人材マネジメント
ダイバーシティ

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当社グループは、社会と当社グループの持続可能な成長のためにダイバーシティが必須であるとの考えから、ダイバーシティをコアバリュー※のひとつに位置づけています。ダイバーシティの推進は重要な経営戦略のひとつです。多様な人材による多様な発想は、持続的成長の基盤となるイノベーションの源泉であると考えています。また、三井化学グループ人権方針に掲げる人種、出身国、出身地域、社会的出身、出身階級、家系、宗教、障害、年齢、性別、性的指向、性自認、家庭環境、婚姻の有無、組合加入、政治的見解、その他の差異に基づく差別の禁止を念頭に、多様化する社員のキャリア意識や働き方に対する価値観の変化に対応すべく取り組むことで、コアバリューの具現化を目指しています。
※コアバリュー:
三井化学グループの全従業員の間で等しく共有し大切にする価値観「Diversity」「Challenge」「One Team」
ダイバーシティ推進体制
当社グループでは、2006年度に経営指⽰により⼥性活躍推進チームを結成し、⼥性管理職育成や⼥性が働きやすい就業環境の整備を⾏ってきました。
2015年度には、⼥性活躍推進法の成⽴を受け⼥性の採⽤、育成、登⽤にさらに⼒を⼊れることを⽬的に⼈事部にダイバーシティ推進室を組織しました。
2016年度には⼥性の活躍だけでなく、社内のマイノリティ全般の活躍を所管し⽀援する部⾨となり、2019年度には部署名をダイバーシティ&インクルージョングループに変更し、⼈事部・グローバル⼈材部担当役員および⼈事部⻑のもとで活動しています。
女性社員の活躍推進
当社グループでは、2006年の「女性活躍推進チーム」設置以前より、女性社員のプラントへの配属や、女性総合職の採用など、女性の力を積極的に事業に活かす努力をしてきました。過去10年間、女性が働き続けられる風土の醸成にも力を入れ、着実な前進を遂げています。しかし、女性の採用比率が年ごとにばらつきがあることや、技術系女性の応募者数・採用数が少ないこと、女性管理職比率が低いことは課題であると考えています。
2025長期経営目標では、女性管理職(課長級以上)比率10%以上(三井化学籍社員)を掲げています。現状で低い数字となっているのは、全社員に占める女性の比率が少ないことが一因です。採用においては、技術系総合職、事務系総合職、一般職(主に工場オペレーター)それぞれで状況が異なるため、各定期採用について女性比率の目標値を定めて取り組んでいます。
*本サイトに掲載している定期採用実績は、その年度に入社した社員を集計したものです。よって、次年度の入社予定の社員数を集計している「第三期女性活躍推進に関する行動計画」で示すデータとは数値が異なります。
女性活躍に向けたトップメッセージ
三井化学は事業ポートフォリオ変革によるビジネスモデルの転換を目指しています。消費者に近い市場へのアプローチには多様な価値観や感性に対する理解が求められるため、多様な人材が個性を失うことなく活躍できることが必要であり、女性の活躍の場は広がると考えています。また、従来からあったテレワーク制度がコロナ禍で積極的に利用されるようになっていることにより、育児や介護等の事情がある人にもより働きやすい環境が整ってきています。これは、女性の登用の門戸が広がるきっかけにもなると考えています。これからも有能な人材の採用・登用を促す施策に取り組んでいきます。
代表取締役 社長執行役員CEO 橋本 修
社外取締役メッセージ
女性を含めた多様な人材が活躍する企業であることは三井化学グループの企業価値向上に必須であると思います。そのためにも、経営課題としてより優先度を上げて取り組んでいくべきだと思っています。
ステークホルダー代表の社外取締役として経営の方向性を注視、助言していきます。
社外取締役 黒田 由貴子
*三井化学では取締役会の多様性を確保する目的で、2006年より女性の取締役を1名以上置くよう努めています。
女性社員比率(三井化学籍社員)

定期採用の女性比率(三井化学籍社員)
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 目標 | |
---|---|---|---|---|
事務系総合職 | 46% | 47% | 52% | 40% |
技術系総合職 | 11% | 16% | 16% | 20% |
一般職 | 3.2% | 5.0% | 11.4% | 7% |
外国籍社員の活躍推進
当社は、日本で働く外国籍社員の採用を2005年に本格的に開始しました。
国内で働く外国籍社員に対し、専用の相談窓口を設け、仕事と生活を支援するとともに、外国籍社員も働きやすい会社の実現と優秀な人材の確保を目指しています。
外国籍社員への支援の具体例
- 日本語学習支援
- ビザ手続き支援
- 日常の問い合わせ対応(人事制度、施策、社則に関する問い合わせ)
- 日本で就労するにあたり必要な情報発信(英語、日本語)
- インクルージョン勉強会実施(異文化理解促進)
- 人事申請関連マニュアル英文版の整備
- 外国籍社員職業生活相談への対応(各事業所に担当者を配置して実施)
外国籍(日本国籍外)社員数(三井化学籍社員)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|
55人 | 57人 | 54人 | 54人 |
障害者社員の活躍推進
当社は、障害者雇用にあたって、法定雇用率の達成にとどまらず、障害者の方が組織の一員としての実感を持ち、スキルを積みながら生き生きと活躍できることを目指しています。
配属時には、配属する職場の業務内容だけでなく、環境やメンバーといった要素も考慮し、職場に人を合わせるのではなく、その人に合った職場への配属を心掛けています。受入職場に対しては「障害理解教育」を実施するとともに、採用後一定期間の「インキュベーション期間」(環境への適応・習熟支援期間)を設け、それぞれの障害特性にあわせてスムーズに業務を開始してもらうための工夫を行っています。また、定着支援を目的とした定期的な面談を行い、障害を持つ方と上司、双方から働く上での悩みや困りごとを聞き取ることで職場環境や働き方の改善に活かし、安心して働けるよう努めています。
さらに、語学やOAスキル等の業務遂行に役立つ学習に補助金を出し支援しており、個人の特性に合わせたスキルアップをサポートしています。また、障害者だけでなく、様々な個性・特性を持つ人々や病気治療を受けながら働く人を受け入れる組織風土の醸成を目的とした「インクルージョン勉強会」を開催しています。この勉強会では、性的マイノリティについて学んだり、障害や病気を抱える社員が講師となり障害や自身の経験について語る場を設けたりしています。
2019年10月には、The Valuable 500の加盟文書に署名しました。The Valuable 500は、世界経済フォーラム年次総会において発足した、障害者の活躍推進に取り組むイニシアチブです。障害者がビジネス、社会、経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるような改革をビジネスリーダーが起こすことを目的としています。
従業員の声
働きやすい職場
三井化学に入社して驚いたのは、上下・役職問わず職場の方と話がしやすいということです。皆さん分け隔てなく接して下さるので、わからないことも安心して聞くことができます。 私は現在入社4年目で、事務補助業務を行っています。急な状況の変化に対応するのが不得手ですが、定型的・長期的に観測する集計作業等を切り出していただいているので、落ち着いて業務ができます。業務量に余裕があるため、体調がよいときは些細な業務改善、たとえば使いやすいテンプレートの作成や既存の資料を読みやすく修正する等の作業を行っています。職場のちょっとした“これがあると/できるといいな”のニーズに応えられる社員になりたいと思っています。
2017年度入社(発達障害)
定年退職社員の活躍推進
事業拡大と大量採用世代の退職に伴う人員不足に対応し、また定年後も高い就労意欲を持った社員を活用するため、定年退職者のうち希望する者に対しては再雇用制度による就労継続を要請し、経験豊富なシニア人材の活用を進めています。2018年度より、再雇用時の報酬条件の改善を行い、就業継続希望者の拡大を目指しています。
定年退職者再雇用率(三井化学籍社員)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|
81.3% | 76.7% | 87.6% | 85.5% |
LGBTへの対応
2017年度には全事業所のハラスメント窓口の担当者を集め、弁護士を招き人事担当者が知っておくべきLGBT知識に関する勉強会を実施しました。また、全社員が受講する法令順守教育(e-ラーニング)の「ハラスメント」講座にセクハラ、パワハラに加え、性的指向による差別や嫌がらせの禁止を盛り込みました。2018年度からは「新任ライン長研修」に「ダイバーシティセミナー」を設け、SOGI(Sexual Orientation Gender Identity)ハラスメントや部下から相談を受けた際にライン長が取るべき行動について教育をしています。2020年度からは新入社員教育の中でもLGBTへの理解促進やSOGIハラについて触れ、LGBTに関わる基礎を学べる冊子を研修参加者全員に配布しています。
また、任意参加のイベントとして2019年度には同性愛者をテーマにした映画※の上映会を行い、参加者からは「LGBTについて改めて考える良い機会となった」「身近な存在であることを実感できた」などの意見がありました。
※上映映画:
「パレードへようこそ(原題:PRIDE)」 配給会社:セテラ・インターナショナル
異文化理解促進
2014年度から多文化チームの運営のためスキルを学ぶことを目的とする「グローバルビジネススキル研修」を行っています。この研修は、海外赴任予定者や海外事業に従事する者のうち、多文化チームのマネジメントや多様な背景を持つ相手との交渉等、海外と深く関わる業務に従事する者を対象にしており、毎年約30名が受講しています。ビジネス上のコミュニケーションをテーマとした具体的なケーススタディを通して各国・地域の人々の宗教・文化・考え方とその背景について学ぶことに加え、英語でのプレゼンテーション方法やミーティングのケーススタディなど語学力の向上にも力を入れた研修です。また、2019年度は外部講師を招いて異文化交流を学ぶ任意参加のセミナーを開催し、異文化コミュニケーションを楽しむコツやヒントについて学びました。
ダイバーシティ推進に関連する研修、講演会
新任ライン長研修でのダイバーシティセミナー
新たに部下を持つライン長に任命された全員が参加する「新任ライン長研修」はライン長としての役割や必要なスキルを学び、職務意識の醸成を行います。その中で、ダイバーシティマネジメントについて約2時間かけて教育しています。プログラムは以下の3つからなります。
①なぜ組織にダイバーシティが必要なのか
②ダイバーシティを阻むもの(アンコンシャスバイアス)
③ハラスメント(グループワークも実施)
①では社会情勢や著名な経営者の発言なども交えながら説明します。特に女性の活躍は組織のダイバーシティを進める上での試金石であることや、意思決定層の女性を増やすことの重要性について説明します。②では文献などにある事例を紹介し具体的なアンコンシャスバイアスをイメージしてもらいます。また、本研修と合わせて、e-ラーニングも実施し、多くの受講者が「自分で思っていたよりもアンコンシャスバイアスを持っていた」という気づきを得ています。③では職場で起こり得るハラスメントの説明を行い、SOGIハラとパタハラについては具体的事例について上司としてどのように対応するべきかをグループで話し合ってもらっています。


大牟田工場、大阪工場での研修
生産技術系総合職の働き方改革
当社では工場の生産技術系人材として女性を積極的に採用していますが、エンジニアとしての仕事と家庭の両立には課題があります。昨今共働き世帯が増える中、この課題は女性だけではなく男性も含めた若手社員全般の課題であると言えます。このため、女性だけでなく男性の生産技術系若手社員も対象として、多様な人材が活躍できる働き方やキャリアの積み方を検討する研修を実施しました。この研修は同様の課題を抱える同業の住友化学株式会社様と合同で行いました。

女性オペレーター活躍支援
当社は1992年から四半世紀にわたり、製造現場のオペレーターとして女性を採用し、今後さらに工場での女性活躍を推進していきます。2016年度は国内全工場でライン管理者を対象とし、女性活躍推進の社会的背景、企業や組織、個人がすべきこと、当社の目的と行動計画について説明を実施しました。2017年度には、初めて女性オペレーターを受け入れる職場に対し、女性活躍推進と女性部下のマネジメントをテーマとする研修を実施しました。また、2019年度は全国の工場で働く女性オペレーターを本社に集め、キャリア意識の醸成やネットワーク作りを目的にした研修を実施しました。

女性のキャリアと健康
女性も長く働くことが当たり前になりましたが、女性には妊娠、出産や、更年期障害、女性に特有の病気など、働くことに困難を感じる時期もあります。それらを事前に知って予防することや、自身の体調変化とうまく付き合いながら働き続けることを目的として、2017年度より「女性のキャリアと健康」と題した講演会を実施しています。2017年度には、婦人科医を招き、若手女性向け、ベテラン女性向けにそれぞれ、体調管理と更年期障害をテーマに開催しました。2018年度は女性特有のがんをテーマに、婦人科医を招き婦人科系のがん検診について学び、また、罹患した社員の経験談を聞く機会を設けました。2019年度は本社にて当社産業医が総合検診結果の見方について講義を行い、コレステロール、肝機能、糖質などの項目について健康を維持するための生活上の注意点を学びました。この講義はウェブ会議システムを通じて他事業所にも配信し、学びの機会を提供しました。
女性登用を目的とした社外研修への派遣
当社は、管理職任用を目指す女性を対象としたマネジメント能力やモチベーションの向上を図る社外研修や、部長職候補の女性を対象とした経営学習得や社外ネットワーク構築を目的とした社外研修に毎年10~20名程度を派遣しています。社外の同クラスの女性ビジネスパーソンとの交流を通じ、ロールモデルとの出会いや自身のキャリアに対する意識の変革につながっています。
参加者の声
異業種の女性管理職と共にマネジメントやリーダーシップを学ぶ
経団連主催の「女性管理職ステップアップ支援講座」に参加しました。4か月間にわたって開催され、毎回、講義のあとに、グループ討議・発表を行いました。「世界情勢からみたビジネス環境の在り方」、「成果を出すチームを作るためのリーダーとしての心構え」、「戦略的課題に取り組むときのアクションプランの立て方」等、いずれも実践的なテーマであり、今の自分に必要なスキルを学ぶ好機になりました。何より、同じようなライフステージを迎える異業種の女性の方々と課題に取り組んだことで、様々な価値観を知り新たな気付きを得て、大変に貴重な機会となりました。そして自分の考えを伝える大切さも改めて学びました。この研修への参加を通じて、今後も情報交換できる人脈ができたことに心から感謝しています。

2019年度実績(延べ参加人数:計835人)
テーマ | 講師 | 対象 |
---|---|---|
女性のキャリアと健康 | 当社産業医 | 従業員 |
働く女性の健康 | 社外有識者 | 工場オペレーター女性 |
不妊治療の知識 | 社外有識者 | 人事およびハラスメント窓口担当者 |
女性活躍 | ダイバーシティ担当者 | 管理社員(課長級) |
SAP | 社員 | 派遣社員 |
工場オペレーターのキャリア意識の醸成 | 社外有識者 | 工場オペレーター女性 |
働き方改革と女性活躍 | 当社役員 | 従業員 |
生産技術職の働き方改革 | 社外有識者 | 従業員 |
働き方改革 | 社外有識者 | 従業員 |
残業 | 社外有識者 | 従業員 |
異文化コミュニケーション | 社外有識者 | 従業員 |
LGBT理解(映画上映) | ─ | 従業員 |
世代間ギャップ | 社外有識者 | 従業員 |
アンガーマネジメント | 社外有識者 | 従業員 |
発達障害、うつ | 社外有識者 | 従業員 |
多様な障害 | 社外有識者 | 従業員 |
各種能力開発(PCスキル、語学等) | 社外有識者 | 障害者の従業員 |
2018年度実績(延べ参加人数:計539人)
テーマ | 講師 | 対象 |
---|---|---|
クローン病 | 社員 | 従業員 |
LGBT | 社外有識者 | 従業員 |
介護 | 社外有識者 | ライン管理者 |
介護 | 社外有識者 | 従業員 |
育児休業 | 社外有識者 | 従業員 |
女性のキャリアと健康 | 社外有識者 | 従業員 |
がん | 社外有識者 | 従業員 |
男女間のコミュニケーション | 社外有識者 | 従業員 |
女性活躍 | ダイバーシティ担当者 | 管理社員(課長級) |
業務効率化 | 社外有識者 | 一般社員 |
各種能力開発(PCスキル、語学等) | 社外有識者 | 障害者の従業員 |