ブルーシートの水平リサイクルReVALUE+®の品質向上に向け、回収品判別の技術検証で連携
~DXを活用したサーキュラーエコノミーの実現を目指して~
2024.12.12
萩原工業株式会社
三井化学株式会社
萩原工業株式会社(本社:岡山県倉敷市、代表取締役社長:浅野和志、以下「萩原工業」)、三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修、以下「三井化学」)は、萩原工業が取り組む使用済みブルーシートの水平リサイクル*1の品質向上を目的とし、回収した使用済みブルーシートから萩原工業製品を判別する技術検証(以下「技術検証」)を2024年12月より開始したことをお知らせいたします。
■技術検証の背景
国内ブルーシート製造のトップシェアである萩原工業は、持続可能な社会の実現を目指し、2021年から国内初の取り組みとして、使用済みのブルーシートを原料として新たなブルーシートを製造する水平リサイクルプロジェクト「Re VALUE+®(リバリュープラス)」を行っています。しかし、回収時における他社品の混入や異物の付着によって、再生材の品質低下、ひいては水平リサイクル品への再生材比率の制限が発生しています。萩原工業は、保有する産業機械製造技術を応用した、高度な洗浄技術・装置開発や異物除去機能の高い(高度濾過)造粒装置、樹脂粘度を調質・改質する技術の開発により、再生材の品質改善を実施、更なる再生材比率の向上を目指しています。
一方、三井化学は、プラスチック材料のリサイクル促進およびリサイクル情報の可視化に向け、材料と情報の連携を通じたサーキュラーエコノミーの推進を行っています。その一環として、再生材の品質管理・向上を目的とし、プラスチック製品中の含有成分、または意図的に添加した化学物質を用いた識別技術(以下「ケミカルトレーシング」)を開発検討しています。
■技術検証の内容
三井化学は、ケミカルトレーシングを用いて、萩原工業が回収する使用済みブルーシートの中から、萩原工業製品と他社製品を判別する手法を構築します。萩原工業は、当該手法を用いて廃ブルーシートから萩原工業製品を判別し、水平リサイクルする再生材の品質向上ができるかを検証します。
今後、萩原工業と三井化学は、本実証を通じて、ブルーシート水平リサイクルReVALUE+®の発展を目指すとともに、三井化学が展開するブロックチェーン技術*2による資源循環プラットフォーム「RePLAYER®ブロックチェーンプラットフォーム」とケミカルトレーシングを組み合わせた、新たなトレーサビリティ*3管理も視野に入れながら、サーキュラーエコノミー実現に向けて貢献してまいります。
*1:水平リサイクルとは、使用済み製品を資源にして、同じ製品に利用するリサイクルシステムのことを意味します。
*2:ブロックチェーン技術とは、全ての履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術です。全ての関係者がアクセス可能であり、またデータ改ざんが不可能であることから、その原材料、製品等が「いつ、どこで、だれの手を渡って来たのか」といったことを、全ての関係者が追跡可能であり、トレーサビリティ(追跡可能性)を実現します。
*3:トレーサビリティとは、モノマー・ポリマー等の原材料から製品の製造・販売・使用、及びその後に回収から解体・破砕を経て、リサイクル原料となり製品製造に再利用されるまでの、資源ライフサイクルにおけるトレーサビリティを意味します。
ReVALUE+®は萩原工業の登録商標です。
RePLAYER ®は三井化学の登録商標です。
以上