人材マネジメント
人材・組織開発
三井化学グループは、三井化学グループ人材マネジメント方針に基づき、グループ・グローバルに活躍し得る人材を長期視点に立って育成しています。そして、人材を企業価値創造の源泉と位置づけ、自主・自律・協働という当社グループが従業員に求める基本的な考え方に基づき、世界の市場や仲間と日々対話を繰り返し、いま、そして未来の社会が求める価値を生み出すことのできる人材を育成しています。
経営人材の育成(グループ・グローバル展開)
エグゼクティブコーチング(Executive coaching)
経営判断をする立場にある人を対象とした約10ヵ月(12時間コーチング/人)の経営活動にポジティブな変化を起こすための戦略対話型コーチングです。コーチング開始前に自身が無意識に発している組織へのインパクトや、リーダーやメンバーが「自分達の現状についてどう感じているか」について、また、自身がこうありたいという「理想の姿」を認識できるように特定のツールを使用し可視化します。それにより洗い出された組織課題や、自身のリーダーシップ課題からコーチングのテーマを決定し、プロコーチが現場での戦略実践に伴走します。また、コーチング終了半年後に変化を可視化することで、今後のマネジメントに活用しています。
次世代経営者候補のグローバルリーダーシップ研修(Global Leadership Program)
グループ・グローバルに活躍する次世代経営者候補の育成のため、経営リテラシーの獲得およびグローバルネットワークの構築を目的としたプログラムです。世界各拠点に在籍する当社グループの次世代経営者候補を募り、ドイツ・日本のトップビジネススクールのひとつである、マンハイムビジネススクールおよび一橋ビジネススクールと協働し、戦略的思考力・グローバルリーダーシップスキル・アクションラーニングを含めた、約10ヵ月間におよぶ当社グループ独自の育成プログラムを展開しています。
2021年2月からModule#1をオンラインでスタートし、2022年11月に最終Module#3を当社本社にて対面形式で行いました。Module#3では、アクションラーニングのテーマであったVISION 2030における提案を経営陣に行い、活発な意見交換が行われました。
グローバルマネージャーセミナー(Global Manager Seminar)
グループ・グローバル各社の現地リーダーの育成を目的に、当社グループの戦略・文化の理解促進やリーダーシップスキルの獲得を目指すプログラムです。世界各拠点の部長登用候補者がリージョン毎に集い、ディスカッションを中心としたプログラムを展開しています。コロナ禍では実施を見送っていましたが2023年度再開を予定しています。
研修名 | 2022年度実績 | 累計 |
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エグゼクティブコーチング 対象:三井化学グループの部長職以上 | 6名 (男性:6名、女性:0名) | 66名 (2011年度~) |
グローバルリーダーシップ研修 対象:三井化学グループの次世代経営者候補 | 19名 (男性:16名、女性:3名) | 80名 (2012年度~) |
リーダーシップパイプラインに基づく育成段階に沿った人材育成プログラム等(国内)
三井化学では、全社/事業戦略をサポートするため、リーダーシップ開発に軸を置いた研修プログラムを展開しています。研修プログラムは、各階層のリーダーシップの発揮に求められるスキル・職務意識に基づいて設計されています。知識の詰め込み型研修を極力排し、社員本人が経験と内省のサイクルを自ら回しながら、上位レベルの職務要件に基づいて行動し、成果を挙げていく行動変容を生み出すことに主眼をおいています。
育成体制(国内)
各層ライン長のリーダーシップ開発研修
育児や介護などのライフイベントによる時間的制約の有無、国籍・人種・民族・宗教の違いに関わらず、優秀な人材が能力を発揮するために、ラインマネージャーのマネジメント能力向上が求められています。当社では、各層ライン長研修にコーチング手法を採り入れ、各部門の中核をなすリーダー層に日々の業務活動における具体的変革行動を促し、組織をより良い方向に導くためのリーダーシップ開発に注力しています。オンラインによる研修実施が標準化されたことにより、育児や介護などライフイベントにより時間的制約のある社員の参加や、事業所の枠を越えた参加が可能となり、多様性を尊重した形での研修体制を実現しています。
戦略思考リーダーシップ研修
VISION 2030始動に向けて職位別要件を見直した結果、グループリーダー層には、変革主導力と組織を超えて会社や事業全体をマネジメントする経営者視点を持つことが求められることから、「戦略思考リーダーシップ」研修を新たに導入しました。VISION 2030の達成に向け、新たな視点で戦略ストーリーを描き、戦略の浸透および実行の促進を担うリーダーを育成していきます。
各層ライン長のリーダーシップ開発研修受講者数実績
研修名 | 2022年度実績 | 累計 |
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戦略思考リーダーシップ研修(新規) (グループリーダー) | 34名 (男性:31名、女性:3名) | 34名 (2022年度~) |
リーダーシップ開発研修 (チームリーダー・工場課長向け) | 20名 (男性:20名、女性:0名) | 320名 (2013年度~) |
リーダーシップ開発研修 (工場係長向け) | 43名 (男性:41名、女性:2名) | 469名 (2016年度~) |
主な階層別育成研修の実績(2022年度、三井化学籍社員)
新入社員研修(オンラインと対面のハイブリッド) | |
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内容 | 全国8か所の配属先事業所をオンラインで結び、出社形式と自宅からの完全オンラインでの参加により実施。 オンライン下で困難となるチームビルディングを目的とした、新入社員によるクレド作成から約1ヵ月の導入研修を開始。根(マインド)も葉(スキル)もあるプロとなることをテーマに、7つの習慣の考えを元にしたディスカバリー研修、VISION 2030における各部の戦略をふまえた部門紹介、人事制度、またロジカルシンキング&プレゼンテーションスキルを基礎ビジネススキルとして習得。習得したスキルのアウトプットの場として「VISION 2030における私たちの提案」と題して2030年に職場でのリーダーとなりうる新入社員から会社への提案を行い、主要部門のリーダーとの直接対話を実現した。 |
受講者数 | 120名(男性:72名、女性:28名) |
総研修時間 | 15,333hrs |
基礎ビジネススキル研修(オンライン) | |
内容 | 管理社員に求められる資質を獲得することを目指す。OJT以外に、「自主・自律・協働」という当社が2021年4月に打ち出した新しい働き方のコンセプトを実現すべく、会社指名制だけでなく、自主性に基づく挙手型の研修機会を増加させ、個々のリスキリングを推進。思考法、プロジェクトマネジメント、対人スキル、会計・経営スキル「Apple & Orange」およびグローバルビジネススキル研修 |
受講者数 | 202名(男性:143名、女性:59名) |
総研修時間 | 1,885hrs |
新任管理社員研修(オンライン) | |
内容 | トップからのメッセージ、役割認識、ストレングスファインダー(強みを活かしたリーダーシップ開発) |
受講者数 | 160名(男性:145名、女性:15名) |
総研修時間 | 1,226hrs |
新任ライン長研修(オンライン) | |
内容 | ①役割意識、労務管理、メンタルヘルス管理、コンプライアンス、ダイバーシティ(LGBTQなどの多様性の理解、ハラスメント、女性活躍等)②部下育成スキル |
受講者数 | 172名(男性:154名、女性:18名) |
総研修時間 | ①1,032hrs ②1,262hrs |
テーマ別研修
キャリア研修
人生100年時代の企業の役割は「雇用し続ける」から「キャリア開発」へ移行しています。また当社の従業員エンゲージメント向上のためにも、さらなるキャリア・成長機会への仕組み作りが不可欠となっており、「自主・自律・協働」という人材育成の基本方針をベースに、社員一人ひとりの自主・自律を体現する為、2022年度から「自律的キャリア開発促進」を開始しました。
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プログラム名 | プログラムの目的 | 参加者(名) | うち男性(名) | うち女性(名) | 研修時間(hrs) |
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セルフリーダーシップ・プログラム (7つの習慣) | スティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣」に基づき、長期的・効果的に成果を出すための視点・姿勢を学ぶ。 | 33 | 23 | 10 | 473 |
セルフリーダーシップ・プログラム (セルフエンパワーメント) | 自身のリーダーシップへの気づき、仕事の意義、自らの指針について考え、明日からの行動に繋げる。 | 41 | 33 | 8 | 615 |
One Day キャリアワークショップ(プライム) | 社会人経験7年以上の方を対象に、これまでの仕事経験を振り返り、自己を見つめなおすことで、自己の可能性を追求し今後のキャリアデザインをする | 31 | 25 | 6 | 222 |
One Day キャリアワークショップ(プロフェッショナル) | 45歳以上の方を対象に、職業人生の折り返しにあたり、人生100年時代を見据えたキャリアビジョンを描く。 | 45 | 32 | 13 | 321 |
One Dayキャリアワークショップ(エントリー) | 社会人経験7年未満の方を対象に自律的なキャリア形成とはどういうことかを学び、自分自身の理解とともに、今後のありたい姿を描く。 | 9 | 6 | 3 | 64 |
耳だけ参加キャリアセミナー | 気軽に参加可能(匿名、傍聴のみ可)。キャリアを考えるヒントやコツをわかりやすく解説。 | 499 | 274 | 225 | 748 |
DX研修(e-ラーニング)
当社では、VISION 2030において、デジタルリテラシーの向上をDX推進の基本戦略に掲げ、全社員のレベル向上と専門スキルを有する人材の育成によりData Drivenな組織風土への変革を目指しています。2021年度から全社員向けのe-ラーニングプログラムを開始し、デジタルリテラシーの向上を早急に進めていきます。さらに、データサイエンティストの育成やAI関連技術の開発についても、今後研修や教育プログラムを充実させ、自社中心で進める体制を整えていきます。
Mitsui Chemicals Competency Development Program
次世代リーダーの育成を目的に、リーダーとしての役割理解や必要となる知識スキル習得を目指すプログラムです。アジアパシフィック地区を中心に若手の選抜者が、ビジネスシミュレーションなど5日間のプログラムに取り組みます。
グローバル従業員エンゲージメント調査
VISION 2030の達成には従業員一人ひとりのエンゲージメントの向上が必要と考え、三井化学グループ全従業員を対象としたグローバル従業員エンゲージメント調査を2018年から実施し、非財務目標にも設定しています。2021年度に2回目となる従業員エンゲージメント調査を実施しました(回答率:88%)。前回調査時から新型コロナウイルス感染拡大に伴う大きな環境変化があったものの、当社グループの従業員エンゲージメントスコア※は34%となり、前回よりも3%改善しました。また、サーベイから浮かび上がってきた組織課題に対し、特に精力的に活動を展開した組織では、前回調査に比べ20%以上スコアが改善しました。
現在は、さらなるエンゲージメントスコア向上にむけ、当社本体では本社部レベル組織、および工場ごとに、関係会社では会社ごとにポストサーベイアクションを立案し実行しています。なお、当社グループのポストサーベイアクションの登録率は100%です。
また、2023年度以降はエンゲージメント調査を毎年実施し、よりモニタリングの頻度を上げ、2030年エンゲージメントスコア50%にむけた具体的な取り組みを推進してまいります。
※ エンゲージメントスコア:
エンゲージメント関連質問6問の平均が4.5以上の高い肯定度合い示す社員の割合(4:どちらかと言えばそう思う、5:そう思う、6:強くそう思う)を表しており、スコアの改善を図るだけでなく、強いエンゲージメント意識を備える従業員が増えることも目的として、取り組みを進めている。
エンゲージメント調査
エンゲージメントスコア推移と目標値
エンゲージメント要因スコア(強みを持つ領域・課題のある領域)
課題のある領域 | 強みを持つ領域 | |
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2021年度 | 総報酬と認知 25% | 法令・社則順守 61% |
キャリア機会 22% | 安全 51% | |
人材活用と配置 19% | 権限委譲/自律性 42% | |
2018年度 | ラーニング及び自己啓発 22% | 安全 47% |
キャリア機会 18% | 雇用主としてのブランド 39% | |
人材活用と配置 15% | 権限委譲/自立性 38% |