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2015年社長年頭挨拶(要旨)

2015.01.06

三井化学株式会社
社長 淡輪 敏

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皆さん、新年明けましておめでとうございます。

2015年の世界経済は、先進国を中心に緩やかな拡大が続くものの、新興国の成長率は中国やロシアを中心に減速し、地政学問題、バブル懸念等のリスクをはらんでおり、需給バランスはやや緩やかな状況が続くと予想されています。一方、日本経済は金融の追加緩和、消費税率引き上げ延期も含めた財政拡大、円安・原油価格下落に伴う交易条件効果といった3つのメリットで、2015年の国内成長率は当初想定以上に上昇する見込みですが、我々は景気変動の影響を受けにくい事業ポートフォリオの変革を着実に進めていかなければなりません。まずは、企業の経営基盤である「安全文化の確立」に向けて、全社員一人一人が基本に立ち返り、「安全は全てに優先する」、「安全は、自分自身のため、家族のため、同僚のため、社会のため」であることをいま一度心に刻み、「安全のために自分は何をすべきか」をしっかりと考え、積極的に行動しましょう。

現在、“社会的ニーズに対応した新しい物質を創り出す無限の可能性を秘めた化学”への期待は飛躍的に高まっており、我々は当社グループの理念に立ち返り、「新たな顧客価値を創造し、事業活動を通じて、社会課題を解決する」企業を目指した『新中期経営計画』を昨年より始動しました。全ての技術、製品、サービスで最終消費者にとっての使用価値までを視野に入れた最適なソリューションを提供する「消費者価値の深耕」を念頭に置き、①モビリティ分野では、環境に優しい次世代自動車材料を中心に、総合力を駆使したグループ横断的なソリューションの提供、②ヘルスケア分野では、昨年米国で新たに立ち上げたヘルスケアブランド「Whole You™」を交え、ビジョンケア、オーラルケア、五感五体分野での新事業で当社グループの新たな成長基盤を確立、③フード&パッケージング分野では、成長するアジアでマーケットイン型ビジネスモデルを構築し、当社グループの第3の柱に向けた事業機会の獲得、④大型市況製品である基盤素材(フェノール、高純度テレフタル酸、ウレタン原料)については、生産拠点の最適化を含めたコスト競争力の強化と事業再構築による安定収益の確保、これら4つの基本戦略を着実に加速させ、まず2016年の営業利益600億円、そして2020年には1,000億円の目標を必ず達成しましょう。

最後に、何をやるにしても「安全文化の確立」が大前提となることは改めて言うまでもありません。年の初めにあたり、皆さんともう一度誓いを新たにしたいと思います。中計にあるように、「新たな顧客価値を創造し、事業活動を通じて、社会課題を解決する」ことを皆さんと共に実現し、三井化学グループの企業価値を飛躍的に高めていきましょう。

以上