教育
三井化学グループは危険に対する高い感性を持つ人材の育成やグループ全体への安全文化の浸透に向けて、訓練や研修など様々な取り組みを実施しています。
緊急時対応訓練
三井化学グループでは、工場での緊急事態や大規模地震・津波に備え、訓練を計画的に実施しています。
当社工場では、火災や危険物漏えい等への緊急事態を想定し、地域の公設消防隊、警察署などとの合同総合防災訓練を定期的に実施し、緊急時対応の検証と不具合の改善を行い、関係行政と連携することで自衛防災力の向上を図っています。また、コンビナート地区では企業間の相互援助訓練として、公設消防隊や近隣企業を交えた共同防災訓練も実施しています。国内外の関係会社では、それぞれの法規制や職場環境に応じた内容の訓練を実施し、緊急事態への対応力向上に取り組んでいます。近年は大規模地震や津波への備えも重要であるため、これら自然災害を想定した緊急停止訓練や避難訓練を実施しています。


地震発生により危険物漏えい、着火を想定した訓練(市原工場)


反応器から危険物漏えい、着火を想定した訓練(大阪工場)
自衛消防隊の技能向上
三井化学では市原工場、大阪工場、岩国大竹工場、大牟田工場に自衛消防隊を編成しており、緊急事態への対応に備えて日々教育訓練に励んでいます。
日ごろの訓練の成果が認められ、2021年度は総務省消防庁主催の「石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト」において、大阪工場が消防庁長官賞(奨励賞)を受賞しました。この技能コンテストは、自衛防災組織の技能や士気の向上を図ることを目的として2014年度から実施されており、危険物施設等の火災に対する高所からの泡放水を想定し、活動・操作の安全性、確実性および迅速性を競うものです。当社としては、当コンテスト開始以来8年連続の受賞となります。今後も日々の訓練を積み重ねて防災技術の向上を図り、工場のさらなる安全・安定運転に貢献していきます。


大阪工場自衛消防隊:表彰式とコンテスト時の様子
危険予知(KY)・指差し呼称
三井化学グループでは、事故・労働災害の撲滅のため、当社工場および国内外関係会社で危険予知(KY)・指差し呼称の定着と活性化に向けた取り組みを行っています。
当社の各工場では、工場ごとに取り組みの計画、実施、評価、改善を行いオペレーションのレベルアップにつなげています。その中でも、危険なことを危険と認識し、それを防ぐ安全行動ができる人材の育成が重要であるとの考えから、各工場においてKY教育を継続して実施しています。また、KY活動の推進役として各工場にはKY指導員が選任されており、年1回の全体会議を開催しています。会議では各工場の取り組み状況の報告やKY活動を進める上での悩みや疑問に関する意見交換等を行い、自工場のKY活動の参考にしています。
国内外関係会社のKY・指差し呼称についても、関係会社すべてがKY活動、指差し呼称の意義や必要性を理解し、それらを実際の作業に活かし、定着できるよう、安全・環境技術部が継続して研修支援を行っています。研修はオンラインでも実施され実作業に即した演習、発表やチーム討議を取り入れ、自分たちの日常の作業を振り返り、より安全行動が取れるよう意識付けをしています。KY・指差し呼称の定着にはキーマンが必要であり、研修を通じて育成を進めています。
KY研修実績
受講者数(総研修時間) | |||
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2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
三井化学 | 1,010(2,424hr) | 1,220(2,440hr) | 1,591(2,227hr) |
国内関係会社 | 259(725.2hr) | 31(93hr) | 58(116hr) |
海外関係会社 | 37(222hr) | 47(141hr) | 18(36hr) |
計 | 1,306(3,371.2hr) | 1,298(2,674hr) | 1,667(2,379hr) |
ヒヤリハット活動
三井化学グループの各生産拠点では、作業にともない各人がヒヤッとしたこと、ハッとしたこと(ヒヤリハット)を摘出し、組織内でそれらの情報を共有する活動を継続して実施しています。各生産拠点の労働安全衛生マネジメントシステムに則り、ヒヤリハットの発生原因や予防対策を組織で決めて、関係者に周知啓発し、実作業におけるハード/ソフト対策を立案し実行しています。それら予防対策の実施に際し、必要な資源を継続して確保しています。
ヒヤリハット活動事例~岩国大竹工場~
大竹製造課では、他職場や他工場の事故・労働災害を参考に、① 階段、床の腐食や踏み抜き懸念箇所、② 窒素雰囲気のまま開放点検等を実施する機器、③ アルキルアルミの取り扱いに由来する火災リスクという化学プラント特有のヒヤリハット個所・作業の摘出を課員全員で手分けして行いました。職場の安全衛生委員が、提出されたヒヤリハットの中から危険と考えられる設備や作業を選択し、月次で班員に周知して災害の未然防止を図っています。また、改善策を提案し現場の安全・安定化につなげています。
小集団活動
三井化学の各工場では、工場の特性を鑑み、生産現場力強化、意識改革・人材育成、職場活性化、業務改善などの課題に対し、少人数のグループ単位で活動を行う小集団活動を実施しています。
この活動を通じて、一致団結し、工場活性化のボトムアップを図っています。活動の成果は発表会を通じて工場全体で共有し、好事例を表彰することでモチベーションアップにつなげています。
2021年度、10月に全社小集団活動発表会を開催しました。本社、三井化学工場、国内関係会社をオンラインで接続し、本体工場からの発表に対し、各拠点から活発に質問やコメントが出されました。また、発表された内容を当社グループ内で共有することにより、職場および工場全体の活性化とレベルアップを推進しています。


全社小集団活動発表会(本社)
製造課表彰
製造課表彰は、安全、環境、品質および生産技術に関する活動で優秀な製造課を表彰することで現場を活性化させることを目的としています。この制度は2004年度に開始し、2013年度からは安全成績等以外に、安全への取り組みプロセスにも着目し、製造課の努力、苦労等も評価することにしました。
2021年度は国内外の生産拠点から12件の応募があり、その中から社長賞1件、生産・技術本部長賞6件を選定しました。当社だけでなく、国内外関係会社も受賞するなどグローバル展開が進んでいます。なお、上記の表彰に合わせ、工場長賞、本社部長賞も同時に表彰しています。
2021年度 製造課表彰
社長賞 |
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三井化学東セロ株式会社 名古屋工場 第2製造部 イクロス1課、2課 テーマ:「人材育成」と「増産体制の構築」 |
生産・技術本部長賞 |
市原工場 製造1部 タンクヤード・環境課 |
株式会社プライムポリマー 生産・技術部 市原工場 ポリプロピレン課 |
株式会社プライムポリマー 生産・技術部 大阪工場 ポリプロピレン課 |
大阪石油化学株式会社 泉北工業所 生産課 |
大牟田工場ウレタン製造部 用役課 |
張家港保税区三井允拓複合材料有限公司(MLZ) |

(三井化学東セロ 名古屋工場 第2製造部 イクロス1課、2課)
また、製造課表彰で社長賞を受賞した職場のすぐれたところを見学し、情報交換を行う交流会を行っています。自職場や工場内では得られにくい気付きを得て改善に活かすこと、ライン管理者としての悩みを共有して切磋琢磨し、三井化学グループの安全文化を向上させることを目的としており、2015年度から始めています。
2021年度の交流会は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり2020年度の社長賞受賞部署※とオンライン会議による情報共有と意見交換を行いました。2022年度も、引き続き2021年度の社長賞受賞職場と交流会を行う予定です。また、表彰職場の優れた活動を当社グループ全体に展開するため、活動事例をグッドプラクティス集として社内ネットワーク上に掲載しています。これにより、当社および関係会社の職場単位で活用することを可能としています。グッドプラクティス集については、日本語に加えて英語版、中国語版も掲載しています。
※2020年度社長賞受賞部署:張家港保税区三井允拓複合材料有限公司(MLZ)
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