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三井化学社長 橋本 修2024年度新入社員への挨拶

2024.04.01

三井化学株式会社

1. はじめに

新入社員の皆さん、三井化学入社おめでとうございます。三井化学を代表して、皆さんを歓迎します。

昨年5月に新型コロナウィルスの感染症法上の分類が、2類相当からインフルエンザと同様の5類へと変更され、ようやく日本は新型コロナウィルスに振り回されない社会へと移行しました。本来ならば、入社式ということで皆さんとは直接会ってお話するところですが、本年度もオンラインというメリットを活かして、三井化学に入社する同期が一堂に会すことができるのは、非常に喜ばしいことです。

2. 世の中の変化と三井化学グループの目指す姿

いま起きている世の中の変化と、私たち三井化学グループが果たすべき役割についてお話したいと思います。

ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ地区侵攻をはじめとする昨今の地政学リスク、経済回復の遅れ、金利動向の変化など、経営を取り巻く環境はグローバルレベルで時々刻々と変化しています。こういった中で、2024年は、長期経営計画VISION 2030のマイルストーンとして掲げた25年度近傍目標に残り2年となる重要な年となります。

当社は、1997年10月1日に三井石油化学(株)と三井東圧化学(株)の合併により誕生してから26年が経過しました。その間、様々なM&Aやキャリア採用の拡大、そして積極的な外部人材の登用により、合併後に当社グループへ加わった社員は8割を超え、様々なバックグラウンドを持った多様な人材で構成されています。

こうした多様性を持ちながら、当社には100年以上の歴史の中で受け継がれる変革のDNAがあります。1912年に始まった九州大牟田での第一世代の石炭化学を皮切りに、岩国大竹で日本初となった第二世代の石油化学への転換を行い、それぞれの時代にベンチャースピリットを発揮して社会課題解決に挑戦してきました。そして今まさに、カーボンニュートラル実現を目指す第三世代と呼ぶべきグリーンケミカルへと大きな変革期を迎えています。当社グループはファーストムーバーとして、サステナブルな社会への貢献を目指し歩みを進めております。

化学は社会基盤や自動車、半導体等の日本の基幹産業を支えるあらゆる素材を供給するのみならず、社会課題を解決する幅広いソリューションを提供することが可能な産業です。当社グループは、VISION 2030で定めた戦略のもと、事業ポートフォリオを変革し、特徴ある高機能な製品を持つ成長領域は高成長・高収益のグローバルスペシャリティケミカル事業に、社会基盤を支える石油化学系事業領域は、事業の再構築とダウンフロー強化、そして、地域・他社連携の推進を加速させて、サステナブルなグリーンケミカル事業への転換を図り、真のグローバルスペシャリティカンパニーを目指しています。しかしながら、足元の状況は、2025年近傍の目標であるコア営業利益2000億円に対しては大きく後退しています。事業ポートフォリオの変革はまだ道半ばであり、成長戦略の実行と事業構造改革をもっとスピードを上げて行っていく必要があります。

引き続き、ぶれることなく戦略を進め、「未来が変わる。化学が変える。」をモットーに、変化をリードし、サステナブルな未来に貢献するグローバル・ソリューション・パートナーとして、VISION 2030の達成を目指します。

3. 皆さんに伝えたいこと

(1) 安全最優先

1つめは「安全は全てに優先する」ということです。当社グループの一人ひとりが、「安全は全てに優先する」ことを心に刻み、生産現場のみならず、すべての職場で事故・災害ゼロを目指して頂きたいと思います。また、「健康は企業活動の源泉」なので、当社グループの一人ひとりが健康管理への認識を高めて頂きたいと思います。

(2) 自主・自律・協働の実現

2つめは、「自主・自律・協働」の実現です。企業グループの競争力を高め、すべてのステークホルダーの期待に応えるためには、社員個々人が自ら考え、自分の職責を果たすと共に、個の力を束ね、組織として総合力を発揮していくことが大事です。是非、志を高くもって自己研鑽に励むと共に、周囲のメンバーに積極的に働きかけてください。生活するための手段として会社で働くことも大切ですが、自分の成長のため、会社で自分のやりたいこと、或いは、誰かに貢献するなどの目標をもって新しいことに挑戦してほしいと思います。それは個人としての幅や引き出しの数を増やし価値を高めます。

(3) 挑戦による学び(成功・失敗)は競争力の源泉

3つめは、「挑戦による学び(成功・失敗)は競争力の源泉」であるということです。学びは社会に出てからも続きます。近年の学業も変わりつつありますが、仕事での答えは一つではありません。挑戦に失敗はつきものです。失敗から学び、内省し、そして粘り強く、何度でも挑んでほしいと思います。その先に必ず成長した自分と組織が見えるはずです。三井化学グループは、自由で開かれた多様性を尊重する風土、各人が挑戦できる様な機会を皆さんに提供していくことを強力に推進します。

 

以上、安全・健康はすべてに優先を胸に、VISION 2030の達成に向け、創業時から受け継がれるベンチャースピリットを思い起こし、失敗を恐れず、自主・自律・協働して挑戦を続けていきましょう。

4. 最後に

入社してしばらくの間は、VISION 2030において、自分が何をすればいいのか迷う人もいるかもしれません。その時には、仕事をするにあたって、その仕事の目的や意義に立ち返ってほしいと思います。個々の仕事から、お客様や社会にもたらす価値や自身の成長にとっての意味を見出すことは、自らのモチベーションを高める上でも大切です。また、先輩社員から引き継いだ業務につき、「こう変えたらもっと仕事が楽しくなる、楽になる」という視点も大事です。自分なりの工夫を行うことで、その仕事の中に「面白さ」や「やり甲斐」を見つけてください。その面白さや、やり甲斐の糧になるのが皆さんの「三井化学になぜ入社をしようと思ったか?」にあります。そこには皆さんのこれからのキャリアの上での「Will、志」があり、その想いはこれからのキャリア構築での重要な道しるべになりますので、是非大切にしてください。

生まれたときからインターネットやデジタルデバイスを身近に成長してきた皆さんの柔軟な発想やアイデアは、これからのDX時代を生き抜くために当社グループの成長に欠かせないものであり、そして人財であると私は強く信じています。だからこそ、新入社員だからだといって臆することなく、自らの考えることは堂々と主張してください。優れた洞察力と構想力、そして強い実行力を持てるよう、日々の挑戦と発見を共に積み重ねていきましょう。

皆さんの活躍を期待、応援しています。

以上

<本件に関するお問い合せ先>

三井化学株式会社 コーポレートコミュニケーション部