三井化学グループでは、重大事故・重大労働災害0件に向けて、安全な設備、安全な作業への取り組みを進めています。
安全・保安
事故・労働災害
重大事故・重大労働災害0件に向けて
先取り型安全活動(リスクアセスメント・安全対話)
当社グループでは、事故・労働災害の撲滅に向け、作業前の危険要因の把握に加え、リスクアセスメントに基づく先取り型の安全活動を推進しています。各工場では、安全対話※やヒヤリハット共有を通じて、作業に潜むリスクを現場主体で抽出し、リスクの優先度に応じた対策を講じています。また、国内外関係会社に対しても、安全文化の定着を目的とした教育・支援を継続して実施し、従業員一人ひとりが主体的に安全確保に取り組む風土の醸成を進めています。
※ 安全対話:自主的に計画・実施している職場改善活動や過去の事故教訓を基に、工場幹部と社員が相互に意見交換し、安全意識の共有と安全文化の醸成を図る取り組み。
ヒヤリハット活動
当社グループの各生産拠点では、作業にともない各人がヒヤッとしたこと、ハッとしたこと(ヒヤリハット)を摘出し、組織内でそれらの情報を共有する活動を継続して実施しています。具体的には各生産拠点の労働安全衛生マネジメントシステムに則り、ヒヤリハットの発生原因や予防対策を組織で決めて、関係者に周知啓発し、実作業におけるハード/ソフト対策を立案しています。そして、立案した予防対策には、必要な資源を継続して確保し、確実に実施しています。
小集団活動
当社の各工場では、工場の特性を鑑み、生産現場力強化、意識改革・人材育成、職場活性化、業務改善などの課題解決を目的とした、少人数のグループ単位で活動を行う小集団活動を実施しています。
この活動を通じて、一致団結し、工場活性化のボトムアップを図っています。また、活動の成果は発表会を通じて工場全体で共有し、好事例を表彰することでモチベーションアップにつなげています。
2025年度、9月に全社小集団活動発表会を開催しました。本社、工場、国内関係会社をオンラインで接続し、各本体工場並びに関係会社からの発表に対し、各拠点から活発に質問やコメントが出されました。また、発表された内容を当社グループ内で共有することにより、職場および工場全体の活性化とレベルアップを推進しています。
その他の取組み例
上記に加え、以下の取り組みも定常的に実施しています。
- 社則等で定めた、安全に関する基本ルールの徹底
- 5S活動
- 保護具着用の徹底
- 相互注意
全社小集団活動発表会の表彰式(本社)
設備の信頼性と健全性の確保
当社グループでは安全・安定運転が確保できる設備の導入と維持管理を行っています。
設備の新規導入時は、関連法規を満足するだけではなく、経験・蓄積した技術に基づく社則に従い設計を行い、各種技術評価による変更管理を重ねて、爆発、火災、漏えいなどの事故が起きない設備を導入します。
設備導入後は、予防保全の観点から、保全計画を策定し、定期点検・定期メンテナンスを実施しています。
近年は運転開始から40年以上が経過した設備も多く、経年劣化対策に重点を置きながら、適切な保全計画の策定、工事品質の向上、および変更管理の強化に注力し、設備の信頼性と健全性の維持向上を行っています。
VISION 2030の非財務指標においても、1件あたり損失金額が1億円以上のトラブルを「高額損失トラブル」と定義し、その発生件数をKPIに設定しています。2030年の高額損失トラブル発生件数ゼロの達成に向け、設備管理の強化と設備の高経年化対応を重点的に進めています。また、昨今の技術進化により実用化の進む先進技術を積極的に採用することで、保全・設計・工事の業務の効率化と最適化を図っていきます。
さらにこうした取り組みは、事故を未然に防ぐだけでなく、騒音や臭気の軽減や漏えい対策といった環境保全に寄与しています。
保全業務の体系
| 設計~保全に至る業務の効率化・最適化を推進するために、保全業務のPDCAを強化し、 先端技術の積極的導入により、更なる設備の信頼性と健全性の向上を図る |
工事協力会社の評価と改善支援
当社の各工場で起用する工事協力会社について、工事の保安・安全・工事品質を確保するため、「工事協力会社評価実施ガイドライン」を策定し、原則年1回の頻度で評価を実施しています。評価実施後は、評価結果を解析し工事協力会社共通および個社別の課題を抽出した上で、各工事協力会社にフィードバックするだけでなく、必要に応じて改善の指導を行っています。
主な評価要素
- 安全・衛生・環境
- 工事品質
- 技術力や動員力、工程管理
- 重大な過失や不具合、コンプライアンス
重大事故および異常現象・事故
2025年度、三井化学グループにおける重大事故※1は目標0件に対し、実績1件でした。2025年7月27日に三井化学の大牟田工場で発生した塩素系ガス漏洩事故が重大事故として認識しています。本事故は塩素系ガス配管への工業用水混入により塩酸が生成し、当該配管の減肉が加速し破孔に至ったことが原因と推定しています。本事故以降、三井化学は関係当局の指導を仰ぎながら本事故の検証を進め、漏洩の発生に至る原因等を推定し、再発防止策(水混入可能性の排除、漏洩ガス拡散抑制、初期広報活動の改善等)をまとめ、その内容を第3者の専門家の評価を受けた上で再稼働いたしました。また、異常現象・事故※2は目標8件以下に対し23件と前年度より減少したものの、目標を達成する事ができませんでした。事象としては、漏えいが16件、火災・小火が6件、破裂が1件となり、それらの再発防止対策が課題です。再発防止のための施策として、要因等の解析から、特に防止すべき事象について重点化して取り組んでいます。
例)設備起因:外面腐食、プロセス起因:ヒューマンエラー(誤操作など)
※1 重大事故:
異常現象・事故のうち、石化協の事故評価基準(CCPS 評価法)が定める強度レベルが18ポイント以上、または死亡をともなう事象。
※2 異常現象・事故:
爆発、火災、漏えい、破裂、破損、異常反応の事象のうち、関係法令で異常現象または事故として扱われた事象。
ただし、フロン漏えいや微量漏えいを除く。
重大事故および異常現象・事故の件数
※三井化学工場の工場長がレスポンシブル・ケア運営の責任を持つ工場構内関係会社を含む。
労働災害
2025年度、三井化学グループにおいて絶対に発生させてはならない重大労働災害※1は目標0件に対し、実績1件※2でした。
当社は、世界最高水準の安全を目指し、「重視する労働災害※3の度数率0.15以下」を目標としており、現在の当社の労働災害度数率は、日本全産業平均や化学品産業平均の度数率と比較して、レベルの高い状況を維持しています。しかしながら、三井化学グループの海外関係会社、工事協力会社においては、残念ながら目標未達となっております。
こうした現状を踏まえ、三井化学グループとしては、引き続き危険に対する高い感性を持つ人材の育成やグループ全体への安全文化の浸透に取り組むとともに、特に「墜落・転落」「はさまれ・巻き込まれ」などの重篤な労働災害につながる可能性の高い事案が発生しないよう注力して参ります。さらに、工事協力会社に対しては、危険に対する高い感性の育成を目的に、当社技術研修センターのVR(バーチャルリアリティー)安全研修において、危険を疑似体験できる内容など工事協力会社向けのコンテンツを受講いただくことで、工事協力会社の労災低減に向けた教育強化も図っています。
※1 重大労働災害:
死亡、負傷または疾病により障害等級1~7級に該当した労働災害。
※2 2024年7月に発生した海外出張中の死亡労災(2025年12月労災認定)
※3 重視する労働災害:
業務に直接関わる、休業・死亡に至った労働災害および、不休業または微傷災害のうち原因が重大で死亡または休業に至る恐れのあった労働災害。当社グループは、休業労働災害だけでなく、不休業または微傷災害であっても、その原因が重篤なものについても「重視する労働災害」であると定義し、その度数率をKPIとしてモニタリングしている。
なお、休業労働災害の度数率についてはこちらをご覧ください。
三井化学と日本全産業・日本化学業界の労働災害度数率の比較
* 度数率とは、100万延実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表します。
度数率 = 災害被災者数×100万時間 / 全従業員の合計労働時間
日本全産業平均、日本化学業界平均は、休業災害度数率を示します。
【出典】
※1※2 厚生労働省白書労働災害動向調査
重視する労働災害の度数率
※ 工場構内運転協力会社を含む。