なお、各国・地域の定める法令に基づく最低賃金規定や労働時間規制に抵触することのないよう努めます。
人材マネジメント
マネジメントシステム
方針・基本的な考え方
持続可能な社会を実現するために、企業がその貢献の在り方を問われる中、三井化学グループは、社会が求める価値を当社グループが持続的に創造し続けるためのカギは「人材」であると考えています。また、当社グループは、会社と従業員が対等な関係で互いに刺激しあい、より良い方向へと高めあえるように、社員一人ひとりを大切にすることが重要であると考えています。そのため、人材戦略上の各種施策においては、「三井化学グループの持続的成長」と企業グループ理念にもある「従業員の幸福と自己実現」の両立を目標に据え、個の力(ポテンシャル)を最大限に引き出し、挑戦し学習し続ける組織を実現し、持続的な競争力を生み出していきたいと考えています。
当社グループは、従業員およびステークホルダーに対して、当社グループの人材に関する考え方を示すために、「三井化学グループ人材マネジメント方針」を制定しています。本方針は、行動指針を根本に据え、当社グループの人材に関する様々な施策における、基本的な考え方を明示したもので、グループ全体の人事施策の根幹に位置付けられています。また、本方針を、日本語、英語、中国語に翻訳し、グループ全体に展開しています。
三井化学グループ人材マネジメント方針
- 「誠実な行動」に向けて
- 従業員に対し、「行動指針」に定めた「誠実な行動」を求め、そうした行動をとる人を高く評価し、その力が十分発揮できる環境を整備します。
- 事業地区の労働に関するあらゆる法規およびルールを遵守します。
- 従業員の採用・配置・育成・評価・処遇は、性別・人種・国籍・年齢・宗教・障害などに基づく差別をすることなく、ルールを開示し、ルールに則り公正・公平に行います。
- 「人と社会を大切に」に向けて
- 従業員に対し、「行動指針」に定めた「人と社会を大切に」する行動を求め、そうした行動をとる人を高く評価し、その力が十分発揮できる環境を整備します。
- 従業員の職場における安全と健康を守ります。
- あらゆるハラスメントを許さず、人権擁護を支持し、尊重します。
- 「夢のあるものづくり」に向けて
従業員に対し、「行動指針」に定めた「夢のあるものづくり」に向けた以下の行動を求め、そうした行動をとる人を高く評価し、その力が十分発揮できる環境を整備します。
- 自らの可能性を信じ、失敗を恐れず、果敢に挑戦する。
- 感性を豊かにし、たぐいない新たな価値をつくり出す。
- 自分の目で確かめ、自ら考え、行動する。
- グローバルな視点に立ち、世界に通じるプロフェッショナルを目指す。
- これまで培った経験や技術を伝承し、次世代の人材育成に努める。
- 活発なコミュニケーションを通じ、一人ひとりの力を組織の力に結集する。
さらに、当社グループは、世界各地の拠点で働く当社グループの人々の心をひとつにまとめ、同じ目標の達成に向けてともに努力し続けるための求心力となる中核的な価値観を体現する行動指針として、コアバリュー※を制定しています。「行動指針」に定めた「チャレンジ精神」、「多様性の尊重」、「チームワーク」は、コアバリューである、Challenge、Diversity、One Teamにそれぞれ通じています。
- 上記各項目に立脚し、次の考え方で人事施策を行います。
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「三井化学グループの持続的成長」 に向けた考え方 | 「従業員の幸福と自己実現」 に向けた考え方 | |
---|---|---|
組織編成 | 経営/事業戦略に沿った組織を、柔軟に編成し、その実現に向け、最適な職務(ポジション)を設計・編成します。 | 個人のキャリア志向性・コンピテンシー・資質を最大限活かし得る組織・職務編成を行います。 |
人材採用 | 企業の持続的成長に貢献し得る多様な専門性・価値観を有する人材を採用します。 | 採用においては、当社グループが求めるワークモチベーション・能力・多様な価値観を有する人材に等しく機会を提供します。 |
人材配置 | ポテンシャルが高く、成果を挙げ得る人材を積極的に登用します(適所適材)。 | 個人が有する意欲・キャリア志向性および専門的能力を、十分に発揮できるような配置を行います。 |
人材開発 | グローバルに通じる専門・経営人材を長期視点に立って育成します。 | グローバルに通じる専門性・マネジメントリテラシー習得に向け、適切な開発機会を質・量の面から十分に提供するとともに、あわせて、自律的なキャリア形成を支援します。 |
評価 | 実現した成果を適切に評価し、タイムリーなフィードバックを通して、さらなる個の成長につなげます。 | 公正かつ客観的なプロセスにおいて、意欲と能力の向上に結びつく評価を行います。 |
処遇(報酬) | グローバル市場において、競争力のある報酬水準を目指します。 | 意欲と能力ある多様な人材を確保する点で、グローバル市場において、競争力のある報酬水準を目指します。 |
以上
※ コアバリュー:
世界各地の拠点で働く⼈々の⼼をひとつに纏め、同じ目標の達成に向けてともに努⼒をし続けるための求⼼⼒となる中核的な価値観。
Challenge | 何事も真正⾯から積極果敢に”Challenge”していって欲しい、という気持ちを示したもの。 |
---|---|
Diversity | 相⼿の⽂化・ 歴史を学び、その⼈の個性や⺠族への理解を深めるとともに、それを三井化学グループの成⻑に最⼤限活かし、取り込むこと。 |
One Team | ⽴場や世代、性別や国籍、組織や地域の違いを超え、今こそ「⼼をひとつ」に総⼒を結集すること。 |
人材戦略
三井化学グループでは、これまでも長期経営計画に連動した人材戦略および導き出された優先課題に応対する各種人事・組織に関する戦略を策定・実行し、グループ・グローバルでの事業ポートフォリオの変革やグローバル展開の拡大を、人材マネジメントの面から着実にリードしてきました。その結果、1997年の三井化学発足以降、連結対象会社数は163社、連結従業員数は19,861名(2024年3月末、嘱託社員除く)、海外在籍人員は約40%程度まで拡大しました。
VISION 2030の実現に向けた人材戦略の策定においては、外部環境変化をとらえながら人的資本に関するAs-IsとTo-Beのギャップを定量・定性的に把握した上で、優先課題と実行すべき方策を特定しています。このギャップについては、人材が有する知識や技能、経験、能力といった、離職とともに企業が失う、人材ポートフォリオの構成に関する量・質的変化と、そのアウトプット・アウトカムに影響を与える意欲・動機、また、企業文化、組織の規範、システムといった、構造的側面から捉えています。人材戦略の中で、各種施策を展開し、各々のギャップを埋めつつ、サステナブルな企業価値向上に向け、当社グループが目指す、ありたい企業文化「自主・自律・協働」の醸成につなげています。
人材戦略上策定上の主要観点※
※ MERITUMガイドライン(2002)を参考に当社作成
体制・責任者
三井化学グループは、グループ・グローバルにおける変革推進に向けた執行体制強化と執行責任明確化のため、チーフオフィサー制強化の一環として、CHRO※1を設置しています。
CHROは人材マネジメントの最高責任者として、中長期視点での経営計画と人材戦略の連動性強化や、事業ポートフォリオ変革に向けた人的資本の投資・再配分を、よりタイムリーかつグループ・グローバルレベルにおいて大胆に実行すると同時に、これらの取り組みや人的資本価値を社内外のステークホルダーに効果的・積極的に発信する役割を担っています。
本社機能としては、HRマネジメントチーム※2および、経営陣幹部のパートナーとしてSenior HRBP※3を設置しています。これにより、事業/機能本部における経営戦略の進展具合をタイムリーに把握・共有し、毎年の人材戦略を見直したうえで実効性のある人事施策の展開を推進しています。
また、日本、欧州、米州、アジアの人事責任者を組み込んだ、グローバルCoC※4体制を編成し、①タレントマネジメント ②組織・人材開発 ③グローバル報酬・ベネフィット ④グローバルプラットフォーム&アナリティクス ⑤グローバル採用・ブランディングの5つの機能を主軸に、グループ・グローバルな人材戦略・人事施策の立案・展開を進めています。
各種人事施策は各地域統括人事部門、国内外関係会社の経営幹部、および人事部門、HRBP等と共有の上、実行します。また、各地域統括人事部門は、国内外関係会社人事責任者と、定期的に各人事施策の進捗状況を共有・議論しています。
さらに、各事業/機能本部・地域・関係会社各社における人事課題も含め、人材戦略上の意思決定はCHRO以下のHRマネジメントチームが担います。なお、経営上特に重要な人事施策については、経営会議や、コーポレートガバナンス・ガイドライン上で規定されている、将来の経営者候補を輩出することを目的とした人材育成委員会(全社・部門別)等で諮っています。
※1 CHRO:
Chief Human Resource Officer(最高人事責任者)。経営陣の一人として、人材戦略の計画・実行を行う。
※2 HRマネジメントチーム:
人事部・グローバル人材部担当役員、部長、グループリーダー級で構成する人事部門の方針・施策策定機関。
※3 HRBP:
Human Resources Business Partner(HRビジネスパートナー)。各本部・コーポレート長のパートナーとして、各種事業・機能戦略と連動した人材戦略・人事施策の立案・実行を行う。日常的に自身が担当する本部・部門において施策を推進するHRBPと、複数の本部・部門をカバーしつつHRBPに対して適時助言、サポートを行い、本部・部門間・HRBP間での連携も図るSenior HRBPとで構成される。
※4 CoC:
Center of Competence(コンピテンスセンター)。グループ全体を統括する人事専門機能。
人材マネジメント体制
※ 米・欧・中・アジア太平洋地域ごとに、地域の各社人事担当を招集し、定期情報交換および地域独自人事施策の展開を推進する。地域によって開催頻度は異なる。
モニタリング
各事業所、各関係会社における人材マネジメントに関する法令遵守状況は、内部統制室が実施する内部監査により定期的にチェックを行っています。
目標・実績
キータレントマネジメント
指標 | 集計範囲 | 2023年度 | 2024年度 | 2030年度 (中長期) | |
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目標 | 実績 | 目標 | 目標 | ||
戦略重要ポジション後継者候補準備率 | 三井化学 グループ | 235% | 220% | ≧235% | 250% |
ダイバーシティ
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指標 | 集計範囲 | 2023年度 | 2024年度 | 2030年度 (中長期) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
目標 | 実績 | 目標 | 目標 | |||
執行役員多様化人数(女性・外国籍・中途採用) | 三井化学 | 経営者候補多様化率 ≧20% | 18.5% | 経営者候補多様化率 ≧20% | ≧10名 (うち、女性 ≧3名) | |
女性管理職(課長級以上)比率 | 三井化学 | ≧7% | 6% | ≧7% | 15% | |
定期採用の女性比率 | 事務系総合職 | 三井化学籍社員 | ≧40% | 37% | ≧40% | ≧40% |
技術系総合職 | ≧25% | 23% | ≧25% | ≧25% | ||
基幹職 (主に工場オペレーター) | ≧10% | 13% | ≧10% | 10% | ||
障害者雇用比率 | 三井化学籍社員 | 2.5% | 2.5% | 2.6% | ─ |
*本サイトに掲載している定期採用実績は、その年度に入社した社員を集計したものです。よって、次年度の入社予定の社員数を集計している「第5期女性活躍推進に関する行動計画」で示すデータとは数値が異なります。
従業員エンゲージメント向上
指標 | 集計範囲 | 2023年度 | 2024年度 | 2030年度 (中長期) | |
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目標 | 実績 | 目標 | 目標 | ||
エンゲージメントスコア | 三井化学 グループ | ≧36% | 36% | ≧38% | 50% |