第22回 グリーン・サステイナブル ケミストリー賞「経済産業大臣賞」受賞
= バイオ由来C5イソシアネートおよびその誘導体を用いたポリウレタンの実用化 =
2023.06.15
三井化学株式会社
三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本修、以下、三井化学)は、『バイオ由来C5イソシアネートおよびその誘導体を用いたポリウレタンの実用化』により、公益社団法人新化学技術推進協会(JACI)における第22回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞(以下、GSC賞)の「経済産業大臣賞」を受賞しました。この賞は、グリーン・サステイナブルケミストリーの推進に貢献する優れた業績が表彰されるもので、「経済産業大臣賞」は、産業技術の発展に著しく貢献した個人、団体に与えられます。
受賞名 | 第22回(2022年度)GSC賞「経済産業大臣賞」 | |
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業績テーマ名 | バイオ由来C5イソシアネートおよびその誘導体を用いたポリウレタンの実用化 | |
受賞者 | 三井化学株式会社 | 新事業開発センター マーケティング&イノベーション推進室 室長 山崎 聡 |
研究開発本部 合成化学品研究所 ウレタン材料設計G 主任研究員 中川 俊彦 | ||
研究開発本部 合成化学品研究所 ウレタン材料設計G 主任研究員 薄井 裕太 | ||
研究開発本部 合成化学品研究所 光学機能設計G チームリーダー 龍 昭憲 | ||
天津天寰ポリウレタン有限公司 | UR事業部 事業部長 森田 広一 |
写真:授賞式の様子
(左から薄井 裕太、中川 俊彦、山崎 聡、龍 昭憲)
受賞研究の背景と概要
当社は2050年までのカーボンニュートラルの実現を重要な経営課題として掲げ、自社および製品提供を通じた社会のCO2排出削減に取り組んでいます。特に、バイオマスの活用およびリサイクルを推進できる新たな技術開発は重要な方策と位置付けております。その中でもリサイクルが難しい熱硬化性樹脂において、ポリウレタン原料のバイオマス化の研究開発を進めてきた結果、植物資源を由来とする炭素数5の新規なイソシアネートモノマーである1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(スタビオ®PDI®(STABiO®PDI®))を創製致しました。
さらに、スタビオ®PDI® から誘導されるポリイソシアネートおよびそれらを用いたポリウレタンを開発し、グローバル市場にてエネルギー、モビリティならびに医療・ヘルスケア領域において、環境負荷を低減しつつ人々の快適性の向上を向上する製品を実用化致しました。
本技術の特徴
スタビオ®PDI®は、化石資源への依存度を低減した新規なバイオイソシアネートです。本イソシアネートをもとに開発したイソシアネート系硬化剤は従来の化石資源を利用した系よりも、硬化時間の短縮や低い温度での硬化反応が可能であるうえ、耐薬品性が向上するため、ポリウレタン製品の省資源および省エネルギーを実現致しました。これらの特長を活かして、エネルギー領域では、シリコン系太陽電池のコーティング材料として、モビリティ領域では、車両重量の低減に貢献する構造接着剤の硬化剤として採用されております。
医療・ヘルスケア領域では、眼科手術医のための精巧な手術訓練用シミュレーター(Bionic-EyE™)や、環境ニーズに対応すべくバイオマス認定を取得した高屈折率のメガネレンズ材料(Do Green™ MR-160DG™)を実用化致しました。
参考
以上