三井化学社長 橋本 修 2022年度新入社員への挨拶(要旨)
2022.04.01
三井化学株式会社
1. はじめに
新入社員の皆さん、三井化学入社おめでとうございます。三井化学を代表して、皆さんを歓迎致します。
本来ならば、入社式ということで皆さんとは直接会ってお話するところですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、このようなオンライン形式となりますこと、とても残念に思います。
皆さんの中には卒業旅行等、当初予定していたイベントを実行できなかったという方も多いと思います。当社でも、本社を中心にテレワークを行い、事業所への往来を制限するなどの対策をとっています。全世界で影響が長期化し、またウクライナ情勢も緊迫化する中、当社の事業環境も予断を許さない状況にあります。
一方、コロナ禍以前は、入社式は事業所ごとに実施していましたが、本年度もオンラインというメリットを活かして、三井化学に入社する同期が一堂に会すことができるのは、非常に喜ばしいことです。
2. 世の中の変化と三井化学グループが果たすべき役割
いま起きている世の中の変化と、私たち三井化学グループが果たすべき役割についてお話したいと思います。皆さんもご存じのとおり、本年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。武力による侵攻は決して容認できるものではありません。一日も早い平和的な対話による解決を強く求めます。また、ウィズコロナの時代も今年で3年目を迎えますが、我々を取り巻く環境はグローバルレベルで時々刻々と変化しており、まさに世界は今、歴史的な転換点を迎えているといえます。具体的には、あらゆる産業でのデジタル化の潮流、ICTの進化、気候変動、プラスチックごみ問題を含めた循環経済への取り組み、ESGと企業経営との密接な結びつきといった新たな潮流が世界同時進行で出現してきています。そして新型コロナウイルス問題を契機とした就業観の変化等があります。
企業が持続的な成長を実現するためには、変わりゆく事業環境に適合する新たな経営の在り方を創造していくことが必要です。当社グループはこうした環境変化に対応すべく、昨年VISION2030を社内外に発表しました。
VISION2030では、上述した変化の潮流の中で、当社グループはいかなる存在を目指すべきかについて、原点から議論を重ねて来ました。 そして、当社グループが成長の基軸に置くべきは、存在意義である「社会課題の解決」に立ち返り、持続可能な社会の実現に貢献すること、そのために当社グループ価値創造の根源である「化学の力」を最大限活用することと改めて認識しました。これらを踏まえ、「目指すべき企業グループ像」を「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」と再定義しました。
また、VISION2030に込めた危機意識と覚悟を踏まえ、2030年のありたい姿を定め、その実現に向けて5つの基本戦略を策定しました。
社会課題解決への貢献と成長実現に向け、事業ポートフォリオ変革を加速します。そのため当社グループは、限界が見えつつある従来のビジネスモデルについて社会課題視点を軸に、ソリューション型、サーキュラーエコノミー型等の、より付加価値の高いビジネスモデルに転換し、新たな成長軌道を実現していきます。
3. 皆さんに伝えたいこと
(1) 安全最優先
1つめは「安全は全てに優先する」ということです。当社グループの一人ひとりが、「安全は全てに優先する」ことを心に刻み、生産現場のみならず、すべての職場で事故・災害ゼロを目指して頂きたい。また、「健康は企業活動の源泉」なので、当社グループの一人ひとりが健康管理への認識を高めて頂きたいと思います。
(2) 自主・自律・協働の実現
2つめは、「自主・自律・協働」の実現です。企業グループの競争力を高め、すべてのステークホルダーの期待に応えるためには、社員個々人が自ら考え、自分の職責を果たすと共に、個の力を束ね、組織として総合力を発揮していくことが大事です。是非、志を高くもって自己研鑽に励むと共に、周囲のメンバーに積極的に働きかけてください。
(3) 挑戦による学び(成功・失敗)は競争力の源泉
3つめは、「挑戦による学び(成功・失敗)は競争力の源泉」であるということです。学びは社会に出てからも続きます。学業と異なり、仕事での答えは一つではありません。だから誰でも失敗します。しかし、失敗してもいいのです。挑戦し、失敗から学び、内省し、そして粘り強く、何度でも挑んでほしいと思います。その先に必ず成長した自分と組織が見えるはずです。三井化学グループは挑戦する皆さんの成長の場・機会を提供し続けます。
4. 最後に
今年はVISION2030始動の年です。生まれたときからインターネットやデジタルデバイスを身近に成長してきた皆さんの柔軟な発想やアイデアは、これからのDX時代を生き抜くために当社グループの成長に欠かせないものであり、そして人財であると私は強く信じています。だからこそ、新入社員だからだといって臆することなく、自らの考えることは堂々と主張してください。優れた洞察力と構想力、そして強い実行力を持てるよう、日々の挑戦と発見を共に積み重ねていきましょう。
皆さんの活躍を期待、応援しています。
以上