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東南アジア・中国地域最大級の廃食用油メーカー Apeiron Bioenergyに出資

~ 更なるバイオマス化学品・プラスチック市場拡大に向けたバイオマス原料の調達拡大へ ~

2022.08.31

三井化学株式会社

三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本修、以下「三井化学」)は、バイオマス化学品・プラスチックの原料となる廃食用油で東南アジア・中国地域最大級の集荷・販売会社であるApeiron AgroCommodities Pte. Ltd.(本社:シンガポール、創業者:Chris Chen、Richard Huang、以下「Apeiron Bioenergy(ブランド名)」)へ、2022年6月に出資しました。今回の出資により三井化学は、拡大するバイオマス化学品・プラスチックの需要に対応するため、バイオマス原料の調達拡大を図っていきます。

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(左から) Apeiron Bioenergy, Managing Director Chris Chen, 
三井化学 芳野代表取締役専務執行役員

カーボンニュートラル社会の実現に向けて世界規模で石油由来からバイオマス由来への原燃料転換を推進する動きが加速していますが、バイオマス原料は需要の伸びに対して供給が限定的なため、今後ますます原料確保が重要になっていくと予想されます。主なバイオマス原料にはさまざまな種類がありますが、廃食用油はもっともGHG削減貢献量の大きなバイオマス原料です。また、非可食である点から食糧問題と競合することもありません。

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出典: Rules for calculating the greenhouse gas impact of biofuels, bioliquids and their fossil fuel comparators(2018/12/21 Directives)

今回の出資により、三井化学にとってはバイオマス化学品・プラスチックの原料となるバイオマスナフサの安定調達に繋がるとともに、Apeiron Bioenergyにとっては安定的な新規需要先の確保に繋がり、カーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーが両立したビジネスモデルでバイオマス化学品・プラスチックの市場拡大に貢献してまいります。

Apeiron Bioenergy概要

社名 Apeiron AgroCommodities Pte. Ltd.
(アペイロン アグロコモディティ)
創業者 Chris Chen、Richard Huang
設立 2007年8月(非上場)
所在地 シンガポール
事業内容 廃食用油を含む廃棄物の集荷・販売

【参考】 三井化学のバイオマスナフサ利用の取り組み

三井化学は2020年11月、2050年カーボンニュートラル宣言をし、当社グループのGHG排出量削減(Scope1, 2)と、バイオマスナフサ誘導品をはじめとする製品のライフサイクル全体を通じたGHG削減貢献量の最大化により、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー(循環経済)社会の実現に貢献すべく取り組みを進めています。
その取り組みの一つとして、2021年12月から当社大阪工場のナフサクラッカーに日本で初めてバイオマスナフサの投入を開始し、フェノールなどの化学品やポリプロピレンなどプラスチックのバイオマス化を進めています。社会全体のバイオマス度を高めるためにもバイオマス化学品・プラスチックの市場拡大は重要であり、今回の出資によるバイオマス原料の安定調達先の確保は、誘導品であるバイオマス化学品・プラスチックの安定供給と市場拡大に貢献することになります。

バイオマスナフサからの製品の流れ

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以上