三井化学社長 橋本 修 2020年度新入社員への挨拶(要旨)
2020.04.01
三井化学株式会社
1. はじめに
新入社員の皆さん、三井化学入社おめでとうございます。三井化学を代表しまして、皆さんを歓迎致します。
本来ならば、入社式に皆さんをお招きして直接お話するところですが、新型コロナウイルス感染拡大対応のため、このようなオンライン形式となりますこと、とても申し訳なく思います。
皆さんの中にも卒業式が中止になってしまった、という方も多いと思います。当社でも、本社を中心にテレワークを行い、事業所への往来を制限するなどの対策をとっており、皆さんの研修対応もその一環です。全世界で影響が長期化する中、当社の事業環境も予断を許さない状況にあります。
今日は画面を通じてとなりますが、今後の状況を踏まえて、改めて皆さんと直接お話できる機会をつくりたいと考えています。
2. 三井化学が果たすべき役割
はじめに、私たち三井化学が果たすべき役割についてお話したいと思います。
当社グループは、「マーケット至上主義経営に象徴されるように、自らの利益向上だけを考えるのではなく、社会の公器として、サステナビリティを真剣に考えなければ、私たちはその使命を果たせないし、生き残ることもできない」との危機感の下、2008年度からの中期経営計画以降、経済軸に環境軸と社会軸を加えた3軸による経営を掲げてきました。
一方で、デジタル技術やバイオ技術等の先端技術は、飛躍的進歩を遂げています。我々化学メーカーには、SDGsやESGをキーワードとして、気候変動やプラスチックごみ問題といった多くの社会課題解決や、循環経済、持続可能な社会の実現等に対する大きな期待が寄せられています。
また、新型コロナウイルスのような、突然現れる大きなリスクに対しても、化学の果たす役割がこれまでになく高まっています。そして、我々には、その期待に応えることができる大きな可能性があると信じています。
このような、世界規模で同時進行している社会の大きなうねりの中で、皆さんと当社グループの大きな可能性と貢献について、共に考えていきたいと思います。
3. 皆さんに伝えたいこと
(1) 安全最優先
ひとつめは「安全は全てに優先する」ということです。これは製品、サービスを創って世に出す者としての基本姿勢です。生産現場だけでなく、当社グループの全員が、自身の安全・健康はもとより、組織や社会の安全と健康も考えられる人になっていただきたいと思います。
(2) 会社は機能組織
次にお伝えしたいのは、「会社は機能組織であり、仲良しクラブではない」ということです。会社は、決まったルールのなかで、多様な能力を有する人材の総合力によって目的を追求する場です。皆さん一人ひとりと会社との相互努力により、共に成長する場です。
皆さんには、それぞれの専門性に加え、自分だからこその強みを、あらゆる機会を利用して、磨いていただきたいと思います。そんな個性的な強い個人の集団こそが、明日の新しい世界を創って行けると信じています。
(3)「挑戦、学習、内省」を繰り返して成長を
3つめは、「『挑戦、学習、内省』を繰り返して成長して欲しい」ということです。
学びは社会に出てからも続きます。学業と異なり、仕事での答えは一つではありません。だから誰でも失敗します。しかし、失敗してもいいのです。挑戦し、失敗から学び、内省し、そして粘り強く、何度でも挑んでほしいと思います。その先に必ず、成長した自分と組織が見えるはずです。
4. 最後に
新入社員だからだといって、臆することはありません。
自分の意見は堂々と主張してください。優れた洞察力と構想力、そして、強い実行力を持てるよう、共に日々の挑戦と発見を積み重ねていきましょう。
みなさんの活躍を期待、応援しています。
以上