三井化学とニュータニックス、データドリブンなビジネス推進に向けてNutanix Cloud Platformを活用した次世代工場DX基盤の稼働を開始
~三井化学の国内全製造拠点へ導入し、エッジコンピューティングによるセンサーデータの集約・リアルタイム分析およびBCP向上を実現~
2021.08.26
三井化学株式会社
ニュータニックス・ジャパン合同会社
三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修、以下、三井化学)とニュータニックス・ジャパン合同会社 (本社:東京都千代田区、社長:町田 栄作、以下、Nutanix)は、データドリブンなビジネス推進を目指して、次世代工場DX基盤のプライベートクラウドとして、Nutanix Cloud Platformを採用し、2021年9月より大牟田工場で稼働を開始いたします。2021年12月までに国内全製造拠点に導入し、センサーデータの集約、リアルタイム分析およびBCP向上を実現します。
本ソリューションの導入は、グループ長期経営方針「VISION 2030」※1 の達成に導く、重要なDX戦略の一環です。三井化学は、不確実性が増す環境下において、社会課題解決に向けた貢献と持続的成長を実現するため、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」を全社に展開し、ビジネスモデル、業務プロセス等の高度化を目指します。
【エッジコンピューティング化での変化点】
導入の背景・課題
現在、三井化学の各拠点で試験導入的に少数のセンサー機器を導入し運転高度化の準備をしており、今後これを本格導入すると多数のセンサーやIoT機器類を設置することになり、膨大な情報が発生します。これらの情報をクラウドやデータセンターに直接転送すると拠点間の通信量が大幅に増加し、通信回線が圧迫されITシステム全体が不安定になる可能性があります。また、BCPの観点からも、災害激甚化による通信回線断絶や停電による拠点間通信不通を考えると、現行の全ての情報を1つのデータセンターに纏めておくことは大きなリスクでした。
発表内容
国内の主要5工場及び袖ケ浦研究センターにおいて本格的にIoTセンサーデバイス網を構築し、運転の更なる高度化を図ることとし、その前段として、2021年9月の大牟田工場を皮切りに12月末までに全拠点に前処理用のシステムにNutanix Cloud Platformを導入し、膨大な情報量を処理できるDX基盤を整備すること(エッジコンピューティング化)を決定しました。
導入メリット
- Nutanix Cloud Platform導入によりプライベートクラウドを構築し、次世代工場DX基盤を構築することで、エッジコンピューティング化を実現する。
- 各製造拠点から、振動、ガス、圧力計など多数のセンサーデータを収集し、データレイク化、データのリアルタイム分析が可能になる。
- 各拠点におけるエッジコンピューティング環境構築により、災害などの非常時に通信断絶が起きた場合のBCP (事業継続計画)向上を図ることができる。
- NutanixはHPE ProLiant DXサーバー上で稼働するため、高セキュリティ・高信頼・高パフォーマンスの、安定運用ができる基盤が実現される。
DX基盤構築にあたっての各社のコメント
三井化学 執行役員 DX推進室 三瓶雅夫
「次世代工場基盤として、HCI・エッジコンピューティング技術を採用することにより、高度な生産体制を確立します。すなわち、動的な増産対応、最適化されたラインオペレーション、セキュアな情報基盤、盤石なBCP対応、並びに標準化されたDX拡張手法をグローバルに展開します。」
ニュータニックス・ジャパン合同会社 社長兼コーポレートバイスプレジデント 町田栄作
「この度三井化学様のデータドリブンなビジネス推進の実現に向けて、Nutanix Cloud Platformをご提供できたことを大変嬉しく思っています。Nutanixの採用により、データ管理の簡素化、リアルタイム分析、ITリソースの最適化や可用性向上を図ることができます。各拠点にエッジコンピューティング環境が構築できることで、災害などの非常時に通信断絶が起きた場合のBCP対策にも役立ちます。Nutanixを活用し、エッジとプライベートクラウドが連携できたことで、センサーデータの集約によって膨大な情報量がITシステムに流入してくる際も、安定的な運用ができると期待しています。」
日本ヒューレット・パッカード合同会社 代表執行役員社長 望月弘一
「三井化学様のDX戦略の一環であるソリューションに、HPE ProLiant DXをご提供できたことは、大変光栄です。HPEは、DXプラットフォームの提供により、お客様のビジネス変革の加速に貢献することに注力しています。三井化学様の次世代工場DX基盤を支え、さらなる高度化に向けた展開に集中いただける堅牢なプラットフォームで貢献します。HPEはニュータニックス社とのグローバルアライアンスのもと、Nutanix専用モデルとしてHPE ProLiant DXをOEM提供しており、データ利活用の要となることを期待しています。」
エッジコンピューティングとは
エッジは、「端、へり」の意味で、エッジコンピューティングとは、IoT端末などのデバイスそのものや、その近くに設置されたサーバーでデータ処理・分析を行う分散コンピューティングの概念です。クラウドにそのままデータを送り集中的に処理するのでは無く、エッジ側でデータの処理・分析を行います。そのためリアルタイム性が高く、負荷が分散されるという特長があります。エッジコンピューティングで前処理を行ったものをさらにクラウドに送り処理することもあります。
Nutanix Cloud Platformとは
Nutanix Cloud Platformは、Nutanixが提供するハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)ソフトウェアにより、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、マルチクラウドを対象に、単一のプラットフォームで場所や規模を問わず、アプリケーション管理を可能にするクラウド・ソフトウェア・ソリューションです。
ご参考
以上