三井化学社長 市村 聡 2026年度新入社員への挨拶
2026.04.01
三井化学株式会社
1. はじめに
新入社員の皆さん、三井化学への入社おめでとうございます。三井化学を代表して、皆さんを歓迎します。
入社式は2020年以降、コロナ禍の影響もありオンラインのみで実施した期間がありましたが、昨年度から総合職の皆さんがこのように本社に集まり、また、各事業所に集まった一般職の皆さんともオンラインでつながり、デジタルとアナログの良いところを用いて新入社員の皆さん全員と同時にお話ができることになったのは喜ばしい限りです。
2. 世の中の変化と三井化学グループが果たすべき役割
現在、三井化学グループを取り巻く事業環境において、グローバルで劇的な変化が続いているため、まずは今起きている世の中の変化と、私たち三井化学グループが果たすべき役割について、皆さんと認識を共有したいと思います。
昨年1月にアメリカでトランプ大統領第2期政権が発足して以降、関税や安全保障等、急進的な政策転換が進む一方、中国経済における先行きの不透明感も重なり、経済環境の見通しが不安視されています。また、中東情勢の不安定化を始めとした地政学リスクも複数の地域で起き、サプライチェーンへの甚大な影響が懸念されている状況です。
加えて、化学業界においても新興国での供給過剰や技術レベル向上等による市場構造の変化により、グローバルレベルで企業間競争が激しさを増しています。
そうした中で、当社は昨年、各事業の意思決定スピードと競争力を高め、熾烈な競争を勝ち抜くため、社会基盤を支える石油化学事業であるベーシック&グリーン・マテリアルズ事業(以下「B&GM」)を、2027年を目途に分社化する検討を行っています。これにより、B&GMと特徴ある高機能な製品を持つ成長領域を別々の事業体にして、それぞれ他社との連携・共創を進め事業を強化していきます。
B&GMは、生産体制の最適化を始めとした再構築を進めながらも、他社との連携や再編を加速させ、GX(グリーントランスフォーメーション)の新技術なども取り入れることで、カーボンニュートラルの社会において不可欠な、そして日本を代表するコンビナートを持つ強靭な事業体への転換を目指します。
一方で成長領域は、当社が保有する技術をさらに発展させ、お客様に訴求できる特徴ある高い機能性を武器に着実に利益を拡大させていきます。しかし、新興国企業の躍進は目覚ましく、当社としてもグローバル一丸となった挑戦や、さらなる成長スピードの加速が必要です。こうした認識のもと、研究開発体制の強化を目的に、機能と役割を明確にするため各事業本部に開発部を設置し研究と開発を分けることで、コア技術に一層磨きをかけるとともに、よりお客様に寄り添いながら製品・ソリューション開発スピードを加速します。
内外環境は非常に厳しく、かつ劇的に変化しています。しかし、長期経営計画VISION 2030で掲げる目標を達成することで三井化学が生まれ変わるチャンスがあると同時に、皆さんもこの新しい局面での様々な経験を経て、大きく成長する環境があると言えます。
当社は、100年以上の歴史の中でこれまで大きな変革を乗り越えてきました。1912年に九州の大牟田で始まった石炭化学を皮切りに、岩国大竹で日本初の石油化学への転換を行い、それぞれの時代の社会課題解決に挑戦してきました。そして現在、カーボンニュートラル実現の必要性やグローバルでの再編機運が高まり、再度大きな変革期を迎えています。
化学は社会基盤や自動車、半導体等の日本の基幹産業を支えるあらゆる素材を供給するだけでなく、お客様に幅広いソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献できる産業です。
「未来が変わる。化学が変える。」をモットーに、この変革期の業界をリードし、サステナブルな未来に貢献するグローバル・ソリューション・パートナーとして、VISION 2030の達成を目指していきます。
3. 皆さんに伝えたいこと
(1) 安全最優先
三井化学はモノづくりの会社であり、モノづくりを通して社会に貢献しています。化学品の製造販売は危険性が高く、安全に運転を行うためには高度なスキルとチームワークが必要です。ひとたび労働災害が発生すれば、本人が傷つくだけでなく、家族や周囲の人々も大きく悲しむことになります。社員の命を守るため、安全に対しては全社一丸となって取り組むことが必要です。安全運転を行い、安定で高品質な製品を供給することで、お客様の成長に貢献するとともに、社員一人一人の成長につながります。
(2) 成長と進化
会社は社員一人ひとりの働きによって成り立っており、決して経営者だけが会社を運営しているわけではありません。各社員の努力こそが会社を動かしているのです。会社が成長するためには、社員が自ら進化することが必要です。上司は社員の進化する環境を整え、スキル向上のための機会を提供する責任があります。社員はプロフェッショナルとして、継続的な努力により、会社及び社会に貢献することが求められます。
一人一人が健康で、お客様や家族やまわりの人々との信頼があれば、どんなに厳しい環境でもONE TEAMで困難を乗り越えていくことができます。VISION 2030の達成に向け、失敗を恐れず挑戦を続け、成長していく姿が求められます。
4. 最後に
入社してしばらくの間は、目の前の仕事に取り組むことが、自分の成長や社会貢献に本当につながっているのか不安に思う人もいるかもしれません。会社は、多くの人々が力を合わせて、それぞれの仕事がつながることで成り立っています。無駄な仕事はひとつもありませんし、全員が大切な存在です。目の前の仕事が直接すぐに自分の成長に役立っていると実感できることの方が少ないと思いますが、必ず自分の力となりその後の様々な困難を乗り越える時に役立ちます。ただし仕事のやり方については、常に疑問を持ち考えて、自分なりの工夫を行うことで、その仕事の中に「面白さ」や「やりがい」を見つけてください。その面白さややりがいの積み重ねが、皆さんのキャリアを構築していく上での重要なスキルにつながりますので、是非大切にしてください。
新入社員だからだといって臆することなく、自らの考えを堂々と主張してください。優れた洞察力と構想力、そして強い実行力を持てるよう、日々の挑戦と発見を共に積み重ねていきましょう。
皆さんの活躍を期待、応援しています。共に頑張りましょう。
以上