マイクロ波加熱を利用した革新的ナフサクラッキング技術『M-Cracker』の共同開発がNEDOに採択

マイクロ波化学株式会社（本社：大阪府吹田市、代表取締役社長CEO：吉野 巌）と千代田化工建設株式会社（本社：神奈川県横浜市、代表取締役会長兼社長：榊󠄀田 雅和）、三井化学株式会社（本社：東京都中央区、代表取締役社長：橋本 修）はマイクロ波加熱を利用した革新的ナフサクラッキング技術の共同開発を開始しました。

また、本事業は国立研究開発法人　新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム　重点課題推進スキーム」に採択されました。今後3社は、それぞれの知見を生かし、事業化を目指して技術確立いたします。

現在、国内の石油化学産業では年間6,018万トンものCO₂を排出し、その内の51.5%がエチレンプラント由来です。石油化学産業の源流であるエチレンプラントは、ナフサの熱分解の為に、化石燃料を使用しており、そこから排出されるCO₂は、カーボンニュートラル達成に向けての課題の一つとなっています。¹⁾。そのため、現在CO₂を発生しない水素やアンモニアへの燃料転換や、電化プロセスへの転換の開発が進められています。

マイクロ波化学が持つ「M-Cracker^®︎」は、基礎化学品生産プロセスであるナフサクラッキング技術のエネルギー源をマイクロ波加熱に転換します。それにより、マイクロ波プロセスの特徴である反応場への直接加熱を行うこととなり、従来法とは違う、新しい概念の分解プロセスとなります。また将来的には、千代田化工建設が持つ先進技術であるナフサ接触分解技術との組み合わせにより、開発技術の更なる進化を目指して参ります。

また、三井化学は2050年のカーボンニュートラルに向けて、本検討以外にも様々な取り組みを進めております。本技術が、バイオ原料等のナフサ代替原料分解に応用されることを期待しております。

マイクロ波プロセスのスケールアップのノウハウを持つマイクロ波化学、エチレンプラントにおけるEPC²⁾で多くの実績を持つ千代田化工建設、国内最長のエチレンプラントを運営している三井化学の三社で社会実装に向けた共同開発を実施し、日本から世界へ向けエチレンプラントの高収益化と、化学産業のカーボンニュートラルを実現して参ります。

ロゴの下部にあしらった弧のラインは地平線をイメージており私たちが暮らすこの世界です。ナフサクラッキングは化学産業の最も源流に位置する技術であり、マイクロ波プロセスで世界を塗り替えていこうという想いを込めました。