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人材マネジメント

ダイバーシティ

ダイバーシティ

三井化学グループは、ダイバーシティの推進は社会的責任を果たすためだけでなく、当社グループの持続可能な成長のためにも必須であるとの考えから、ダイバーシティをコアバリューのひとつに位置づけています。多様な人材による多様な発想は、持続的継続に不可欠な能力であるイノベーションの源泉であり、ダイバーシティの推進は重要な経営戦略のひとつです。
また、三井化学グループ人権方針に掲げる人種、出身(国、出身地域、社会的出身、出身階級)、家系、宗教、障害、年齢、性別、性的指向、性自認、家庭環境、婚姻の有無、組合加入、政治的見解、その他の差異に基づく差別の禁止を念頭に、多様化する社員のキャリア意識や、働き方に対する価値観の変化に対応すべく各種のダイバーシティの推進施策に取り組んでいます。

ダイバーシティ推進体制

三井化学グループのダイバーシティ推進体制は、2006年度の女性活躍推進チームの結成からスタートしました。その後ダイバーシティの広がりにともない体制変更を続け、2019年度には社内のマイノリティ全般の活躍を所管し支援する部門として体制を強化しました。さらに2022年にはダイバーシティ・エクイティ&インクルージョングループという組織名に変更し、エクイティ(公平)を実現するための取り組みを進めています。
VISION 2030においては、執行役員多様化人数目標や女性管理職比率目標を設定しており、進捗や施策については経営会議に報告・承認をとることで経営層がダイバーシティ推進にコミットメントしています。

推進体制の遍歴

2006年女性管理職育成や女性が働きやすい就業環境の整備を目的とし、女性活躍推進チームが発足
2015年女性活躍推進法の成立を受け、女性の採用・育成・登用にさらに力を入れることを目的に、人事部にダイバーシティ推進室を設置
2016年ダイバーシティ推進室の所管・支援対象を女性から社内のマイノリティ全般に拡張
2019年インクルージョンの重要性の浸透を目的とし、組織名をダイバーシティ&インクルージョングループに変更
2022年エクイティ(公平性)への取り組みを重視・推進するため、組織名をダイバーシティ・エクイティ&インクルージョングループに変更

女性社員の活躍推進

三井化学グループでは、「女性活躍推進チーム」発足以前より、女性社員の工場への配属や、女性の技術系総合職の積極的な採用など、事業活動への女性の積極的な登用に向け取り組んできました。当該チーム発足以降、制度面の充実化を進め、女性が働き続けられる企業風土の醸成に注力した結果、育児をサポートする制度が足らないといった理由で離職する女性はほぼいないというところに達しています。
当社の女性活躍推進は第3フェーズに入っており、現在は意思決定層の女性を増やすことが最も大きな課題となっています。そのために女性社員のパイプラインを充足させる必要があり、候補者となる女性管理職を増やすためにも、全社の女性社員比率を上げる必要があります。そこで、当社は女性活躍推進に関する指標として、女性管理職比率と女性採用比率を掲げ、取り組みを進めています。

女性管理職比率の向上

当社における女性管理職比率の目標を短・中・長期で定め、取り組みを進めています。具体的には2023年度末までに7%、2025年度末までに10%、2030年度末までに15%に引き上げるという目標を掲げています。
これらの目標達成のためには、管理職を中心に、マネジメントやコミュニケーションにおけるダイバーシティに対する正しい理解促進をさらに深め、男性と比較すると低い傾向にある女性の課長職への登用率や登用スピードを、男女で揃えていくことが必要だと考えています。
そうした考えのもと、部長層や新任ライン長に対してアンコンシャスバイアスをテーマにした研修やワークを行うことで、育児期間中であっても、本人とのコミュニケーションの上でチャレンジの機会を与えることや、女性だけでなく育児期間中の男性にも適切な配慮が必要であるといった、正しい理解の浸透を進めています。その他にも、経営陣である人事担当役員や社外取締役による、女性活躍推進をテーマにした講演会の開催を実施しています。

女性採用比率の向上

女性社員比率の目標値について、総合職は2023年度、事務系40%以上、技術系25%以上を目標と定めています。新入社員の3割以上を女性にし、その比率を保持した人材パイプラインの構築を目指していきます。
また、基幹職は2023年10%という目標を掲げています。これは、主な採用対象の学科を履修した工業高校生や高専生の女性比率が1割程度であることから定めた目標値です。
これらの目標に向け採用活動において、女性にとって働きやすい環境であることや、活躍中の女性社員を積極的に紹介するなどしています。

*本サイトに掲載している定期採用実績は、その年度に入社した社員を集計したものです。よって、次年度の入社予定の社員数を集計している「第四期女性活躍推進に関する行動計画」で示すデータとは数値が異なります。

女性活躍に向けたトップメッセージ

三井化学は事業ポートフォリオ変革によるビジネスモデルの転換を目指しています。消費者に近い市場へのアプローチには多様な価値観や感性に対する理解が求められるため、多様な人材が個性を失うことなく活躍できることが必要であり、女性の活躍の場は広がると考えています。また、従来からあったテレワーク制度がコロナ禍で積極的に利用されるようになっていることにより、育児や介護等の事情がある人にもより働きやすい環境が整ってきています。これは、女性の登用の門戸が広がるきっかけにもなると考えています。これからも有能な人材の採用・登用を促す施策に取り組んでいきます。

代表取締役 社長執行役員CEO 橋本 修

社外取締役メッセージ

三井化学がビジネスモデル転換・事業ポートフォリオ変革を通じ持続可能な社会への貢献、価値創造を行っていくために、「イノベーション」「変革」の源泉となる「ダイバーシティ」推進は必須です。
コアバリューの柱でもある「Diversity(多様性)」の本質的な価値を社内に浸透させ、組織能力をさらに飛躍させる。女性活躍推進はその第一歩であり、身近にあって進捗を見える化・モニターできるいわば「リトマス試験紙」のようなものと考えています。
当社の持続的成長の要となるこの経営課題にどう取り組み、それが中長期的事業成果にどうつながっているか…。
社外取締役として引続き助言・監督していきます。

社外取締役 吉丸 由紀子

*三井化学では取締役会の多様性を確保する目的で、2006年より女性の取締役を1名以上置くよう努めています。

*役職等は掲載当時

女性社員比率(三井化学籍社員)

人材マネジメント体制

定期採用の女性比率(三井化学籍社員)

 2020年度2021年度2022年度2023年度
(目標)
事務系総合職50%47%52%40%以上
技術系総合職15%18%21%25%以上
基幹職
(主に工場オペレーター)
7%5%9%10%以上

TOPICs①

経営層からの発信と社員参加型の女性活躍推進

三井化学グループでは女性活躍推進に取り組む組織風土づくりにも力を入れています。
経営層のダイバーシティに対する考えを浸透させるための施策の一つとして、2022年度は第2回目の幹部対話を行い社内ポータルで周知しました。今回は、多様性とは何か、ジェンダー平等とは何かを議論するための課題本を使って議論を深め、イノベーションの源泉となるダイバーシティを進展させるには「もっと人の範疇にまで踏み込んで議論しよう」、マイノリティのインクルージョンには「周囲のサポートが大切」であると同時に「議論する強さを培おう」といったトップメッセージを発信しました。

経営層からの発信と社員参加型の女性活躍推進 写真左から、ライフ&ヘルスケアソリューション事業本部 副本部長 林田 博巳、生産・技術本部 生産・技術企画部 部長 松江 香織、代表取締役社長 橋本 修、機能性コンパウンド事業部 部長 中村 恒星

TOPICs②

ジェンダー意識に関する駄言イベントの開催

2022年度の国際女性デーは、社員から広く「駄言」を集めて三井化学駄言集を作成し、その内容について、幹部と女性マネージャーによる対談イベントを開催しました。
「駄言」とは、言った当人には悪気はないけれど、無意識の偏見・差別等からくる相手の能力や個性を考えない、相手の心をくじく言葉を指した造語であり、「早く絶版になってほしい #駄言辞典|日経xwoman」を参考にして当社版を制作しています。当社グループ内から募集したところ、多岐に渡る場面で発せられた駄言が集まりました。
イベントではジェンダー意識に関する駄言にフォーカスし、「三井化学駄言集を見ての感想」「何故、駄言は女性に向けられるのか」「どうすれば、駄言は撲滅できるのか」といったトークテーマで実施しました。

ジェンダー意識に関する駄言イベントの開催

外国籍社員の活躍推進

三井化学は、日本で働く外国籍(日本国籍外)社員の採用を2005年に本格的に開始しました。人種や国籍に関わらず個人の能力が最大限に発揮できるよう、日本で働く外国籍社員に対し専用の相談窓口を設け、仕事と生活を支援するとともに、外国籍社員も働きやすい会社の実現と優秀な人材の確保を目指しています。

外国籍社員への支援の具体例

  • 日本語学習支援
  • ビザ手続き支援
  • 日常の問い合わせ対応(人事制度、施策、就業規則等社則に関する問い合わせ)
  • 日本で就労するにあたり必要な情報発信(英語、日本語)
  • インクルージョン勉強会実施(異文化理解促進)
  • 人事申請関連マニュアル英文版の整備
  • 外国籍社員職業生活相談への対応(各事業所に担当者を配置して実施)

障害者社員の活躍推進

三井化学は障害者雇用にあたって、法定雇用率の達成にとどまらず、障害者の方が組織の一員としての実感を持ち、スキルを積みながら生き生きと活躍できることを目指しています。配属時には、配属する職場の業務内容だけでなく環境も考慮し、職場に人を合わせるのではなく、その人に合った職場への配属を心掛けています。そして受け入れ職場に対しては「障害理解教育」を実施するとともに、採用後一定期間の「インキュベーション期間」(環境への適応・習熟支援期間)を設け、それぞれの障害特性にあわせてスムーズに業務を開始してもらうための工夫を行っています。また、定着支援を目的とした定期的な面談を行い、障害を持つ方と上司、双方から働く上での悩みや困りごとを聞き取ることで職場環境や働き方の改善に活かし、安心して働けるよう努めています。
さらに、語学やOAスキル等の業務遂行に役立つ学習に補助金を出し支援しており、個人の特性に合わせたスキルアップをサポートしています。

イニシアティブへの参画

三井化学グループは2019年10月に、The Valuable 500の加盟文書に署名しました。The Valuable 500は、世界経済フォーラム年次総会において発足した、障害者の活躍推進に取り組むイニシアティブです。障害者がビジネス、社会、経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるような改革をビジネスリーダーが起こすことを目的としています。

The Valuable 500

障害者雇用比率(三井化学籍社員)

障害者雇用比率(三井化学籍社員)

従業員の声

「自分を磨くことのできる職場」

私の職場は、「業務を通じて自分自身の持つ強みを最大限に活かし、また自分自身に磨きをかけることのできる職場」だと感じています。社会人経験が無かったこともあり、入社当初は右も左も分からず、ただただ不安を抱えていましたが、周囲の方々に支えられて定着することが出来ました。
現在の業務は、経理業務の補助が主となっています。元々は理系の出身で、入社当初は会計のイロハも分かりませんでしたが、1年目より会計業務に携わり、座学だけでなく実務を重ねることで会計の知識を学ぶことが出来ました。そして、3年目にあたる2022年度には他社の方を交えたプロジェクト会議に参加できるようになり、業務に対するやりがいとともに、自分自身が業務を通して成長できていると感じています。
今後は、障害者雇用という枠組みに囚われず、向上心と積極性を持って業務に携わり、三井化学と共に自分も成長していきたいと思っています。

2020年度入社(発達障害)

定年退職社員の活躍推進

事業拡大と大量採用世代の退職にともなう人員不足に対応し、また定年後も高い就労意欲を持った社員を活用するため、定年退職者のうち希望する者に対しては再雇用制度による就労継続を推奨し、経験豊富なシニア人材の活用を進めています。2018年度より、再雇用時の報酬条件の改善を行い、就業継続希望者の拡大を目指しています。

定年退職者再雇用率(三井化学籍社員)

2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度
87.6%85.5%87.1%86.6%89.8%

LGBTQへの対応

三井化学グループ人権方針には、性的指向や性自認による差別を行わないことを謳っています。2021年に事業所横断プロジェクトを立ち上げて、当事者の働きやすさ向上の取り組み検討を開始し、現在の施策へとつながっています。初期のプロジェクトメンバーの多くが、各事業所LGBTQ窓口担当として取り組みを推進しています。

採用活動での性別の無回答

2020年11月にユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社が発表した「LUX Social Damage Care Project(ラックス ソーシャルダメージケア プロジェクト)」に賛同し、採用活動において性別の登録の無回答を可としています。

三井化学LGBTQアライ宣言と専用窓口の設置

性的マイノリティを理解する姿勢を示す「アライ(支援者)」を増やすことを目的とし、「三井化学LGBTQアライ宣言」を行っています。宣言は、LGBTQについて自ら積極的に理解しようと学び、当事者の方に寄り添いたいという思いがあることを示すものです。第一号として橋本社長がアライ宣言にサインしており、アライを増やす活動も進めています。
また、LGBTQに関するハラスメントやカミングアウトを受けた際の相談(相談にはカミングアウトをした本人の承諾が必要)、および制度利用に関する問い合わせなどの対応を目的とした、LGBTQ専用相談窓口を設置しています。

同性パートナーへの福利厚生適用

2022年10月より、従業員が同性パートナーを会社に届け出た場合、一部の休暇、休業ならびに福利厚生制度について同性パートナーを配偶者と同様の取り扱いとなるように適用開始しました。制度を利用しやすい風土作りのため、当事者の方が働きやすい環境の整備や施策の検討を進めています。

適用概要について

適用する社内制度結婚・忌引・介護・看護 休暇
育児・介護休業
社宅貸与
適用範囲三井化学籍社員(国内在勤者)
嘱託社員(有期、無期、再雇用)はそれぞれの制度の範囲に応じて適用

※ 制度の適用範囲は段階的に拡大していく予定です。

教育

  • ハラスメントをテーマとした教育(e-ラーニング)
    法令順守教育として、セクハラ、パワハラに加え、性的指向による差別や嫌がらせの禁止を盛り込んだ「ハラスメント」講座を実施。毎年全社員が受講しています。
  • SOGI(Sexual Orientation Gender Identity)ハラスメントをテーマとした職場ディスカッション
    法令順守の様々なテーマについて職場で議論をする「職場ディスカッション」の選択テーマの中にSOGI(Sexual Orientation Gender Identity)ハラスメントを盛り込んでいます。
  • 新任のライン長研修(ダイバーシティセミナー)
    「ダイバーシティセミナー」にて、SOGIに関するハラスメントや部下から相談を受けた際に取るべき行動についても、グループワークを通し教育しています。
  • LGBTQ窓口担当者向け研修
    各事業所の窓口担当者を対象に、外部講師(当事者)から実際に社員から相談を受けた場合のロールプレイを体験するなど実践的な教育を行っています。
  • 担当者向け教育
    2022年に一部福利厚生制度を同性パートナーに適用開始したことから、関連する申請類情報取扱者および社宅担当者に対し、LGBTQ理解促進について、また運用方法についての理解を深めるための教育を実施しています。

イニシアティブへの参画

当社は、性的マイノリティに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する一般社団法人 work with Prideが策定した、LGBTQ+などのセクシュアル・マイノリティへの取組を評価する「PRIDE指標」において、2022年の「ブロンズ」認定に続き、2023年に「シルバー」認定を取得しました。

work with Pride

※ PRIDE指標:一般社団法人 work with Prideによる、職場におけるLGBTQ+に関する取り組みを評価する日本初の指標です。 取り組みは「PRIDE」の各文字に合わせた5つの評価指標(Policy:行動宣言、Representation:当事者コミュニティ、Inspiration:啓発活動、Development:人事制度・プログラム、Engagement/Empowerment:社会貢献・渉外活動)に分類されます。

取り組み事例

2016年度トランスジェンダー当事者を招いた有志勉強会(本社地区)
2017年度国内関係会社ハラスメント相談窓口担当者のためのLGBT対応研修
2018年度トランスジェンダー当事者を招いた講演会
新任ライン長研修内でLGBTへの理解を促進する講義(これ以降毎年)
2019年度
性的マイノリティへの理解を促す目的の映画上映会
2020年度新入社員研修でLGBTについての講義(相談窓口の紹介等)
国内関係会社人事担当者対象改正労働施策総合推進法とSOGIハラについて学ぶ勉強会
全社部長、グループリーダー層(約450人)にSOGIハラ教育を実施
2021年度全社チームリーダー層(約430人)にSOGIハラ教育を実施
三井化学LGBTQアライ宣言開始
2022年度LGBTQ専用相談窓口を設置
同性パートナーへの福利厚生適用開始

ダイバーシティ推進に関連する研修、講演会

部長層アンコンシャスバイアス研修

女性社員の役員登用までを視野に入れたパイプラインを構築していくためには、幹部層がアンコンシャスバイアスを理解した上で管轄組織の課題に向き合うことが重要であるという考えにより、部長層にアンコンシャスバイアス研修を実施しています。2021年度は、eラーニングの受講と、受講者の無意識バイアスを数値化した分析結果を、組織区分で比較をしてフィードバックするといった内容で実施しました。2022年度はさらに組織区分ごとのバイアス分析結果をオンラインワークショップにて話し合い、白熱した議論が展開されました。研修冒頭にはトップコミットメントを明確にするため、社長メッセージを発信し、無意識バイアスの認知の必要性や、所管部署での課題に本気で取り組むことの重要性についての意識付けを行いました。

部長層アンコンシャスバイアスワークショップ(1時間半)

プログラム内容
無意識バイアス分析結果の共有事前に受講したe-ラーニングの各人のバイアス数値を組織区分毎の傾向として分析し、結果を共有。組織区分毎の特徴が表れた。
グループセッション組織区分毎に特徴あるバイアス傾向が存在する原因は何か、自組織の現状や課題についての共有、当社の課題は何かなどについて小グループに分かれて議論。
総括各グループで出た意見を共有。最後に、各人の各所管部署でのワンアクションを宣言。

新任ライン長研修でのダイバーシティセミナー

新たに部下を持つライン長に任命された全員が参加する「新任ライン長研修」ではライン長としての役割や必要なスキルを学び、職務意識の醸成を行います。

ダイバーシティセミナー(2時間)

プログラム内容
なぜ組織にダイバーシティが必要なのか社会情勢や著名な経営者の発言なども交えながら説明。
特に女性の活躍は組織のダイバーシティを進める上での試金石であることや、意思決定層の女性を増やすことの重要性について説明。
ダイバーシティを阻むもの
(アンコンシャスバイアス)
文献などにある事例を通じ具体的なアンコンシャスバイアスを紹介。本研修と合わせて、e-ラーニングも実施し、多くの受講者が「自分で思っていたよりもアンコンシャスバイアスを持っていた」という気づきを得ている。
ハラスメント職場で起こり得るハラスメントに関し説明。SOGIハラとパタハラについては具体的事例について上司としてどのように対応するべきかをグループで議論。
大牟田工場、大阪工場での研修風景
大牟田工場、大阪工場での研修風景

大牟田工場、大阪工場での研修風景

工場技術系女性基幹職研修

オペレーターとして工場で働く技術系の基幹職の女性を対象とし、他事業所の女性オペレーターとの交流や、キャリアを考える機会の提供を目的とした研修をおこなっています。2022年度は交流の場として、夏と冬の2回、交流会を実施しました。先輩女性オペレーターの歩んできたキャリアについて聴き、積極的な対話を行い、また悩みの共有等を行いました。交流会で把握した人事課題については、制度や施策に反映できるよう検討を進めています。

女性のキャリアと健康

ライフイベントに直面した際、当社は休暇制度は充実していますが、働き続けることの支援においては、検討の余地があるのではという問題意識から、2022年度、両立支援を検討するプロジェクトを立ち上げました。社員の声を聞きつつ検討し、以下の施策を実施しています。

  • 不妊治療セミナー
    不妊治療における必要な支援とは何かを深堀するため、まずは関心のある参加者を募り、不妊治療セミナーとして現状を知ることから始めました。(株)東レ経営研究所 永池 明日香氏を講師に招き、「不妊治療とは何か」「実際の治療の流れ」「治療のスケジュールとかかる費用」「仕事と治療の両立は可能か」「令和4年からの保険適用により何が変わったのか」といったテーマについてお話いただきました。
  • 産婦人科・小児科オンライン健康相談サービスの導入
    生理痛、PMS、妊娠、更年期障害等、女性特有の悩みや、子どもの健康についてのオンライン相談サービスを導入しました。このサービスを活用することで、社員やその家族にとって、子どもや産婦人科に関わる健康問題に悩む時間、および心の負担を減らし、安心できる時間を創出することを目的としています。

女性登用を目的とした社外研修への派遣

当社は、管理職登用を目指す女性を対象とし、マネジメント能力やモチベーションの向上を図る社外研修を行う他、部長職・役員候補の女性を対象とし、経営学の習得や社外ネットワーク構築を目的とした社外研修を行っており、毎年計10~20名程度を派遣しています。社外の同クラスの女性ビジネスパーソンとの交流を通じ、ロールモデルとの出会いや自身のキャリアに対する意識の変革につながっています。

参加者の声

女性リーダーのための経営戦略講座

「リーダーがものごとを判断する時に必要なことは何か。そのために何をすべきか。」このことをひたすら考える6日間の合宿形式の講座は、私にとって判断する時に必要な考えが横に広がり、縦に深くなる濃厚な時間となりました。

講座は、ハーバードビジネススクールの先生方がセレクトした、経営者が直面した課題への対応を追体験するケーススタディを題材に、まずは自分だったらどうしたかを考え、その後グループワークでの議論を通じて多種多様な視点を得て、さらに講義で先生方が企業の果たすべき責任について考え抜く大切さと、最後は自分で答えを出すことが意思決定者に求められることを実感する議論に導いてくださる形式でした。

日本各地から集まったリーダー層の女性65名が集合した講座には、すでに経営を担う方も多数おられ、講義の合間には普段の仕事での悩みなどを話す機会も多くあり、幅広い人脈を築くこともできました。

上司や同僚の多大なサポートをいただきながら参加した講座を終えた時は、やり遂げたという気持ちでいっぱいでしたが、今は講座で得た知識と経験が自分の思考パターンを多様にさせていることを実感しています。そして今後仕事をしていくうえでの基軸になっていくことを確信しています。

コーポレートコミュニケーション部 広報グループリーダー 多田 祐美

コーポレートコミュニケーション部
広報グループリーダー
多田 祐美

*役職等は掲載当時

異文化理解促進

2014年度から多文化チームの運営のためスキルを学ぶことを目的とする「グローバルビジネススキル研修」を行っています。この研修は、海外赴任予定者や海外事業に従事する者のうち、多文化チームのマネジメントや多様な背景を持つ相手との交渉等、海外と深く関わる業務に従事する者を対象にしており、毎年約30名が受講しています。ビジネス上のコミュニケーションをテーマとした具体的なケーススタディを通して各国・地域の人々の宗教・文化・考え方とその背景について学んでいます。

インクルージョン勉強会

多様性を受け入れる組織風土の醸成を目的とした「インクルージョン勉強会」を開催し、障害者、人種・国籍上のマイノリティ、性的マイノリティ、異文化等についての理解を深めています。障害や病気を抱える社員が講師となり、障害や自身の経験について語る場を設けている他、社外有識者を招きオンラインで全国の事業所から参加者が集まって勉強会を行っています。2022年度は鬱病をテーマとした部下のメンタル不調を防ぐための上司の対応法を学ぶ会や、ハラル・ベジタリアン等異文化の食の多様性を理解する会、起業された発達障害の方のご経験をお聞きし参加者とのクロストークを行うといった会がありました。また、視覚障害者の方と一緒に遊べるゲーム「グラマ」の体験も行っています。
いずれも多様性・インクルージョンへの理解を深めることで、製品イノベーション、ひいては企業価値向上に繋げていきます。

ダイバーシティをテーマにした研修

2022年度実績(のべ参加人数:計1,035人)
テーマ
講師対象
アンコンシャスバイアス社外講師部長
AGC社と合同 リーダー対談「海外で働くこと」社内外 社内講師社内外 従業員
国際女性デー「目指せ、駄言撲滅!」トークイベント社内講師従業員
ライン職対象 ダイバーシティを尊重した組織運営の理解社内講師新任ライン長
全国交替勤務女性のための先輩との対話会社内講師交替勤務の女性
リーダーシップ研修 メンティ向け社外講師従業員
不妊治療と仕事の両立セミナー社外講師従業員
仕事と介護の両立ワークショップ社外講師従業員
発達障害への理解「支援者と当事者と共に考える障害理解とは?」社外講師従業員
部下のメンタル不調を防ぐために上司が知っておくべき対処法社外講師従業員
能力開発セミナー社内講師障害者の従業員
LGBTQ基礎研修 社宅等福利厚生担当者向け社外講師従業員
LGBTQ相談対応研修 事業所窓口担当者向け社外講師従業員
異文化理解「ハラル・ベジタリアン等食の多様性を学ぶ」社外講師従業員

Lean In Mitsui Chemicalsの活動

「リーダーシップに多様性を!」をミッションに掲げたLean Inサークルは、メンバーも80名となり、一周年を迎えました。対話を通じて新たなスキルを学び練習する場を提供し、心理的安全性と守秘義務を確保しながら、メンバー同士のフラットなコミュニケーションを促進しています。月例セッションでは、事前に読書や動画視聴、自己分析などの課題準備を行い、昼休みにオンラインで3~5人の少人数グループに分かれて対話を実施しています。さらに、毎月の特別企画では、社内外講師の講演会や社外企業との交流イベントなどを開催し、メンバーが自分らしいリーダーシップのスタイルや能力を模索できる場となっています。Lean Inの理念である「すべてのジェンダーの方が野心を持って、挑戦することができる社会の実現」に引き続き貢献し、持続可能な企業文化の形成とリーダーシップの育成に取り組んでいきます。

月例セッション 月例セッション

取り組み事例

読書会
  • シェリル・サンドバーグ『Lean In』
  • マシュー・サイド『多様性の科学』
動画視聴
  • ブレネー・ブラウン『傷つく心の力』TED Talk
  • 石井遼介『心理的安全性の作り方』著者解説動画
自己分析
  • アイデンティティと無意識バイアス(役員&サポーターを交えた対話)
  • エニアグラムによる自己分析
  • #IamRemarkableワークショップ
  • 偏愛マップによる自己把握
  • やりたいこと100連発の共有
  • 自分をサポートしてくれる人を知るワーク

特別企画

テーマ講師
社内対談「自分らしいリーダーシップ&キャリアの作り方」社内講師
対談「国際男性デー祝!家庭とキャリアの両立に関する男女4人本音トーク」社内講師
対談「育休はゴールじゃない!仕事も人生もさらに充実させるための男性育児」社内講師
社外ワークショップ「セルフ・コンパッション」(全5回)社外講師
ワークショップ「自分らしいリーダーシップを発揮する秘訣~自分への信頼と自己肯定感~」社外講師
ワークショップ「LEAN IN DOCOMO & Lean In Mitsui Chemicals合同企画」「#IAmRemarkable」社内外講師