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三井化学 岩国大竹工場の設備が未来技術遺産に登録

「世界最初期の工業規模の低圧法ポリエチレン製造装置」として

2020.09.16

三井化学株式会社

三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修)は、岩国大竹工場で保有しているポリエチレン製造装置が、国立科学博物館により、未来技術遺産※1に登録され、9月15日登録証の授与を受けました。当社は、今回の登録を誇りとし、今後も、本資産を未来に引き継いでいきます。
なお、当社は、過去に2012年「クロード法によるアンモニア国産化史料(登録00095号※2、所在地:下関三井化学)」、2016年「日本初の合成インジゴ関連資料(登録00216号※3、所在地:茂原分工場)」の2件の登録を頂いており、今回が3件目の登録です。

未来技術遺産とは

正式名称は「重要科学技術史資料」といい、2008年より開始された独立行政法人国立科学博物館の産業技術史資料情報センターが行う登録制度です。我が国において「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」及び「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図ることを目的としています。

登録資産 3件の様子
登録資産 3件の様子
授与式風景
授与式風景 左から 国立科学博物館長 林 良博様
三井化学 岩国大竹工場人事GL 高橋 眞一

登録資産の概要

登録番号 00286 世界最初期の工業規模の低圧法ポリエチレン製造装置
名称 【世界最初期の工業規模低圧法高密度ポリエチレン製造装置】
(1)低圧法高密度ポリエチレン重合器
(2)エチレンプラントの原料フィードポンプ
(3)エチレンプラント2号機のコンプレッサー用パワーピストン
登録理由 本装置は日本最初の石油化学コンビナート発祥当時の低圧法ポリエチレンの製造装置((1)重合器 (2)原料ナフサフィードポンプ (3)ガスエンジン用パワーピストン)である。
チーグラー法による低圧法高密度ポリエチレン製造法は、1955年にドイツの化学者チーグラーが発明したが、工業規模の製造装置としては世界でも最初期のものである。石油化学工業は米国の石油精製技術とドイツの石炭化学を中心とした有機・無機薬品や合成ゴムなどの高分子合成、人造石油の大規模合成技術をもとに発達した。
日本での本格化は中東産原油から供給されるナフサを原料として誕生し、欧米諸国と時期を同じに発展してきた。
本装置は日本最初の石油コンビナートで、世界で最初期にチーグラー法による低圧法高密度ポリエチレン製造を企業化した装置であり、技術の歩みを示すものとして重要である。※4
所在地 三井化学株式会社 岩国大竹工場 敷地内※5

【参考資料】

※1未来技術遺産について

※2クロード法によるアンモニア国産化史料

※3日本初の合成インジゴ関連資料

※4チーグラー法ポリエチレンの導入について:当社HP 「The Roots」内

※5岩国大竹工場

以上