法令遵守と情報提供
SDGs達成のため、化学物質管理に関して世界各国は新法制定や法改正を進めています。法令遵守は企業存続の基盤であり、三井化学はこれらへの対応を着実に実行しています。また、サプライチェーンにおける情報提供は、製品の開発から廃棄にいたるまでの化学物質の安全管理(プロダクトスチュワードシップ)に欠かせません。当社は、法令に定められたSDS・ラベルの配布だけでなく、当社製品を安全に扱っていただくための情報提供に努めています。
新法制定・法改正への対応
化学物質管理制度のあり方を大きく変えた欧州REACH規則を始め、多くの国々が規制強化に動いています。既存制度の改正も数多く実施されます。三井化学では、事業部およびコーポレートの各部門が参画する社内横断的なチームを組織し、各国での新法制定や法改正への対応策を検討、原料メーカー、社内、サプライチェーンおよびお取引先とも協働しながら、計画的に漏れの無い規制への対応とリスク管理措置の実施を推し進めています。
欧州REACH規則に類似している、韓国「化学物質の登録および評価に関する法律」(化評法)、トルコ「Kimyasalların Kaydı, Değerlendirilmesi, İzni ve Kısıtlanması)」(KKDIK) 、英国「UK REACH」については計画的な法対応が必要であり、今後も製造・輸入数量帯等に応じて期限内の登録を確実に進めていきます。
業界への貢献
三井化学は、化学産業のプロダクトスチュワードシップ推進に貢献しています。
グローバルにおいては、国際化学工業協会協議会(ICCA)等の活動に参画し、日本においては、日本化学工業協会(日化協)等を通して、化学産業各社とともに化学物質を取り巻く課題に取り組んでいます。
グローバル・ネットワーク
各国の異なる規制を順守するには、現地の情報が必要不可欠です。三井化学では、アメリカ、ドイツ、中国、台湾、タイの関係会社に「Regulatory Expert」という担当者を配置し、現地当局の規制運用や、化学工業団体の方針などの情報を収集しています。2021年度におきましても、当社と各国の担当者は「Regulatory Expert Meeting」で最新情報を共有しています。
化学品安全情報管理システムによる情報一元管理と安全性情報の提供
化学物質管理には、徹底した情報管理が重要です。三井化学は、取り扱うすべての製品、原料などの化学物質情報を、化学品安全情報システム(MiCSIS)で一元管理しています。 同時にMiCSISが保有する各種機能を活用し、国内外法規制への適合確認、製造・輸入数量の管理、日本・欧米・東アジア諸国・タイの法令や各種標準に対応したSDS・製品ラベルの作成・chemSHERPA※への対応等を、迅速・確実に行っています。また、2019年度からは、MiCSISの国内関係会社への展開を開始し、グループ全体で化学物質管理の強化を図っています。
さらに、原料サプライヤーに対し、最新のSDS・chemSHERPA・法規制調査報告書の提示を求め、原料中の化学物質情報の把握にも努めています。
各国法規において、製品や化学物質の登録は「始まり」であり、上市後も化学物質管理に終わりはありません。当社グループは、上市後の様々な変化に確実に対応するとともに、お客様へ最新の情報を提供できるよう、今後も取り組みを進めていきます。
※chemSHERPA:Chemical information SHaring and Exchange under Reporting PArtnership in supply chain
製品含有化学物質の情報伝達スキーム。グローバルで活用することを目指して経済産業省が開発、普及を進めている。
化学物質法適合性調査業務に関するAIソリューションの活用
三井化学グループでは、化学物質法適合性調査業務をアシストする新しいAIソリューションを活用しています。各国の法律文書や過去の調査情報、化学物質の同義語、上位概念、専門用語などをAI(IBM Watson)に学習させることで、質問文を入力するだけで各国の言語に翻訳し、法適合性調査に必要な情報をすぐに検索できるというものです。2020年1月より運用を開始しており、今後、学習させる情報の充実とともに、関係会社への展開を図り、活用の範囲をさらに拡大させていきます。
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