COTEC™ GmbHとCADIS Engineering GmbHが車載ディスプレイ向け撥水性コーティング用のデジタルプリンターを共同開発
~ビジョンケア分野の技術・知見を活かし、コーティング材料の用途拡大へ~
2024.03.14
三井化学株式会社
三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修、以下「当社」)は、グループ会社であるSDC Technologies, Inc.(本社:米国、CEO:Richard Chang、以下「SDC」)の子会社COTEC™ GmbH(本社:ドイツ、CEO:Alexander Brand、以下「COTEC™(コーテック)」)が、CADIS Engineering GmbH(本社:ドイツ、CEO:Rainer Kötzer / Markus Gersdorfft、以下「CADIS」)と、革新的な車載ディスプレイパネル向け撥水性コーティング用のデジタルプリンター(以下、本プリンター)を共同開発したことをお知らせいたします。
COTEC™の超撥水コーティング材はメガネレンズなどに用いられており、高い撥水性と共にコーティング面の指紋、皮脂、汚れなどを簡単に拭きとることができる清潔性と鮮明な視界維持に貢献しています。本プリンターは、COTEC™が持つその超撥水コーティング技術とCADISのデジタルプリント機器の専門的な知見を組み合わせることで、現在、真空蒸着装置等を用いたバッチ生産が主流な車載ディスプレイ向けの撥水コーティングを、常圧環境での連続生産を可能とする画期的な技術です。
本プリンターの特徴
- 車載ディスプレイの生産性向上
スピーディーなコーティングを可能とし、既存の生産ラインへの組込みが容易 - 内装設計自由度の拡大
インクジェット技術により、大型あるいは複雑形状ディスプレイへの高精度なコーティングが可能 - 製造工程における低環境負荷
常圧環境下での印刷により、エネルギー消費量の削減。また、コーティング範囲を無駄なく高精度に制御する技術により、材料消費量の削減、洗浄や研磨工程の省略などコスト削減のみならず、環境に配慮した工程を実現
2023年3Qには欧州の大手自動車部品サプライヤーでの実証検証を終えており、今後は本格採用に向けた取り組みをスピードアップしてまいります。
当社は、メガネレンズ材料のリーディングカンパニーとして、高屈折率レンズ材料MR™シリーズをはじめとした様々な屈折率や特性の材料を世界中のレンズメーカーに提供しています。そして、メガネレンズに欠かせないコーティング材料分野では、2008年にSDCを買収して以降、2010年には防曇コート材に強みをもつFSI Coating Technologies、2014年にはUV硬化型ハードコート材のLTI Coating Technologies(2017年にSDCが吸収合併)、2020年には、超撥水・反射防止コート材をもつCOTEC™、2022年にはメガネレンズ加工機器の開発・製造・販売を行うCOBURNをグループに加え、メガネレンズの長寿命化や高機能化に貢献する製品のラインナップを拡充しています。また、その培ったコーティング材料の技術・知見を活かし、自動車、建築、光学機器、医療分野等へ高付加価値でサステナブルな製品をグローバルに提供してまいります。
(参考リリース)
・ SDC SDC's subsidiary COTEC™ Hydrophobic Printer (sdctech.com)
会社概要
SDC
1986年設立。
主な事業内容は、耐擦傷、防曇、超撥水・反射防止コート材およびコーティング機器の製造・販売・研究。
2008年に当社100%子会社化。
COTEC™
1997年設立。
主な事業内容は、超撥水コート材、反射防止コート材及びプロセス装置の製造・販売・研究。
2020年にSDC社の100%子会社化。
CADIS
2016年設立。
産業用インクジェットシステムを自動車、包装、医薬品業界など向けに製造・販売。インクジェット印刷やデジタル印刷機器向けの特殊機械の開発・製造・販売