製品ライフサイクル全体にわたる人と環境へのリスクを最小化するには、ビジネスパートナーとの協力が欠かせません。当社グループは、サプライヤーからの情報収集に努め、当社製品のリスク評価を実施し、製品の危険有害性と安全な取り扱いについて顧客と相互コミュニケーションを図っています。
プロダクトスチュワードシップ
マネジメントシステム
方針・基本的な考え方
三井化学グループは、レスポンシブル・ケア基本方針において、「製品のライフサイクルにわたる人と環境へのリスクを評価し、人々の健康の確保と環境負荷の低減を図ります。」と掲げています。また、当社グループとしての基本的な意識の統一のため、「三井化学グループ 化学品マネジメント原則」を定めるとともに、必要な業務プロセスをグローバル・ポリシーとしてグループ全体に展開しています。
化学産業はサプライチェーンの一員として、製品の開発から廃棄にいたる製品ライフサイクル全体での人の健康と環境を保護する責任を担っています。当社グループは、各国の規制要求の遵守に加え、リスク評価に基づく自主的なリスク管理に取り組むことで、プロダクトスチュワードシップ(責任ある製品管理)を推進しています。
三井化学グループ 化学品マネジメント原則
三井化学グループは、人々の健康の確保と環境負荷の低減を図るため、以下の原則に示す化学品管理に努め、安心で持続可能な社会の発展に貢献します。
- 化学品管理の方針・ルールを定め、それに従い行動します。
- 自社の化学品管理システムを適切に管理します。
- ビジネスパートナーとのリスクコミュニケーションにより、バリューチェーンにわたる化学製品の安全な取り扱いを推進します。
- ステークホルダーの要求を理解し、適切な製品情報を提供します。
上記の方針および原則を柱とし、世界の化学物質管理の動向・グループの事業動向を考慮して、中長期目標を定め、毎年の実行計画を作り取り組みを進めています。
以下に示す長期目標の基本戦略に基づき、化学品マネジメントを計画的に実行して行きます。
長期目標(2030年のありたい姿)
全社員の高い品質意識と、グループグローバルで活用できる情報基盤によって、開発から廃棄に至るサプライチェーン全体を俯瞰したマネジメント体制および発信型情報提供に転じ、製品とサービスの品質が、当社の強みとなり顧客に価値を提供している。
長期目標の基本戦略
- サプライチェーン全体を俯瞰したマネジメント体制(プロセス保証)への移行
- サーキュラーエコノミーに対応したマネジメント体制の構築と情報発信型業務への転換
- 品質人材の確保・育成・配置
- デジタル技術を活用した業務効率化
三井化学グループの化学品マネジメントの理念
当社グループは、事業の計画段階から、開発、製造、物流、使用、リサイクル、最終消費を経て廃棄に至る製品の全ライフサイクルを考慮した化学物質による人と環境へのリスクを評価し、各ステージにおける適切なリスク管理のために評価結果に基づく安全性情報を提供して、人々の健康の確保と環境負荷の低減を図ります。加えて、資源循環性向上のための製品設計、製品含有化学物質の管理を推進し、サプライチェーンを通じた循環経済型ビジネスモデルの構築に取り組みます。
体制・責任者
化学品マネジメントに関する方針や施策は、レスポンシブル・ケアの一部として、レスポンシブル・ケア委員会において審議しています。
責任者であるRC・品質保証部担当役員は、化学品マネジメントに関する全社基本方針を検討、立案し、全社に周知・徹底するとともに、事業本部担当役員等に助言、指導および勧告を行います。RC・品質保証部長は、各国の化学品管理政策や法規制の最新動向にRegulatory Expertから収集した情報を合わせて、具体的な実行方針を策定し、全社横断的に対応を推進します。また、化学品安全センター長は、RC・品質保証部長の下、具体的な実施事項(製品情報調査、製品リスクアセスメント、化学品規制の遵守および規格への適合性確認、SDSおよび製品ラベル作成など)を支援します。
これらの全社方針に基づき、製品を所管する事業部長、および事業部を統括する事業本部担当役員が各製品の化学品マネジメントを担います。また、研究所長が人と環境に配慮した製品開発を、購買部長が原材料調達時を、工場長が三井化学の工場で取り扱う化学品マネジメントの実行をそれぞれ行っています。
化学品マネジメント体制(三井化学)
内部監査
RC・品質保証部は、三井化学グループの各部署に対して化学品マネジメントに関する監査を行っています。※
化学品マネジメントに関する監査 | 監査実施部門 | RC・品質保証部 |
---|---|---|
対象 | 三井化学本社の事業部、支店、研究所、および国内外の関係会社 | |
内容 | 化学品マネジメントに関わる管理体制とその運用状況および化学品の製造、輸入、販売に関わる法令遵守状況を確認。 | |
頻度 | 原則として3年の周期。 |
※ 当監査が適正に実施されているかについては、リスクマネジメントの第3線として独立的立場から内部統制室が監査を実施。
目標・実績
指標 | 集計範囲 | 2023年度 | 2024年度 | 2030年度 (中長期) | |
---|---|---|---|---|---|
目標 | 実績 | 目標 | 目標 | ||
重大な法令違反発生件数 | 三井化学グループ | 0件 | 0件 | 0件 | 0件 |