「農研機構カンキツ輸出コンソーシアム」に参加
TPX®フィルムでカンキツ輸出に向けた高糖度果実鮮度保持技術の確立に貢献
2022.12.08
三井化学株式会社
三井化学株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修、以下「三井化学」)は、政府の「農林水産業の輸出力強化戦略」に基づき設立された『農研機構 *1)カンキツ輸出コンソーシアム』*2)(以下、「カンキツコンソーシアム」)に参加しましたのでお知らせいたします。
2022年12月より、青果物輸出時のTPX®フィルムを用いた鮮度保持、品質維持の検証を行います。
日本産カンキツ、特にウンシュウミカンは食べやすく、他国産より味と外観に優れることから、近年はアジア富裕層による需要が急速に高まっています。しかしながら、ウンシュウミカンは輸出時に、腐敗などの品質低下により13~15%程度の減耗が発生し廃棄されています。さらなる輸出拡大には、多様な園地条件でも高品質果実を省力的に安定生産する技術を確立し生産量の増加を図るとともに、輸送時の品質維持が不可欠となります。そこで、果実高品質化のための高度な栽培管理を簡便化かつ安定化する生産技術ならびに輸出で問題となる果実腐敗に対応する品質保持・腐敗防止技術の確立が強く求められています。
三井化学は、特殊ポリオレフィン「TPX®」のガス透過性という特徴を活かし、青果物の鮮度保持フィルムを開発しております。ウンシュウミカン輸出中の腐敗による減耗量を削減するために、2022年~2024年の3年間、TPX®フィルムで果実を包装しシンガポールに輸出して腐敗抑制の実証実験を行います。プロジェクト終了時には輸出中の減耗損失量3割以上の削減、減耗による損失額を1割以上削減することを目指し、フードロスの削減ならびに日本産カンキツの輸出拡大に貢献していきます。
*1)農研機構は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム(通称)
*2)2021年度(令和3年度)補正予算戦略的スマート農業技術等の開発・改良「輸出拡大のための新技術開発」(生物系特定産業技術研究支援センター(BRAIN)、研究課題名「カンキツ輸出に向けた高糖度果実安定生産技術と鮮度保持技術の確立」カンキツ輸出コンソーシアム(研究代表者:塩谷浩)
以上