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三菱ガス化学がバイオマスポリカーボネート製品の生産・販売に向けた取り組みを開始

~三井化学がバイオマス原料を提供~

2023.02.09

三井化学株式会社
三菱ガス化学株式会社

三井化学株式会社(本社:東京都港区、社長:橋本 修、以下、三井化学)と三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 政志、以下、MGC)は、2050年カーボンニュートラル実現の一環として、三井化学のBePLAYER® ブランドより展開予定のバイオマスビスフェノールA(以下、バイオマスBPA)をMGCのポリカーボネート樹脂(以下、PC)「ユーピロン®」※1のモノマー原料として提供し、MGCにてバイオマスPCの生産・販売に向けた取り組みを開始しましたのでお知らせいたします。

三井化学は、2021年12月に日本で初めてバイオマスナフサを原料とする誘導品・製品群を、ISCC PLUS認証制度に基づいたマスバランス方式※2によって割り当て、バイオマス化学品・樹脂を販売しています。従来、植物由来原料から直接にバイオマス芳香族化合物を調製することが困難であったバイオマスフェノール・チェーン製品においても、順次製品の提供をはじめており、2024年3月までにBPAを含む全7製品の認証取得と販売の開始を目指しています。このたび、バイオマスBPAをMGCに提供することとなりました。

全7製品:
(認証取得済)フェノール、アセトン、α-メチルスチレン、BPA、
(認証取得予定)エポキシ樹脂、IPA、MIBK

MGCは、三井化学のISCC PLUS認証のバイオマスBPAを国内で初めて購入し、MGC鹿島工場において界面重合法によりバイオマスPCの生産に向けた取り組みを開始いたします。また、MGCのグループ会社である鹿島ポリマー株式会社ではペレット賦形品や機能性コンパウンド製品、及びMGCフィルシート株式会社では高硬度高透明のシート製品や成形用フィルム製品の加工設備を用いることで、バイオマスPCに機能性を付与することが可能です。さらに、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社ならびに三菱ガス化学トレーディング株式会社の全世界的な販売網を通じてこれらを市場展開し、製販一貫でバイオマスPC製品のサプライチェーンを構築中です。

加えて、MGC鹿島工場ならびに上述のMGCグループ会社においては、本年末までにISCC PLUS認証の取得を目指しており、取得後にはサプライチェーンを通じてマスバランス方式により、自動車、電気電子、光学、OA、半導体といった様々な分野にこれまで困難だったバイオマスPC製品群を広く展開、提供することが可能になります。また、MGCが取り組んでいる「環境循環型メタノール」を用い、PCの全骨格をCO2由来または植物由来とする計画を立てています。一方、海外においても、PC素材の製造拠点であるタイポリカ―ボネート社(タイ)、三菱瓦斯化学工程塑料(上海)社(中国)でISCC PLUS認証取得を計画中です。

両社は本取り組みにより、サプライチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量削減に貢献することで、カーボンニュートラル社会の実現を目指してまいります。

※1 ポリカーボネート樹脂「ユーピロン®」

ユーピロン®は、長年の実績をもち、電子、OA、機械、光学、自動車、医療、保安、スポーツなど幅広い分野に使用されているポリカーボネート樹脂(PC)です。

※2 ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式

原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法(環境省「バイオプラスチック導入ロードマップ」)のことです。
石油由来のプラスチック・化学品と物性が全く変わらないこと、これまで難しかった素材でもバイオマス化が可能となるなど、カーボンニュートラル社会の実現に向けて社会全体のバイオマス度を向上させるための重要なアプローチです。

■ イメージ図

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