三井化学、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業における提携の推進及び統合・再編に向けた分社化の検討開始について
2025.05.30
三井化学株式会社
三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修)は、この度、石油化学事業を主体とするベーシック&グリーン・マテリアルズ事業(以下、「B&GM」)について、より強靭な事業構造に転換しグリーン化を推進するため、他社との提携推進及び統合・再編に向けて、分社化の検討を開始することと致しました。
1.分社化検討の背景
当社グループでは、長期経営計画VISION 2030の基本戦略における事業ポートフォリオ変革加速のため、業界構造・事業戦略・意思決定スピードの異なる成長領域(ライフ&ヘルスケア、モビリティ、ICT)とB&GM各々で、他社提携を含む戦略推進を進めています。
具体的には、成長領域は当社の強みが活かせる差別化分野を中心にM&A・提携を含む積極的な資源投下・新事業開発により高成長・高収益のグローバル・スペシャリティケミカル事業を、B&GMは再構築・高機能化・グリーン化により、日本の産業を支える強靭なグリーンケミカル事業を目指して取り組んでおります。
B&GMは、サプライチェーンの川上においては石油精製等エネルギーの安定化、川下においては自動車・半導体等他産業へのエッセンシャル素材の供給を通じ、日本の産業競争力・経済安全保障・カーボンニュートラル等の面で重要な役割を持つ事業領域です。
一方、B&GMを取り巻く事業環境は、海外での大型プラント新増設が続く一方、国内では人口減少等に伴う需要漸減等により、厳しい収益状況にあり、今後数年間この状況が継続する見通しであります。現在、ナフサクラッカーのダウンサイジング、フェノールやポリオレフィンを始めとした誘導品の再構築・高機能化等に取り組んでいるものの、更なる構造改善を進める必要があります。
B&GMが、国際競争力を持ち、かつ日本の産業を支える強靭なグリーンケミカル事業として自走していくには、同じ事業・方向性を有する他社と提携を推進し、さらには経営資源を統合することにより、人財・技術・競争力・事業基盤等の面で、ともに強靭な事業体を実現して行く必要があると判断しました。
2.分社化検討の内容
(1)事業の範囲
現在のB&GMの下記事業をベースに、今後詳細を検討してまいります。
- フェノール事業、インダストリアルケミカルズ事業、サステナブル・フィードストックス事業、ライセンス事業、プライムポリマー、ポリウレタン事業
(2)目指す姿
他社との提携を推進し、さらには統合・再編により、自走できる強靭な事業体となり、かつ日本を代表するベーシック&グリーンマテリアルカンパニーへ転換し、次の目標の実現を目指します。
- グリーンケミカルの推進
- 高機能化によるお客様のニーズ、人々の暮らしへの貢献
- 海外輸入品に対抗できる競争力・製品開発力の強化
- 経済安全保障等への貢献
(3)スケジュール等
可能な限り早期に目指す姿の実現に努めますが、2027年近傍にはB&GMを分社化し、統合・再編の核となる事業体を設立する予定です。石油化学事業に特化した経営と迅速な意思決定、自社キャッシュフローによるグリーン化投資等を実行し、統合・再編のスムーズな推進につなげてまいります。
以上