三井化学、野村総合研究所、プラス、協和産業間でデジタルトレーサビリティ機能を実装したオフィス用品の水平リサイクル実証実験を実施
2022.12.21
三井化学株式会社
株式会社野村総合研究所
プラス株式会社
協和産業株式会社
三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修、以下、「三井化学」という。)とプラス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:今泉 忠久、以下、「プラス」という。)、協和産業株式会社(本社:埼玉県鴻巣市、代表取締役社長:安藤 太郎、以下、「協和産業」という。)および株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:此本 臣吾、以下、「NRI」という。)の4社は、資源循環型社会の実現を目指し、この度オフィス用品であるクリアーホルダーにトレーサビリティ機能*1を実装した水平リサイクル*2実証実験を実施しました。4社は、かねてより材料、素材、製品の循環型社会の実現のため連携を強化しており、本取組みは、その成果の一つとなります。
また、4社は全て資源循環型社会の実現という社会課題の解決とソーシャルイノベーションの実現に向けて取り組むコンソーシアム「Pla-chain(プラ・チェーン)」*3に加盟しています。今後は、同コンソーシアムとも連携し、本取組み での学びや課題を共有し、業界の垣根を超えた循環型社会実現の動きを加速させて参ります。
本実証実験の概要
目的 | オフィス用品であるクリアーホルダーを対象にした水平リサイクルの確立とトレーサビリティ機能の実装 |
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活動概要 | プラスの製品である、クリアーホルダーについて、製品の使用→製品の回収→材料樹脂への粉砕→再生材を用いた同製品の製造→オフィスへの運搬・使用という一連のリサイクル工程(「Loop」と呼称)からなる水平リサイクルを実施する。今回はその工程の1周目(Loop1)を実装した。* 末尾 参考図 図1参照 また、再生材の使用状況をデジタル上で可視できるトレーサビリティ機能を実装しており、各工程でトレーサビリティの確認が出来る仕組みを実現している。* 同 図2参照 |
各社の役割 | 三井化学
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今後の展望 | まずは、今回のLoop 1の取組みの中で得られた課題や学びを抽出し、それらを活かすことで、活動の加速化、洗練化を図る。 さらに、今後とも本取組みを継続し、トレーサビリティ機能を実装した水平リサイクルの浸透化を図る。(Loop2) |
各社コメント:
三井化学デジタルトランスフォーメーション推進本部 担当 常務執行役員/三瓶 雅夫
当社は、「廃プラ」などの社会課題解決に向け、プラスチックのトレーサビリティシステム(資源循環プラットフォーム)の構築、並びにステークホルダー間の連携促進を目的としたコンソーシアム「Pla-chain」の設立をいたしました。本実証実験は、これらを具現化する水平リサイクルのエコシステム構築プロジェクトです。当社は、環境負荷低減につながる製品デザインや、資源の有効利用を最大化するリサイクルの仕組みづくりなど、社会課題を解決するソリューション型ビジネスモデルを通じて循環型社会を実現してまいります。
NRIコンサルティング事業本部長・執行役員/森沢 伊智郎
NRIは、多様なパートナーとの共創を通じた社会課題解決を目指しております。先日設立いたしましたコンソーシアム「Pla-chain」と合わせ、本実証実験は循環型社会実現のための大きな第一歩と捉えております。今後も当社は強みである社会、企業の変革を導くナビゲーション力、課題解決力を最大限に活用することで、今回の実証実験のように単に構想に留まることのない実製品・ビジネスを介した社会実装も含めたご支援を通し、循環型社会の実現のために貢献して参ります。
プラス ステーショナリーカンパニー CSR本部 担当部長/添田 修一
当社は企業理念「新しい価値で、新しい満足を。」のもと、ユニークな発想で社会課題の解決に継続して取り組み 新しい価値で新しい満足を提供します。この実証実験を通して各社様と連携し、限りある資源を無駄なく利用する資源循環を目指します。持続可能な社会に向けた気候変動などの課題に挑戦し、美しい地球環境を保てるレジリエントな社会の実現に努めます。
協和産業 専務取締役/安藤 裕二
当社はプラスチックリサイクルのパイオニア企業として使用済みプラスチック製品のリサイクルシステムの企画、提案、開発、再生事業を行い貴重な地上資源である使用済みプラスチック製品を「環境資産」として有効に運用・活用・再生することを目的に活動して居ります。プラスチックリサイクル専業メーカーとしての知見・経験・ノウハウ等を活用し、本実証実験を通して資源循環型社会の実現に向け各社様と連携し、ソリューションの開発に努めます。
*1素材のトレーサビリティとは、モノマー・ポリマー等の原材料から製品の製造・販売・使用、及びその後に回収から解体・破砕を経て リサイクル原料となり製品製造に再利用されるまでの、資源ライフサイクルにおけるトレーサビリティを意味します。
*2水平リサイクル:使用済製品の資源分解から、同じ製品に再生させるリサイクルシステム
参考図
図1. 今回実施のLoop 1について及び「Pla-chain」との関わり
図2. トレーサビリティデータの連携の様子
以上