれば新しい何かが見えてくると考えています。データ・情報を秩序立ててまとめ、蓄積していくと、思わぬ閃きが生まれたり、点と点が繋がり理解が深まるケースが経験上多いからです。実験においては、さまざまな器材を使用するので、規模が大きくなるほど安全性が求められます。思考だけでなく実験台の周囲も整理することで、効率的に作業ができるようになり、ミスや事故を防ぐ効果も高くなります。また、この仕事の使命は、お客様のニーズを開発製品に落とし込み、それをお客様に採用していただくこと。そして実際に収益を上げることが大切です。しかし、一連のプロセスを達成することが案外難しい。そのために整理整頓を行い、課題解決のために思考を整えることを心がけています。
三井化学の人間として、一個人として、
新たなチャレンジは続く。
三井化学の人間としては、今手元にある自社技術の組合せを丁寧に考え・試行錯誤していくことで、イノベーションを創出できるような研究開発をしていくことに挑戦したいと考えています。先ほどの接着剤の話でいえば、現在は材料の配合バランスだけではなく、接着剤の固め方を変えてさまざまな物性を出してみるという研究も行っています。固め方によって使用する材料も変わってくるので、今まで研究していた接着剤とは異なる新しいアプローチのチャレンジですね。また、私個人の目標は、副業にもチャレンジしてみることです。具体的な構想はこれからになりますが、当社でも副業が解禁されているので、この10年で培ってきた経験や強みと社会のニーズがマッチする交点を見つけて、新しいビジネスにトライしてみたいですね。
Private
休日は二人の娘の相手で追われるためあっという間に1日が終わってしまう感覚です。
最近は料理を趣味にしたいと思い、美味しい料理の作り方を勉強中の身でもあります。