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2016年社長年頭挨拶(要旨)

2016.01.05

三井化学株式会社
社長 淡輪 敏

皆さん、新年明けましておめでとうございます。

「安全」を新たに

年頭にあたり、当社が最も重要だと考える「安全は全てに優先する」方針、「安全は自分自身のため、家族のため、同僚のため、社会のため」を皆さんと共に今一度強く誓いたいと思います。

昨年を振り返って

2015年度は原油安、円安の追い風もあり事業環境に恵まれましたが、14中計の中間年「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ステップ」の年として、当社が目指すポートフォリオ変革に向けた飛躍が進んだ年でした。年度予想を営業利益700億円、当期純利益350億円に上方修正し、実現できれば、14中計最終年度の2016年度における営業利益目標600億円を上回り、前倒しでの目標達成となります。 これは環境的な要因だけでなく、ポートフォリオの変革に向かって真っ向から取り組んだ皆さんの成果と言えます。

世界が直面するリスクに備える

2016年の世界は、米国や日本で比較的穏やかな景気が持続すると見込まれる一方、新興国では、中国の景気減速、ロシア・ブラジル等資源国での低迷や社会不安が懸念されます。 また欧州での難民問題、パリ同時多発テロ発生により、中東・欧州に起因する地政学上のリスクが、全世界に波及する可能性も拡大しています。先行きの予測は困難ですが、起こりうることを常に意識して、環境変化に機敏に対応できるよう備えてゆくことが極めて必要です。

更なる成長に向けて

2015年度にしっかりと実績を出し、2016年度は14中計最終年度「ジャンプ」の年として重要な年となります。当社のポートフォリオ変革に即した組織の変更も検討し、成長を牽引する3事業領域では、足元の収益拡大と同時に次世代事業育成も図って行きます。
モビリティ領域では、自動車材を中心にグループ内外資源を最大活用し、顧客に対して新たなソリューションの提供。
ヘルスケア領域では、ビジョンケア、オーラルケア等での、より快適に向けた機能創出や新製品販売。 
フード&パッケージング領域では、「フードロス・廃棄の削減」「食の安全・安心」「食料増産」を貢献すべき社会課題とし、食品用包装材料の高機能化と、農薬の開発、展開。
また、 基盤事業においては、大型市況製品について、各所で厳しい事業再構築を実施してきました。今年3月は関係者の尽力により、鹿島工場TDI設備停止の前倒しがあります。
これらの戦略を確実に実行し、景気変動に左右されにくい事業ポートフォリオの変革、安定的な高収益体質の確立に向けて2016年度は更なる成長を目指します。キャッシュフローも大幅に改善したことから、今後は財務健全性に留意しながら、新たな成長投資や合理化投資に積極的に振り向けてゆきたいと考えています。我々は利益の絶対額も追求していかねばなりませんが、それ以上にポートフォリオの変革による体質の強化を着実に進めることが、より重要です。

誇りをもって一歩ずつ着実に

「言ったことを実行する」企業として、当社は今、社会から強い期待が寄せられています。「新たな顧客価値を創造し、事業を通じて社会課題を解決すること」を実行し、持続可能な社会に貢献することを、ますます求められています。そのような中で、一旦信用を失う問題や安全を揺るがす事故やトラブルを起こせば、再び信用を取り戻すのに何倍もの努力と年月がかかります。社内外で横断的に良くコミュニケーションを図り、誇りを持って職務にあたり、今年も新たな飛躍に向けて一歩ずつ着実に、凛として進みましょう。

以上