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サーキュラーエコノミーに向けて

気候変動対応方針

パリ協定で掲げられた世界共通の長期目標の達成には、社会全体でのカーボンニュートラルの実現が不可避であり、脱炭素社会に向けた取り組み(緩和)の加速が求められています。また、気候変動により引き起こされる自然災害の激甚化等の環境変化への適応も望まれています。
三井化学グループは、気候変動を最優先課題と考え、2019年に気候変動対応方針を策定、公表しました。

三井化学グループ 気候変動対応方針

三井化学グループは、気候変動対応を最優先課題と考え、グローバルバリューチェーンでの協働・共創を推進してまいります。

緩和

GHG削減推進による
低炭素社会の実現

機会・リスク
製造における低炭素化
  • 省エネ、再生エネルギー
  • 原料・燃料転換
製品によるGHG削減
  • Blue Value® 製品
リサイクル技術向上
  • 素材・デザインの革新
バリューチェーンによる貢献最大化

適応

気候変動リスクに強い
健康・安心な社会の実現

機会・リスク
水セキュリティ強化
  • 生産拠点のリスク対応
  • 水資源の有効活用
適応製品群の拡大
  • Rose Value® 製品
バリューチェーンのレジリエンス強化

気候変動 緩和策:GHG削減推進による低炭素社会の実現

三井化学グループは、気候変動の進行を緩和する策としてGHG削減を推進します。当社グループは、自社におけるGHG排出量の削減を進めるともに、製品・サービスを通じたバリューチェーン全体での脱炭素化に取り組み、2050年のカーボンニュートラルを目指します。2020年度に策定したカーボンニュートラル戦略にも本方針を織り込み、具体的な取り組みを進めています。

製造における低炭素化

化学製品は主に化石由来の原料を使用しており、高温での化学反応を伴う製造工程や、蒸気・電気を作る用役設備の燃料燃焼時に、多くのGHGを排出しています。これからの化学製品の製造においては、高性能触媒の使用や省エネ機器の導入などによる製造エネルギーの削減、再生可能エネルギーの積極利用、さらに低炭素な原料・燃料への転換など様々な施策の積み重ねにより、大幅なGHG削減に貢献できると考えています。

製品によるGHG削減

化学製品は、原材料調達や製造といった当社グループが直接関わる工程だけでなく、間接的に関わる中間加工、最終製品の使用そして廃棄に至るまでの様々なライフステージに関わっています。
当社グループでは、環境貢献価値を有する製品をBlue Value®製品として認定しており、「CO2を減らす」を貢献要素の1つとして、製品ライフサイクル全体におけるGHG削減効果を評価しています。Blue Value®製品の拡大を通じて社会全体のGHG削減に貢献していきます。

リサイクル技術向上

リサイクルによる資源循環の促進は、化石原料・燃料の削減といった資源の有効活用だけでなく、廃プラスチックの再資源化による廃棄物の削減や、バリューチェーン全体を通じたGHG排出量の削減にも貢献できると考えています。当社グループはリサイクル戦略のもと、化学技術を利用した廃プラスチックのケミカルリサイクルやマテリアルリサイクル、包装材料のモノマテリアル化などの技術を磨き、社会実装を目指しています。

気候変動 適応策:気候変動リスクに強い健康・安心な社会の実現

三井化学グループは、気候変動による環境変化に適応する策として、適切なリスク評価や適応製品の拡大など、バリューチェーン全体のレジリエンスを強化し、レジリエントな事業・社会の構築に向け取り組みます。

水セキュリティ強化

気候変動にともなう温暖化の進行により気象現象が大きく変化し、風水害および干害が増加すると予測されています。また、人口増加や経済発展により大規模な水不足の発生も懸念されています。化学製品の製造には、加熱・冷却や製品の精製などに多くの水を必要とするため、利用可能な水量、水質の変化が事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは世界各地域に生産拠点を有していることから、各地域に即したリスク評価を行い、物理的リスクや人的リスクの最小化に向け対策を進めています。

適応製品群の拡大

気候変動にともなう温暖化は、人々の健康や暮らし、農作物や生態系に大きな影響を与えることが予想されています。当社グループでは、「くらしと社会を豊かにする」、「健康寿命を延ばす」、そして「食を守る」など、QOL向上に貢献する製品をRose Value®製品と認定しています。感染症の予防・対策やまちの防災・減災等の社会課題解決につながるRose Value®製品の拡大を通じて、気候変動リスクに強く、環境変化に適応可能な、健康・安心な社会の実現を目指します。