日本語 English

廃プラ分解油によるケミカルリサイクル製品の製造・マーケティング開始

~廃プラ由来の熱分解油をクラッカーに投入~

2023.07.27

三井化学株式会社

三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修、以下「当社」)は、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、廃プラスチックを原料とした熱分解油(以下、廃プラ分解油)を株式会社CFP(本社:広島県福山市、代表取締役社長:福田奈美絵)より調達し、23年度4Qに大阪工場のクラッカーに原料として投入、国内初となるマスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の誘導品(化学品・プラスチック)の製造・マーケティングを開始します。バイオマスナフサ誘導品と同様、各誘導品におけるケミカルリサイクル製品の展開を今後も継続的に推進してまいります。

サーキュラ―エコノミーの実現に向けて

近年、国内外でプラスチックリサイクルの重要性や社会的ニーズが高まっているなか、当社はサーキュラ―エコノミーの実現に向け、マテリアルリサイクルやモノマテリアル化によるリサイクル性向上、ブロックチェーンによるリサイクル製品のトレーサビリティ強化など、素材だけでなく仕組み作りも視野に入れたリサイクルの取り組みを進めています。

今回のケミカルリサイクルの取り組みは、これまで品質や衛生面からリサイクル品を使用することが困難であった用途においてもリサイクル由来の素材を適用することが可能となり、これまで低かったプラスチックのリサイクル率を大きく向上させる可能性があります。本件は廃棄されたプラスチックを資源と捉え再利用する「RePLAYER®︎」のコンセプトの一環であり、2021年12月から投入開始したバイオマスナフサと同様、「素材の素材から変えていく」取り組みです。当社は、バイオマスやリサイクルによるサステナブル原料への転換、アンモニア燃料化などの燃料転換、地域連携による共創を通じて、クラッカーのトランスフォーメーションによるコンビナートのサステナブル化を目指しています。

クラッカー関連のフロー図

廃プラを炭化水素油まで分解し最上流のクラッカーへ投入するため、誘導品の物性は既存品と全く同等

廃プラ分解油は石油由来ナフサやバイオマスナフサと同様、炭化水素油であり、それらをクラッカーに投入することで、エチレン、プロピレン、C4・C5留分、ベンゼンといった基礎原料を製造します。得られた同等の基礎原料を基にフェノールなどの基礎化学品、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類を製造するため、誘導品(化学品やポリマー)の物性は既存品(バージン品)と全く同等のものとなります。

マスバランス方式(物質収支方式)

マスバランス方式とは、「原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料やリサイクル由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法」(環境省バイオプラスチック導入ロードマップを参照し、加筆)です。バイオマス・リサイクル社会の実現に向けて、マスバランス方式は重要な役割を果たすと考えられます。

今後、当社は認証制度として欧州で広く採用されているISCC PLUS認証の取得や認証取得済み製品のCircularカテゴリー追加登録を通じ、マスバランス方式によるケミカルリサイクル製品を市場展開していく予定です。

※ 当社グループは、ISCCの最新の規定に則り、ISCC PLUS要求事項に準拠すること、また、環境寄与に関するダブルカウントはしないことを約束し宣言します。

マスバランス説明図

RePLAYER®

カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー社会の実現に向け、バリューチェーンを通してグループ横断的なソリューション提案を進めるべく三井化学が立ち上げたブランドの一つ。RePLAYER®(リプレイヤ―)は、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、廃プラ等の廃棄物を資源として有効活用するリサイクルを推進する取り組みです。

バイオマスソリューションについては、BePLAYER®(ビープレイヤー)と称しています(詳しくはこちら)。

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三井化学株式会社 コーポレートコミュニケーション部