三井化学と三菱ケミカルがフェノール関連製品の安定供給に向けた共同検討を開始
2025.01.17
三井化学株式会社
三菱ケミカル株式会社
三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修、以下「三井化学」)および三菱ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:下平 靖雄・福田 信夫、以下「三菱ケミカル」)は、フェノール関連製品の安定供給に向けた共同検討を開始しました。
フェノール関連製品には、フェノール、アセトン、アルファメチルスチレン、ビスフェノールAおよびメチルイソブチルケトンが含まれます。これらの製品は、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、MMA、エポキシ樹脂、塗料などの原料として幅広い領域で使用され、日本の経済安全保障上も重要な素材です。しかし、2022年以降、中国を中心としたアジアでの新設備稼働に伴う大幅な供給過多による市況低迷や、国内需要の縮小などの影響を受け、フェノール関連製品の事業環境は厳しくなっています。
三井化学は、2024年4月、市原工場(千葉県市原市)のフェノールプラント(年産能力19万トン)について、生産を維持するための収益確保が困難と判断し、前倒しも視野に2026年度までに停止することを自社判断として既に決定しています。今後は大阪工場(大阪府高石市)のフェノールプラント(年産能力20万トン)を軸に、安定した製品供給を継続するために、資本効率性が高く、安定収益を上げることのできるフェノールチェーン形成を目指しています。
三菱ケミカルは、茨城事業所(茨城県神栖市)にフェノールプラント(年産能力28万トン)を有し、ビスフェノールAなどの誘導品を展開しています。2024年3月に九州事業所(福岡県北九州市)のビスフェノールAプラント(年産能力12万トン)を自社判断で停止するなど、現在、あらゆる合理化施策を行いながら、事業の競争力強化に取り組んでいます。
かかる状況下、両社は、会社の枠を超えてフェノール関連製品の供給安定性を向上させる各種施策を実行し、GHG排出量削減にも寄与することで、今後もお客様の価値創造に貢献していくことが重要との共通認識に至りました。具体的には、各社の定期修理期間中やトラブル発生時の製品供給対応、両社タンクの効率的な運用、および物流の合理化によるGHG削減などについて、共同で検討してまいります。
本検討は、必要に応じ競争当局を含む関係各所の確認を取りながら進めていきます。両社は、外部環境の変化に柔軟に対応しつつ、フェノール関連製品の安定供給に努めてまいります。
以上