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マラリア媒介蚊防除剤VECTRON™ T500がWHOによる事前認証取得

新興国・途上国マラリア根絶に向けて革新的新殺虫剤上市を加速

2023.03.15

三井化学アグロ株式会社

三井化学アグロ株式会社(所在:東京都中央区、社長:小澤 敏)はマラリア媒介蚊防除用、屋内残留噴霧(IRS)剤 VECTRON™ T500が世界保健機構(WHO)による事前認証*1を取得しましたことをお知らせいたします。

VECTRON™ T500は三井化学アグロが創出・開発した世界初のメタジアミド系有効成分TENEBENAL™を含有するIRS専用剤です。新興国・途上国では殺虫剤登録にWHOの事前認証を必要とする国や評価当局が存在しない国も多く、今回の認証取得により迅速かつ簡便に各国での登録を取得し、上市を加速することが可能となります。

図1. 既存剤の効果が低下した蚊が増加 図1.既存剤の効果が低下した蚊が増加
図2.専門オペレーターによるIRS散布 図2.専門オペレーターによるIRS散布

マラリアは未だ84か国で流行しており、世界人口の半数はマラリアに感染する恐れのある地域で暮らしています。WHOの2021年の統計から年間2億人以上が羅患し死亡者の数は60万人以上にのぼると報告されています。この深刻な被害の大部分はサハラ以南アフリカ(サブサハラアフリカ諸国)の5歳未満の小児と妊婦に集中しています。
IRSはマラリア媒介蚊が人から吸血をするために家屋に忍び込んだ際一度壁の上で休息をとる習性を利用し、あらかじめ壁面に殺虫剤を処理しておくことでマラリア媒介蚊を駆除するマラリア予防対策の中核的な技術ですが、既存の殺虫剤への耐性を獲得したマラリア媒介蚊が増加したため有効性が低下し大きな社会問題となっています。マラリア感染を予防するために迅速な新剤の上市が望まれています。

VECTRON™ T500はその全く新しい作用機序から、英国及びアフリカ各国の研究でピレスロイド剤・有機リン剤など既存剤抵抗性の系統・個体群への高い効果が確認されています。新規作用性のみならずVECTRON™ T500は多くの優れた特長を持っています。様々な種類の壁面上で極めて長い残効性を保ちます。忌避性がなくマラリア蚊が長時間薬剤に接触します。臭気がなく、かつ壁を汚すこともありません。哺乳類急性毒性が低く、リスクアセスメントにより新生児から成人まで居住者・散布者への安全性を確認しています。
VECTRON™ T500はサブサハラアフリカ諸国で2023年より順次上市を予定しています。WHOの取り組むGlobal technical strategy*2の下、抵抗性マネジメントのための新たなローテーション剤として、マラリア根絶に貢献できることを願っています。

参考

以上

VECTRON™ T500に関する問い合わせ

三井化学アグロ株式会社 海外営業部

本件に関するお問い合わせ先

三井化学株式会社 コーポレートコミュニケーション部