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サーキュラーエコノミーに向けて

バイオマス戦略・リサイクル戦略TCFD
バイオマス戦略・リサイクル戦略TCFD

三井化学グループは、当社グループの主要製品であるプラスチックについてサプライチェーン全体を視野に入れバイオマス戦略、リサイクル戦略に注力しています。これら2つの戦略とプラスチックごみ問題への対応を通して資源循環を促進し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していきます。

バイオマス戦略・リサイクル戦略

バイオマス戦略:バイオマスプラスチック製品群の拡充

二酸化炭素を吸収し成長した動植物を原料とするバイオマスプラスチックは、従来の化石原料由来プラスチックの代替として大きな注目を集めています。当社グループは、バイオマス原料への転換は新たな化石資源の使用を抑制すると同時に資源循環を促進することから気候変動の緩和策となると考え、バイオマスプラスチック製品群の拡充を図っています。

マスバランス方式

三井化学は、化石原料由来とバイオマス由来のナフサを製造工程で混ぜることにより、バイオマス化学品・プラスチックを製造しています。これら製品は、化石原料とバイオマス原料の混合物になりますが、製造時のバイオマス原料使用分を特定の製品にのみ割り当て、顧客に提供しています。この手法をマスバランス方式といいます。本手法を用いることにより、投入したバイオマス由来の原料の量に応じて、できあがった製品の一部を「100%バイオマス由来」と見なすことができ、顧客の多様なバイオマス製品ニーズに応えることが可能となります。当社は、マスバランス方式の信頼性を担保するため、第三者による認証(ISCC PLUS認証)を取得し、適切に管理・運用しています。当社グループは、この手法がバイオマス製品だけでなく、ケミカルリサイクル製品群の拡充を推進するスキームとしても、重要な役割を果たしていくものと考えています。

マスバランス方式の認証体制

リサイクル戦略:プラスチック資源リサイクルの推進

資源の枯渇や、プラスチックごみ問題などの廃棄物の管理に関する社会課題が深刻化する中、三井化学グループは、廃プラスチック等を資源と捉え、有効活用していく取り組みを進めています。リサイクルによる資源循環の促進は、化石原料・燃料の削減といった資源の有効活用だけでなく、廃プラスチックの再資源化による廃棄物の削減や、バリューチェーン全体を通じたGHG排出量の削減にも貢献できると考えています。廃プラスチックのケミカルリサイクルやマテリアルリサイクル、包装材料のモノマテリアル化に加え、スタートアップ企業の支援など、新素材、リサイクルシステム、バリューチェーンの開発を通じて、循環経済の輪を大きく、太くしていきます。

素材の素材から世界を刷新。リジェネラティブなライフスタイルを実現するBePLAYER®、RePLAYER®

カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー社会の実現に向けては大きな社会変革が必要です。三井化学グループは人々の生活基盤を支える素材メーカーです。だからこそ当社グループには人々のライフスタイルを根幹から変えていける可能性があります。その強みと存在意義を認識し、グループ横断的に広く社会にソリューションを提供していく責任があります。その責任を果たすためには、積極的な発信を継続し、社会からカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに関する総合的なソリューション企業として認知されることも重要です。そこで当社グループは、「素材の素材まで考える」/「世界を素から変えていく」をキーメッセージに、バイオマスでカーボンニュートラルに貢献する「BePLAYER®」(ビープレイヤー)」と、リサイクルでサーキュラーエコノミーに貢献する「RePLAYER®(リプレイヤー)」の2つのブランドを立ち上げました。再生可能資源の活用とストック資源の管理を目指すこれら2つのソリューションブランドを両輪で進めていくことで、複合的かつ複雑な社会課題を解決し、サステナブルを超えたリジェネラティブ(再生的)なライフスタイルを素材から提供していくことを目指します。
振り返ると三井化学の歴史は原料転換の歴史でもあります。1912年に石炭コークスの副生ガスから化学肥料製造を開始したことを皮切りに、ガス、石油ナフサを原料とした化学事業へと原料転換を実現させながら事業を拡大してきました。そして今まさにバイオマスやリサイクル資源を原料とした化学事業への転換の時にあると言えます。2つのブランドを社会とのコミュニケーションの軸として、再びの原料転換を成し遂げることでカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー社会の実現に貢献するとともに、さらなる成長を目指していきます。

プラスチックごみ問題

プラスチックごみ問題は、不適切な廃棄物管理によりプラスチックが資源循環から外れ、海洋に流出してしまうことに起因しています。最も大切なことは、河川や海にプラスチックを流出させないことです。流出を抑止するには、プラスチックに関わるバリューチェーンが一体となって対策を実施する必要があります。

当社グループは、国際的なアライアンスであるAlliance to End Plastic Waste(AEPW)や、国内アライアンスであるクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)などに参画して、プラスチック廃棄物管理やリサイクル促進に向けた取り組みを進めています。

2019年に発足、化学、プラスチック加工、小売り、廃棄物管理など、プラスチックのサプライチェーンに携わる世界各国の企業が参加しています。プラスチックごみの削減に対し、廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発活動、清掃活動の4つの分野において、2024年までに総額15億米ドルを投じ、持続可能な社会への貢献を目指しています。

 

三井化学、Alliance to End Plastic Wasteに参加

CLOMA
AEPW東京サミット(2023年9月)パネルディスカッションの様子 AEPW東京サミット(2023年9月)パネルディスカッションの様子

2019年1月、業種を超えた幅広い関係者の連携を強め、イノベーションを加速するためのプラットフォームとして設立されました。これまで、会員間の技術情報共有や、マッチング機会の提供といった活動を実施し、2020年5月には「CLOMAアクションプラン」として、2030年に容器包装リサイクル率60%、2050年にはプラスチック製品リサイクル率100%という目標を掲げ、現在は具体的な方策や実証テストの計画などを検討しています。

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