法令遵守と情報伝達

WSSD目標、SDGs達成のため、世界各国は化学物質管理の新法制定や法改正を進めています。法令遵守は企業存続の基盤です。三井化学はこれらへの対応を着実に実行しています。また、サプライチェーンにおける情報伝達は、製品の開発から廃棄にいたるまでの化学物質の安全管理(プロダクトスチュワードシップ)に欠かせません。三井化学は、法令に定められたSDS・ラベルの配布だけでなく、当社製品を安全に扱っていただくための情報伝達に努めています。

新法制定・法改正への対応

化学物質管理制度のあり方を大きく変えた欧州REACH規則を始め、多くの国々が規制強化に動いています。既存化学物質への法改正も数多く実施されます。三井化学では、事業部およびコーポレートの各部門が参画する「グローバル化学品規制対応チーム」が中心となり、社内横断的に全社の対応策を検討し、迅速に実行しています。今後も、各国の新法制定や法改正に際しては、計画的に確実な対応を進めます。

韓国

2019年初に、「化学物質の登録及び評価に関する法律」(化評法)の改正法が施行され、年間1トン以上の規模で製造・輸入される既存化学物質を広く登録の対象とする、欧州REACH規則類似の制度が新たに導入されました。当社は2019年6月を期限とする予備的登録手続きである「事前申告」を完了しました。2020年1月から全面施行された「産業安全保健法」(産安法)にも確実に対応します。

台湾

2020年4月から始まった登録物質の年次数量報告制度に対して、確実な対応を進めています。

米国

「有害化学物質規制法」(TSCA)の下、「インベントリ届出規則」が2017年8月から施行されました。当社は、既存化学物質リスト(インベントリ)に収載されており且つ過去10年間に製造・輸入された化学物質の届出を行いました。2020年はCDR(Chemical Data Reporting)の届出を確実に実施します。

トルコ

欧州REACH規則類似の新法が制定されました。2020年12月末期限の予備登録を計画的に実施しています。

日本

「化学物質審査規制法」(化審法)が改正され、2019年1月から少量物質の届出基準が変更されました。これまでの製造・輸入量から環境排出量に変更されたため必要となった顧客からの用途情報の入手を計画的に実施し、所定の届出を完了しました。

三井化学は、業界活動を通して世界の化学物質規制に関する最新情報を収集すると共に、化学産業のプロダクトスチュワードシップ推進に貢献しています。国際化学工業協会協議会(ICCA)等の活動に参画し、世界の化学産業各社と共に化学物質を取り巻く課題に取り組んでいます。日本においても、日本化学工業協会(日化協)等を通して迅速に最新規制情報を得るとともに、化学物質管理の専門家として重要な役割を担っています。化審法改正にあたっては、日化協の法改正対応委員会で、より確実で効率的な管理ができる改正に協力しました。

国際化学工業協会協議会(ICCA)および各国の化学工業協会

グローバル・ネットワーク構築

国ごとに異なる規制に適切に対応するには、現地での情報収集が必要不可欠です。三井化学では、アメリカ、ドイツ、中国、台湾、タイの関係会社に「Regulatory Expert」という担当者を配置し、規制に対する現地当局の運用や、現地の化学業界団体の方針などの情報を収集しています。各国のメンバーは年に1 度、「Regulatory Expert Meeting」で一堂に会し、課題について議論します。

化学品安全情報管理システム

法令遵守等の化学物質管理には、徹底した情報管理が重要です。三井化学は、取り扱うすべての製品、原料などの化学物質情報を、化学品安全情報システム(MiCSIS)で一元管理しています。 MiCSISを用いて、国内外法規制への適合確認、製造・輸入数量の管理、多言語SDS・製品ラベル・chemSHERPA作成等を、迅速・確実に行っています。2019年度から、MiCSISの国内関係会社への展開を開始、グループ全体で情報管理の強化を図っています。
各国法規において、製品や化学物質の登録は「始まり」であり、上市後も化学物質管理に終わりはありません。MiCSISを用いて情報を確実に管理し、上市後の様々な変化にも対応します。

chemSHERPA:
Chemical infomation SHaring and Exchange under Reporting PArtnership in supply chain。
製品含有化学物質の情報伝達スキーム。グローバルで活用することを目指して経済産業省が開発、普及を進めている。

最新の安全性情報提供

三井化学では、法要求や有害化学物質の含有の有無に関係なく、全製品にSDSを添付し(一部、成形品を除く)、正確な安全性情報をお伝えしています。また、SDSを補足する技術情報を提供する製品もあります。
各国の法規制情報や有害性情報をMiCSISで一元管理し、お客様に最新の情報をお伝えするために、SDSの品質向上に継続的に取り組んでいます。当社では、MiCSISを用いて、日本、欧州、米国、韓国、台湾、中国向けのSDSを社内で作成しています。2019年度は、主要な輸出先国であるタイ向けSDSの社内作成に取り組みました。

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