「わたSHIGA輝く 国スポ・障スポ2025」の大会スタジアムにも導入

発がん性物質 「MOCA」無配合のウレタン舗装材 『レオタンαエンボスSF』について、10月31日に公式発表

2024.10.31

日本体育施設株式会社
三井化学株式会社

スポーツ施設の建設を専門とする、日本体育施設株式会社(東京都中野区 代表取締役社長:越後 幸太郎、以下、「NTS」)と、総合化学メーカーの三井化学株式会社(東京都中央区 代表取締役社長:橋本修、以下、「三井化学」)は、5年の歳月をかけて、発がん性物質「MOCA」 ※1無配合のウレタン舗装材『レオタンαエンボスSF』を開発し、2021年に実用化に成功しました。当舗装材が導入された「わたSHIGA輝く 国スポ・障スポ2025」が2025年9月より開催されるにあたり、その詳細に関して10月31日に本リリース及び日本体育施設公式HPと三井化学公式HPで発表いたします。

NTSは、当舗装材の普及を通じて、製造や施工工程に携わる人の健康障害リスク低減に取り組んでいます。

近年、施設の持続的活用、環境への配慮等の課題から、国際的大規模スポーツ大会などにおける価値あるレガシー創出に注目が集まっていますが、当舗装材は環境レガシーにも直結する『責任あるスポーツ・レガシーの創出』に寄与できると確信しています。

※1: 材料の製造過程や現場での施工段階で作業者が暴露する危険性があることから、厚生労働省が「特定化学物質障害予防規則(特化則)」に基づき、暴露防止処置の徹底を義務付けている物質。MOCAは硬化時の化学反応によって消費され、硬化後は残留せず利用者に危険性はない。                  

  化学品の名称…3,3’-ジクロロ-4,4’ –ジアミノジフェニルメタン                                                            特化則…特定第2類物質、特別管理物質(1976年~)

責任あるレガシー創出に寄与する『レオタンαエンボスSF』について

世界陸連(WA)認証舗装材

『レオタンαエンボスSF』は、独自の工法で凹凸を作り上げるローラーエンボス仕上げの舗装材です。キック時のぐらつきやブレがないため走行感に優れ、好記録を狙えます。また、表面の耐摩耗性や引裂き強度に優れているため、陸上スパイクでの利用はもちろん、スパイクを使用しない利用者が多い施設にも好適です。

※2: すべてのアスリートに対して快適で安全なトラックを提供するためにWAが設ける衝撃吸収や垂直変位、滑り抵抗、引張特性などの性能規格。

発がん性物質「MOCA」無配合

膀胱がんとの関連性が明らかにされている特定化学物質「MOCA」無配合のノンMOCA処方で、製造や施工に携わる人の健康を守ります。

世界陸連(WA)ロゴ ※2 性能規格に適合 舗装材認証を取得 世界陸連(WA) ※2 性能規格に適合 舗装材認証を取得
表面仕上げ、上塗り層(耐久層)、弾性層 の3層構造の「フルウレタンタイプ」と、 ゴムチップを弾性層に使用した「Rタイプ」の2種類の画像 表面仕上げ、上塗り層(耐久層)、弾性層 の3層構造の「フルウレタンタイプ」と、 ゴムチップを弾性層に使用した「Rタイプ」の2種類

『レオタンαエンボスSF』の開発背景

「MOCA」は、硬度や強度など物性向上に寄与し、施工のしやすさを示す「ポットライフ(可使時間)」を確保する役割をはたす物質ですが、膀胱がんとの関連性が明らかにされている発がん性化学物質でもあります。これまでの舗装材は、MOCAの含有量が1%を超えていたため、製造および施工中にマスクを着用しなくてはならないなどの規制がありました

NTSと三井化学は、 MOCAを含まない舗装材の研究を2017年より開始し、『レオタンαエンボスSF』を2021年に開発しました。当舗装材は、特化則※3の対象にならないため、「特化則フリー」であり、シックハウス症候群の原因物質のひとつである「ホルムアルデヒド※4・VOC※5フリー」でもあります。

※3: 特定化学物質を使用する施設における労働者の健康と安全を保護し化学物質による健康被害を予防することを目的に日本の労働安全衛生法に基づいて策定された法令。

※4:『レオタンαエンボスSF』は、2021年9月に VOCとホルムアルデヒド自主規制表示 (F☆☆☆☆ エフ・フォースター)登録。

※5: 揮発性有機化学物。大気汚染物質光化学オキシダントの原因物質の一つ。

施設の有効活用に寄与する低メンテナンスの舗装材

『レオタンαエンボスSF』を導入した競技場は、メンテナンス費用低減と期間短縮が可能です。使用による表面の摩耗やスパイク傷は、舗装材をすべて撤去、新設することなく、表面の切削オーバーレイ工法※6により、低コストかつ短期間でリニューアルすることができます。工事で利用できない期間が短くなることから、施設の有効活用にも寄与します。トップレベルの競技会に限らず、レクリエーションなど様々な用途での活用によって集客力も高めます。
車いすバスケ画像 車いすバスケ
レスリング体験会画像 レスリング体験会
ユニカール体験画像 ユニカール体験

※6:舗装材の延命修繕に対する工法のひとつで、劣化・摩耗した表面を切削し、表層を再舗装する方法。   

舗装材の全てを撤去・新設するよりも経済的かつ、施工期間が短い。

用途

『レオタンαエンボスSF』は、陸上競技場に限らず、公園のジョギング走路、学校グラウンド、多目的グラウンドなどにも使用可能です。保育園・幼稚園の園庭、病院のリハビリテーションスペースなどでも環境対応型ウレタン舗装材を安心して導入いただけます。

導入事例

平和堂HATOスタジアム(第1種公認) (彦根総合スポーツ公園陸上競技場) ☆2025年の国スポ・障スポの主会場の画像 平和堂HATOスタジアム(第1種公認) (彦根総合スポーツ公園陸上競技場) ☆2025年の国スポ・障スポの主会場
Pikaraスタジアム(香川県立丸亀競技場主競技場)(第1種公認)画像 Pikaraスタジアム(香川県立丸亀競技場主競技場)(第1種公認)
札幌市円山競技場(第2種公認)レオタンαエンボスSF 第一号施工の画像 札幌市円山競技場(第2種公認)レオタンαエンボスSF 第一号施工
函館市千代台公園陸上競技場(第2種公認)画像 函館市千代台公園陸上競技場(第2種公認)
室蘭市入江運動公園陸上競技場(第2種公認)画像 室蘭市入江運動公園陸上競技場(第2種公認)

その他

 

鹿沼運動公園陸上競技場(栃木県)

24年9月末完成

千葉大学陸上競技場(千葉県)

24年9月末完成

受賞歴

・2022年 一般社団法人 日本公園緑地協会主催「令和4年度都市公園等コンクール」

 材料・工法・施設部門で日本公園緑地協会会長賞を受賞

・2024年 公益財団法人 日本スポーツ施設協会主催「第7回スポーツファシリティーズ大賞」

 器具・機材部門で日本スポーツ施設協会会長賞を受賞

日本体育施設のSDGs

日本体育施設株式会社は、2021年(令和3)年5月10日で創立50周年を迎えました。私たちは次の50年を見据え、地球の限りある資源を守り、自然と人が調和する未来を実現するために、環境に優しい技術や素材の導入を積極的に推進しています。

環境に配慮する画像 環境に配慮する
安全な社会の画像 安全な社会
人々の健康を支える 人々の健康を支える

私たちは、スポーツ施設の建設やスポーツを取り巻く環境づくりを通じて、「環境に配慮する」「安全な社会」「人々の健康を支える」の3つの項目を中心に、 2015年に国連総会で採択された持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の実現に貢献します。

日本体育施設の取り組み

厚生労働省は、全天候型舗装材などに使用されるウレタン樹脂に含まれる化学物質「MOCA」について、2016年に健康障害の防止対策を関係業界へ要請しました。このことをうけ、2017年より当社が開発に着手したのが、「MOCA」を使用しないウレタン舗装材「レオタンαエンボスSF」です。当舗装材は、健康リスクの低減に加え、競技性の向上や、そしてグラウンドの安全に不可欠な「平坦性」「均一性」を実現できる画期的な製品です。スポーツ施設は、つくるだけではなく、つかう人とつくる人の持続的な健康の確保と、メンテナンスによる施設の安全性、機能性の維持によって、初めて「価値あるスポーツ施設」と言えると考えています。社会の課題を解決できる価値あるスポーツ施設の提供に尽力してまいります。

三井化学の取り組み

三井化学は長期経営計画「VISION 2030」において、「環境と調和した循環型社会」「健康・安心にくらせる快適社会」「多様な価値を生み出す包摂社会」を目指す未来社会と定め、基本戦略の1つとして事業ポートフォリオ変革の追求を掲げています。環境対応型ウレタン舗装材『レオタンαエンボスSF』においては、発がん性物質MOCA無配合の硬化剤およびホルムアルデヒド・VOCフリーの主剤を提供し、ライフサイクル全体にわたって人の健康および環境に配慮した製品開発に貢献致しました。

三井化学は今後も、化学の力で社会課題を解決し、多様な価値創造を通じて持続的に成長し続ける企業を目指してまいります。

ロゴ

の大会協力企業です。

大会マスコット キャッフィーとチャッフィー画像 大会マスコット キャッフィーとチャッフィー

報道関係者 お問い合わせ先

日本体育施設株式会社 広報担当:櫻井・細野
TEL 03-5337-2611
三井化学株式会社 コーポレートコミュニケーション部