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担当役員メッセージ

常務執行役員ESG推進室担当

2025年の振り返りと今後の取り組み

昨年、ESG推進の担当役員に就任し、多くの方にお会いし、様々な情報に触れる中で、今、サステナビリティを取り巻く環境が大きく変化していることを実感しています。世界経済フォーラム(WEF)は「Global Risk Report 2026」において、世界は長年にわたり安定を支えてきたルールや制度の有効性が低下し「競争の時代(Age of Competition)」へ移行しつつある、と報告しています。各国の規制や制度が見直される一方、サプライチェーンにおける気候変動や人権の尊重など、社会課題に対する取組み要請は高まっており、企業にはこれまで以上に柔軟で実効性のある対応が求められています。この大きな変化の中で、三井化学グループとしてどのような価値を提供し、持続可能な社会の実現に貢献していくのかを改めて問い続けています。

三井化学グループは、2018年にESG推進方針を設定し、ESGを中核に据えた経営を行っていくことを表明して以来、その考え方に変わりはありません。重要な点は、社会からの要請に応えるだけでなく、当社グループならではの強みを活かしながら、社会課題の解決と事業成長の両立を実現していくことです。

その考え方を実現する取り組みの一つが、Blue Value®・Rose Value®です。当社グループでは、2011年に構想を開始し、2015年に制度化してから、製品・サービスが生み出す環境価値や社会価値を可視化してきました。Blue Value®・Rose Value®は、単なる製品評価制度ではなく、事業を通じて社会課題の解決にどのように貢献しているのかを可視化する仕組みであり、その価値をお客様と共有する重要な共通言語となっています。

引き続き、社会課題やお客様のニーズの変化を踏まえながら制度の高度化も進め、各事業部門が描く成長戦略や社会課題解決への貢献をより適切に評価できる仕組みへと発展させていきます。

気候変動への取り組みについては、近年、各国の政策や規制の方向性に様々な変化が見られますが、気候変動は社会の持続可能性に大きな影響を及ぼす課題であり、当社グループにおいては、引き続き優先的に対応していく重要な課題と認識しています。当社グループは、自らのGHG排出量を削減するとともに、当社グループが提供する製品によってライフサイクル全体のGHG削減に貢献していく取り組みを展開しています。自社排出量削減については、2030年目標である「2013年度比40%削減」の達成に昨年目途をつけました。さらに2050年カーボンニュートラルの実現に向け、環境負荷の低減と事業を通じた価値創造の両面から、着実に取り組みを進めていきます。

私たちは、「すべての人を大切にする」という考えのもと、従業員はもとより、三井化学グループの企業活動から影響を受けるすべての人々の人権を尊重することの重要性を理解しています。特に昨今は、サプライチェーンにおける人権マネジメントの責任が、企業にますます強く求められていると感じています。当社グループでは、人権デュー・ディリジェンスを通じて人権課題への対応を進めるとともに、社員の理解向上にも取り組んでいます。25年度に開催した「ビジネスと人権」に関する部門長の勉強会では、多くの参加者が人権課題を自分事として捉える機会となりました。こうした取り組みを通じて、人権尊重に向けた基盤は着実に整いつつあります。事業活動に関わる全社員が意識すべき課題として、今後も人権尊重の考え方をグループ全体へ浸透させ、実効性のある取り組みにつなげていきます。

当社グループは、サステナビリティに関する方針や体制の整備、各種取り組みを着実に進展させてきました。さらに、事業活動の中でより実践し、企業価値の向上につなげていくために、一人ひとりが自らの業務とサステナビリティとのつながりを理解し、日々の意思決定や行動に取り入れられる環境を整えていくことが必要です。その意味では、まだまだ道半ばであると感じています。

サステナビリティは、長期的な取り組みです。環境変化の大きい時代だからこそ、ステークホルダーの皆様との対話を重ねながら、粘り強く、柔軟に当社グループらしい価値創造のあり方を追求し、持続可能な社会の実現と企業価値向上の両立に挑戦していきます。