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FORTIMO®が「日本ゴム協会賞」を受賞

~新規高弾性脂環式ポリウレタンエラストマーの開発~

2018.06.04

三井化学株式会社

三井化学株式会社(東京都港区、社長:淡輪 敏)は、一般社団法人日本ゴム協会(会長:高田 十志和)より「日本ゴム協会賞」を受賞し、2018年5月30日の第7回定時社員総会において表彰を受けました。当社における世界初の高弾性脂環式ポリウレタンエラストマー「FORTIMO®(フォルティモ®)」の開発が高く評価されたものです。

受賞名: 第30回日本ゴム協会賞
受賞研究名: 新規な高弾性脂環式ポリウレタンエラストマーの開発
受賞者: 三井化学株式会社
フード&パッケージング事業本部 コーティング・機能材事業部
ウレタン開発グループリーダー 山崎 聡(九州大学 客員教授)
研究開発本部 合成化学品研究所 主任研究員 長谷川 大輔
九州大学
准教授 小椎尾 謙
「日本ゴム協会賞」を受賞
左より:日本ゴム協会 高田会長、三井化学 長谷川、
九州大学 小椎尾准教授、三井化学 山崎
製品名 FORTIMO®(フォルティモ®)
製品 新規脂環式ジイソシアネート1,4-H6XDI及びそれを用いたポリウレタン材料
特長
  1. 高弾性、高耐久性、高耐熱性、無黄変
  2. ポリウレタンエラストマー(熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ポリウレタン)の成形時間短縮
主な用途 自動車用エラストマー材料、弾性繊維等の衣料材料、医療用チューブ、高耐久性工業部材など

コーティング、接着剤、シーラント及びエラストマーなどに使用されるポリウレタンは、これまで「高弾性と高耐熱性」と「無黄変性(黄色く変色しにくい)」のいずれかの特性をもつ製品しか存在していなかったため、市場では双方を併せ持つ新しい材料の開発が待たれていました。

三井化学は2014年に、世界で初めて高弾性、高耐熱性だけでなく、無黄変性も兼ね備えたFORTIMO®の開発に成功しました。さらに、従来のポリウレタンの成形工程においては、耐熱性を持たせるために有機溶剤中で加工する必要がありましたが、FORTIMO®はそれ自体が十分な耐熱性を有するため、成形工程での無溶剤化を可能にしました。ポリウレタン製品の課題のひとつであった耐熱性と環境対応の両立も初めて実現しています。

かけ心地がよく折れにくいサングラスのフレームやテニスラケットのガット、ウエアラブルバンドなどですでに実用化されています。三井化学はFORTIMO®を用いて広く社会に貢献すべく、モビリティ、ヘルスケアおよびフード&パッケージングの分野を中心に、用途開発を加速してまいります。