特殊イソシアネート(m-XDI、1,3-H6XDI系モノマーとポリイソシアネート)

タケネート®500(m-キシリレンジイソシアネート、m-XDI)、タケネート®600(1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-H6XDI)は紫外線による黄変に強く、反応性が高いイソシアネートモノマーです。モノマー、ポリイソシアネートのそれぞれを提供可能です。


概要

一般的にイソシアネートはTDI、MDIなど芳香族イソシアネート系のものは紫外線によって黄変しやすく、使用用途が制限される場合があります。一方、XDI、H6XDI、PDI®、IPDI、HDI系のものは黄変しにくい特徴があります。

三井化学のXDI系イソシアネート(タケネート®500)、H6XDI系イソシアネート(タケネート®600)は下記に示すような他のイソシアネートにはない特徴があります。また各種ポリオールとの組み合わせにより硬化性、密着性、柔軟性などの諸物性を自由に変化させることができますので、塗料、接着剤を始め多様な用途に使用できます。

製品名タケネート® 500タケネート® 600
構造式
化学名1,3-Bis(isocyanatomethyl)benzene1,3-Bis(isocyanatomethyl)cyclohexane

モノマー

タケネート®500|m-キシリレンジイソシアネート、m-XDI

芳香環を持つ脂肪族ジイソシアネートで、ユニークな特徴を持っています。タケネート500を使ったポリウレタン樹脂は、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)といった芳香族ジイソシアネートを使ったものよりも、耐黄変性に優れてます。また、タケネート500は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)やイソホロンジイソシアネート(IPDI)といった他の脂肪族ジイソシアネートよりも高い反応性を持っています。これらの特徴を生かして、タケネート500及びその誘導体は、軟包装材用高機能接着剤、高屈折率プラスチックレンズ、屋外シーリング材、人工皮革、塗膜、塗料、ウレタンエラストマー等に幅広く使われています。

タケネート®600|1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-H6XDI

ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の特徴を併せ持つ、シクロヘキサン環を有する脂肪族一級ジイソシアネートです。タケネート600を使ったポリウレタン樹脂は、HDIやIPDIを使った樹脂と同等の耐黄変性を持っています。タケネート600はHDIに匹敵する反応性を持っていますが、指触乾燥時間が短いという硬化特性や硬化物の硬さなどは、その環構造のためにむしろIPDI系樹脂に似ています。これらの特徴を生かして、タケネート600及びその誘導体は、高性能塗膜・塗料、建築用プライマー、高屈折率プラスチックレンズ、紫外線硬化樹脂、人工皮革、ウレタンエラストマー等に使われています。

ポリイソシアネート

タケネートD-110N

タケネート®500系のポリイソシアネートです。反応性と、耐黄変性に優れ、高い接着強度を示します。またインキ汚染性が少ない特長もあります。これらの特長を生かし、情報家電機器、自動車内装用、インキ用硬化剤などで採用されています。

タケネートD-120N

タケネート®600系のポリイソシアネートです。耐候性と耐熱性、硬度に優れ、太陽電池バックシートコーティング、自動車外装、屋外シーラントなどで採用されています。

タケネート®D-131N

XDI系のポリイソシアネートです。XDIヌレートとなるため、これまでの脂肪族ポリイソシアネートよりアルコールとの反応性が向上しており、硬化時間短縮や硬化温度低減が可能です。適度なポットライフ(可使時間)、耐候性(耐黄変性)、耐熱性 、高屈折率といった特長により、食品包装用接着剤、光学フィルムコート、スマートフォン向けスクリーンインキ、グラビアインキ、自動車用接着剤などで採用されています。

関連製品

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コーティング・機能材事業部