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人材マネジメント

タレントマネジメント

人材戦略

三井化学グループでは、これまでも長期経営計画に連動した人材戦略および導き出された優先課題に応対する各種人事・組織に関する戦略を策定・実行し、グループ・グローバルでの事業ポートフォリオの変革やグローバル展開の拡大を、人材マネジメントの面から着実にリードしてきました。その結果、1997年の三井化学発足以降、連結対象会社数は165社、連結従業員数は18,933名(2023年3月末、嘱託社員除く)、海外売上収益比率は49%まで拡大しました。

VISION 2030の実行に向けても、外部環境変化をとらえ、①人材の獲得・育成・リテンション、②従業員エンゲージメント向上、③グループ・グローバルでの人事ガバナンス強化と人的資本価値の積極的開示を人事戦略のありたい姿として掲げ、優先課題と実行すべき方策を定義しています。

「人材戦略」における優先課題と方策

2030年の“ありたい姿”
顧客・パートナーと協働し、社会課題に紐付く事業創出を実現する人材が、確保・育成・リテンションできている。

顧客・パートナーと協働し、社会課題に紐付く事業創出を実現する人材が、獲得・育成・リテンションできている。

人材戦略上の優先課題と実行すべき方策

多様性に富む経営者候補の戦略的獲得・育成・リテンション

  • キータレントマネジメント
  • Job型人事管理の進化

"ありたい事業ポートフォリオ"に連動した人材ポートフォリオのデザイン

  • DX人材育成
人材のエンゲージメントを高め、組織の力に昇華させる企業文化に変革できている。

人材のエンゲージメントを高め、組織の力に昇華させる企業文化に変革できている。

自主・自律・協働

  • "Best Mix"を実現する新しい働き方
  • エンゲージメント向上に向けた継続アクション
  • "チャレンジする文化"を育む評価・報酬制度
当社グループの「人事ガバナンス」を整え、人的資本価値を社内外に発信できている。

当社グループの「人事ガバナンス」を整え、人的資本価値を社内外に発信できている。

M&A等に対応する人事ガバナンスの高度化

  • 競争力のある報酬デザイン

 グループ統合型人材プラットフォームの構築

  • Analyticsの推進

これらの「実行すべき方策」に対する各種人事施策を、グループ・グローバルレベルでスピーディーに策定・実行するため、タレントマネジメント、タレントディベロップメント、トータルリワード、HRIS(Human Resources Information System)&People Analytics等の実行を、グローバル人材部をCoC機能の中心に据えて進めることで、日本を含む各地域統括人事機能の強化を進めていきます。

キータレントマネジメントと戦略重要ポジション後継者計画

当社グループでは、社会課題視点に立って事業ポートフォリオ変革の追求を実現していく次世代を担う経営者候補、また、グローバル展開・M&Aなどを活用したソリューション型ビジネスモデルの構築を担う新しい着想と変革を同時に実現する人材など、当社の戦略重要ポジションを担う候補者を「キータレント」と定義しています。「キータレントマネジメント」とは、候補者一人ひとりについて、その「キャリア」「個人の興味・志向性」「育成計画」を論議する文化を組織内に根付かせた、三井化学の人材マネジメントの中核を担う取り組みであり、2016年度よりグループ・グローバル共通の仕組みとして導入、運用しています。

キータレントマネジメント体制

当社のコーポレートガバナンス・ガイドラインでは、経営陣幹部(本部長・CxO)を含む後継者計画として「キータレントマネジメント」をその体系の中心に位置付け、経営者として必要な資質を明確にした上で、経営陣幹部候補の早期選抜と戦略的育成を行っています。毎年社長を筆頭に、CxOや本部長、各事業部長・室長等、経営幹部全員が協議者として部門別および全社人材育成委員会に参加し、グループ・グローバルから次世代を担う経営陣幹部候補等を選抜し、候補ごとに育成計画を策定し、その内容について時間をかけて議論を行います。その内容を踏まえてアセスメントを行い、育成機会の創出・配置等を通じ、各人のキャリア形成につなげています。特に2022年度はVISION 2030の達成を見据え、経営陣幹部層に求められる人材要件・必要な資質を再定義しました。より適切な人選や、より有効的な育成計画の策定のための、重要な取り組みも進めています。また、VISION 2030の非財務KPIとして執行役員の多様化率(女性3名以上、外国籍・中途採用者と合わせて10名以上)も設定し、多様性に富む経営陣幹部候補者の充実にも取り組んでいます。

戦略重要ポジション後継者の選抜と育成

各戦略を遂行する上で重要と考えられる戦略重要ポジション(主に三井化学の事業部長/部長以上および大規模関係会社社長職務)や、次世代を担う経営者候補等の育成を目的として、配置を促進すべきポジションを、全社人材育成委員会で抽出・認定し、当該ポジションの後継者計画を作成しています。現在、グローバルで約100程度の戦略重要・育成ポジションを定めており、各ポジションの人材要件に応じた人材を、社内外から登用しています。
キータレントマネジメントおよび戦略重要ポジション後継者計画の取組状況については、定期的に取締役会に報告され、人材パイプライン構築状況を定期的かつ客観的に取締役会がモニタリングをすることはもちろん、役員指名委員会につながる人材プールを充実させる観点から積極的な提言も行い、全体として実行力のある仕組づくりを実現しています。

キータレントマネジメントプロセス

キータレントマネジメントプロセス

キータレントマネジメントアセスメント体系図

キータレントマネジメントアセスメント体系図

※1 グループ社員のうち、将来の三井化学本体本部長候補率

※2 グループ社員のうち、将来の三井化学本体部レベル長候補率

経営者候補に求める人材要件と経験

経営者候補に求める2つの人材要件

  • 経営ビジョンの実現に向け、当社の経営を適確、公正に執行することができる知識および経験を有していること
  • 高い見識や幅広い視野、倫理観、公正性および誠実性を有していること

経営者候補に必要な経験

経営者に必要な経験
5つの軸内容
① 経営的視野
  • 複数の事業部門でのPL責任
    (異なる分野での事業責任)
  • 関係会社経営等
② 事業再構築
  • 厳しい事業のリストラクチャリング等
③ 新事業開発
  • 新しいビジネスモデルの立案・実行
  • 今までとは異なる事業
    (市場・製品・顧客)創造経験等
④ 全社横断プロジェクト
  • 全社的問題に関わるスタッフ業務
  • 長期計画の策定
  • 大型M&A、アライアンス等
⑤ 海外経験
  • 海外における会社マネジメント経験

進捗と今後の計画

2022年度の進捗状況
  • 経営陣幹部層(CxO)に求められる人材要件の再定義(VISION 2030との連動)
    各ポジションに求められるコンピテンシー・スキル・経験・資質詳細を明らかにし、後継者計画策定および戦略重要ポジションへの選任プロセスの進化を目指す。
  • キータレントの育成計画の実現性を高めるため、フォローアップを目的とした実行計画会議の開催。
  • VISION 2030非財務指標KPI、執行役員多様化人数(女性、外国籍、中途採用者)を見据え、キータレントの多様化状況のモニタリングと多様化推進施策の検討開始。
  • 後継者の充足度を示す“後継者候補準備率”を、後継者の年齢や重複指名者数とともに、経年で継続的にウォッチすることで、タレントプール構築の実効性を担保していく。
2023年度の計画
  • 経営者候補に対するアセスメントの更なる充実により、育成計画・後継者計画の最適化を促進。
  • 経営幹部候補の多様化に向けた、外部採用や既在籍社員の育成計画充実などの促進。

後継者候補準備率/執行役員多様化人数

全社戦略を遂行する上で重要な「戦略重要ポジション」について、十分な後継者候補を確保できているかを「後継者準備率」として数値化し、経年でモニタリングしています。昨今、多くの企業が後継者不在によるリスクを回避するためのサクセッションプラン、および後継者計画策定に取り組んでいますが、当社はその状況を定量的に把握し実効性を担保するため、後継者準備率をVISION 2030における非財務指標として設定し、対外的にも公表しています。また、執行役員の多様化人数についても同じく非財務指標に設定し(2030年執行役員:女性3名以上、外国籍・中途採用者と合わせて10名以上)、後継者を継続的・安定的に育成するだけでなく、ダイバーシティの観点からもキータレントマネジメントの実効性を管理しています。2022年4月には執行役員に女性、外国籍、中途採用者が加わりました。
今後も社会・時代のニーズに合わせ、かつ経営施策によりドライブをかけるタレントマネジメントに取り組んでいきます。

※ 後継者準備率:
戦略重要ポジションに対する後継者候補数 ÷ 戦略重要ポジション数

戦略重要ポジション後継者準備率

戦略重要ポジション後継者準備率
戦略重要ポジション