地中熱利用システムの施工コストを低減する浅埋新システム「Geo-Mex R3™」が江戸東京たてもの園に採用
~ 節電、省エネ、CO2排出量削減に貢献する身近な自然エネルギーの効率的活用 ~
2017.04.21
三井化学産資株式会社
三井化学産資株式会社 (東京都文京区、代表取締役社長:齋藤周)は、さく井業者である株式会社森川鑿泉工業所(所在:大阪府摂津市、代表取締役:森川俊英)と共に開発した地中熱利用システムの施工コストを大幅に低減する浅埋新システム「Geo-Mex R3™」が、 江戸東京たてもの園 (東京都小金井市、都立小金井公園内)の事務棟空調設備に採用されましたので、お知らせいたします。
地中熱とは、季節や時間に関わらず温度が一定である地中の熱エネルギーのことで、夏は冷熱、冬は温熱として有効活用することで、節電、省エネ※1に貢献できる自然エネルギーです。また、日本中どこでも利用でき、通常のエアコンが利用できない環境下(外気温‐15℃以下)でも利用できる万能性を備えています。また都市部での活用においては、冷暖房システムにより発生する熱を屋外に放出しないため、ヒートアイランド現象の抑制にも期待されています。
今回、両社が開発した「Geo-Mex R3™」は、三井化学産資が開発した高い熱交換効率※2を実現する熱交換パイプを用いることで、従来工法(標準100m)より浅埋(30m)でも十分な熱交換を実現した新システムです。これまで地中熱利用の大きな課題となっていた施工費用を、従来工法に比べ約30~40%低減(同積算熱量比較)できるだけでなく、多くのさく井業者が所有している小型の井戸掘削機でも施工できる汎用性を持ち合わせています。
地中熱の活用は、ショッピングセンターや農業用ハウス、融雪用途、寒冷地の住宅などでの採用が進んでいますが、スマートタウン構想やZEB(ゼロエネルギービルディング)の実現に向けて、地域や季節、天候に影響を受けない地中熱利用システムは、更なる採用の拡大が期待されています。
三井化学グループは今後とも、環境と調和した共生社会、健康・安心な長寿社会の実現に向けて、事業活動を通じた取り組みを進めてまいります。
※1青森県の公共施設での調査(石上ほか、2010)では、従来システム(空冷チラー、灯油ボイラー、電熱線融雪)に比較し、エネルギー消費量で46%削減、CO2発生量で50%削減が確認されています。
(
地中熱利用促進協会WEBサイトより)
※2江戸東京たてもの園での予備試験の結果、同深度で比較し従来品比+37%の性能が確認されました。
Geo-Mex R3™の施工の様子(民間物件での作業)
三井化学産資株式会社
http://www.mitsui-sanshi.co.jp/
三井化学産資は1964年の設立以来、三井化学グループの材料と技術を、更なる独自の技術に発展させ、土木資材、建設資材、ガス管・給水給湯管などの管材を手掛ける総合的産業資材会社として、地域に密着した製品とサービスを提供し、社会に貢献しております。
土木資材では、わが国初のジオグリッド製品として盛土工法に一大変革をもたらした「テンサー」をはじめ、地盤安定用ジオテキスタイル「ポリフェルト」、高強度浸透性耐久グラウト材「グランドエース」など、わが国の土木、道路産業の発展に貢献して参りました。
建築資材では、木材保護含浸塗料「ノンロット」、ベランダ防水材「リマスター」、断熱材「ハイプレンフォーム」等、特色ある住宅資材をそろえると同時に、高機能塗床材「シリカル」、点字タイルなど、数多くの環境に優しく高品質の製品を送り出しております。
管材では、ガス導管「三井PEガス導管システム」や給水給湯配管「エルメックス」、消火配管「エルメックスSP」のポリエチレン製管および継手を製造・販売しており、その耐食性、耐震性、軽量性、加工・接合性などが高く評価されています。
三井化学産資は、今後とも地球環境の改善に資する材料、システム、サービスを提供し、広く社会の発展に寄与して参ります。
以上